葬儀業界では、大型のM&A(企業の合併・買収)が相次ぐなか、株式会社金宝堂ホールディングス(以下:金宝堂HD)の動向が特に注目を集めています。
同社は、仏壇事業の全国展開やECサイトの運営などで広く知られた企業でしたが、2020年前後からは葬儀事業においても加速度的な多店舗展開を進め始めたことから、葬儀業界でも一気に認知が広がりました。
そのため葬研でも、同社の事業展開について2022年に取り上げましたが、現在(2026年4月時点)では事業規模や展開内容も大きく様変わりしました。
2022年時点で年間売上130億円規模だった同社は、わずか数年で売上450億円規模(2025年見込み)へと急拡大し、グループ全体の葬儀式場数は260を超える水準にまで到達しました。
2025年12月には東京都・神奈川県で15会館を運営する株式会社セレモア(以下:セレモア)を完全子会社化するなど、首都圏での存在感も一気に高めています。
そこで本記事では、金宝堂HDの現在の企業規模、事業構成、M&A戦略の特徴、集客力を支える仕組み、上場準備の動向について、最新の公開情報をもとに整理します。
葬儀業界で自社の経営判断に悩まれている経営者・幹部の方々にとって、業界のリーディング企業の一社である同社の事業モデルは、今後の方向性を考えるうえで重要な参考材料となるはずです。

- 株式会社金宝堂ホールディングスの企業概要と現在地
- 会社概要と事業構成
- 売上高の推移に見る急成長の軌跡
- 事業別構成の変化|葬儀事業が中核へシフト
- 金宝堂HDの事業展開|ライフエンディング総合企業への進化
- 総合葬祭事業|小さな森の家を旗艦とする全国展開
- 仏壇・仏具事業|創業事業が支える顧客接点
- 墓石・霊園事業|小さな森のお墓
- 卸事業・不動産事業|収益基盤の多層化
- 金宝堂HDのM&A戦略の特徴|従来型M&Aとの違い
- ブランド維持型M&Aによる地域信頼の継承
- 大型案件と小規模案件の使い分け
- 孫M&A(子会社によるM&A)の展開
- セレモア買収に見る新たな展開|独立性保持型の判断
- 金宝堂HDの高い集客力を支える独自基盤
- マーケティング内製化
- 東京博善との連携
- 互助会からの乗り換え戦略|のりかえ割サービス
- 上場準備の現状と経営体制強化
- IPO推進室設置と人材採用動向
- 上場が実現した場合の影響
- 金宝堂HDの事業モデルから葬儀業界の事業者が学べること
- 顧客接点としての葬儀事業の位置づけ
- 地域ブランドの価値を損なわない規模拡大の設計
- 多角化による収益構造の安定化
- まとめ~金宝堂HDの動向が示す葬儀業界の次なる潮流~
株式会社金宝堂ホールディングスの企業概要と現在地

会社概要と事業構成
金宝堂HDは、1971年に千葉県で仲村仏具店として創業し、1981年に株式会社金宝堂として法人化された企業です。
仏壇・仏具の販売を祖業としながら、2004年に葬儀式場を出店して葬儀事業に参入し、以降は総合葬祭事業へと軸足を広げてきました。