葬儀社 金宝堂(小さな森の家)の展開数字をまとめてみました!

金宝堂HP

超高齢化による多死社会を迎えた日本では、葬儀業界が成長産業として注目を集めました。
しかし新型コロナの影響による参列者の減少による葬儀規模の縮小や、葬儀単価の下落が葬儀業界を襲った結果、撤退を余儀なくされた企業も少なくありません。

そうした状況下の葬儀業界ではM&Aが活発に行われており、金宝堂様も積極的に進められているようです。
そこで今回は、金宝堂公式ホームページなど各種Web上に公開されている情報をもとに、金宝堂様の事業展開についてみていきたいと思います。

目次

金宝堂における葬儀施行価格について

かつては葬儀の内容や価格については、実際の葬儀打ち合わせ時点でしか分からないのが通例でした。
しかし近年では明瞭な金額を提示した葬儀プランを、いくつか用意している葬儀社様が多くなっているようです。

金宝堂様の葬儀事業『小さな森の家』でも、4種類の葬儀プランが設定されています。

金宝堂の葬儀プラン設定価格

まず最初に『小さな森の家』ブランドでおこなわれている葬儀の施行についてですが、ホームページを見る限りでは非常に安価な設定をされているように思われ、低価格のものでは¥104,500円となっておりました。

金宝堂様の掲載プランはコチラです。

金宝堂価格

一方でWeb上に掲載されている葬儀ポータルサイトの葬儀プランではどうでしょうか?

主要な葬儀ポータルサイトの、プラン別設定価格は以下の通りです。

葬儀ポータル価格

※2022年5月9日時点 に調べた価格を掲載しております。

ここに金宝堂様の葬儀プランを重ねて比較してみると、入口となる最安価格では葬儀ポータルとそん色ない価格帯で設定されているようです。

葬儀ポータル金宝堂比較

数字だけをみると、取り立てて特徴があるようには見えないかもしれませんが、葬儀1件あたりの収益は大きく違ってきます。

葬儀社様が葬儀ポータルから葬儀の施行を請け負った場合、葬儀費用の中から一定割合の紹介料を葬儀ポータルに納めなければなりません。
利用者にとっての支払額は変わりませんが、葬儀ポータルの紹介料は葬儀社様にとって大きな負担となるため、高いサービスレベルを保てないケースも出てくるでしょう。

しかし自社ホームページなどから十分に集客できれば、葬儀ポータルを利用する必要はありません。
葬儀ポータルと価格が同程度の葬儀プランでも、紹介料が不要な分サービスレベルを上げても収益が確保できます。

金宝堂が高い集客力をもつ理由

マーケティング

金宝堂様は効率的な広告戦略を実施するために、マーケティング専門部署により地域ごとに異なる特性を見極めて、Web広告チラシなどで積極的な広報を行っているようです。
こうした経験を活かして、広報専門部署をもたない企業向けに、広告代理店「Creative Cube」を立ち上げています。

「Creative Cube」では、マーケティングリサーチからホームページ作成・リスティング広告の運用などWebマーケティング全般、チラシ製作やポスティング手配まで幅広く扱っているようです。
こうした点からも、金宝堂様のマーケティング戦略に対する意識の高さが見て取れます。

金宝堂の代表取締役社長を務めるのは、30代の若き二代目仲村和明(なかむら かずあき)氏です。
仏壇のネット販売をいち早く手掛け、オンライン仏壇売上1位を達成するなど、マーケットの変化への対応力の高さが感じられる人物といった印象を受けます。

従来の葬儀社様が苦手としてきた広報に注力している金宝堂様が、高い集客力をもつのは当然といえるかもしれません。

金宝堂の葬儀施行価格

実際の葬儀にかかった費用を表す葬儀施行価格については、鎌倉新書様がアンケート調査を実施して、全国平均金額を公表されています。

葬儀費用

葬儀施行単価は鎌倉新書様の調査結果では平均119万円となっており、金宝堂様の葬儀施行単価は全国平均に比べ24%安い内容です。

出典:鎌倉新書【お葬式に関する全国調査(2013-2020年)】

金宝堂施行単価
参照元:葬送ジャーナリスト 塚本 優の終活探訪記

金宝堂様ではネットでの積極的な集客に努めれば、店舗がある強みで来店誘導を図れるでしょう。
お客様が葬儀を検討する際に、葬儀ポータルと比較されたとしても、価格が同等であれば店舗がある分優位に働くと考えられます。

加えて店舗があるからこそ、コールセンターのコストをおさえることもできると想定されますので、高い競争力を維持できるのではないでしょうか。

金宝堂の事業展開について

金宝堂様の事業は、葬儀ではなく仏壇・仏具の事業をおこしたところから始まります。
しかし葬儀事業の本格参入からわずか7年で葬儀会館70軒を開業し、葬儀施行数も5500件と驚異的な伸びをみせています。

金宝堂会館数
参照元:葬送ジャーナリスト 塚本 優の終活探訪記

現在のところ、葬祭事業における直営店の展開範囲は千葉県と茨城県に留まっていますが、7つのグループ会社(M&A:東京・宮城・香川、合弁会社:茨城・静岡・広島・石川)を通して葬儀事業を展開しています。

中核事業の仏壇販売では支店を全国展開しており、仏壇販売のフランチャイズ事業も全国に展開しています。
また仏壇販売店の「メモリアル仏壇」の店舗には石材店「メモリアル石材」が併設されており、全国対応の墓石事業として「メモリアルお墓の金宝堂」も運営しています。

金宝堂様の2021年度における事業別売上は以下の通りです。

金宝堂事業
参照元:葬送ジャーナリスト 塚本 優の終活探訪記

金宝堂様の展開されている事業の中で、売上の約2/3を占めるのは仏壇・仏具と墓石販売が占めており、葬儀事業は現在のところ1/3ほどです。

続いて金宝堂様の年度別売上推移が、以下のグラフになります。

金宝堂売上推移
参照元:葬送ジャーナリスト 塚本 優の終活探訪記

2011年には約3億円だった売上が、2021年には約30倍の92億円と大幅な伸びを示しており、2022年の売り上げは130億円に達する見込みです。

東京商工リサーチの調査によると、仏壇・仏具販売事業は全国的に低迷しており、2019年9月期~2020年8月期の売上高合計は515億6,600万円と前年同期と比べ4.4%減少しています。

また仏壇販売業界全体の利益は前年同期の3億9,100万円から、-15億1,100万円と赤字転換しました。

こういった事情を考慮すると、今後は事業の中心を仏壇販売から葬儀事業にシフトする可能性が高いでしょう。

出典:東京商工リサーチ【全国「仏具店」の業績調査】

今後の展開について

金宝堂様では株式上場を目指しているようですので、今後の動きからも目が離せません。
ここまで見てきた数値や事業展開などのデータをもとに、今後の金宝堂様の動向を予測していきたいと思います。

葬儀事業の店舗展開予測

金宝堂様の仏壇販売・石材店事業については、すでに全国各地に支店を置いており、フランチャイズ事業も展開していることから、今後は葬儀事業に注力していくと考えられます。
これまでの葬儀事業の傾向としては、地域での知名度を上げやすいドミナント戦略をとっており、今後も地方を中心に店舗展開を進めると思われます。

店舗数拡大の方法としては、公式ホームページでは業務提携パートナー募集の記述があることから、M&Aや合弁事業という形式も用いつつ、自社出店にこだわらず勢いそのままに拡大しそうです。
店舗数拡大の最大のネックは人員の確保ですが、M&Aや合弁事業を併用することで、極端な増員は必要なくなります。

さらに各地の地元企業をM&Aで手に入れれば、葬儀社の多い地域でも橋頭保を築けますし、地域独自の葬送習慣に対応した葬儀のノウハウも継承されるので、地方への出店にも弾みがつくでしょう。

地域独特の葬送習慣への対応は、全国一律料金での葬儀施行をうたう葬儀ポータルサイトの弱点ともいえます。
そのため葬儀ポータルのWeb集客力が活きるのは都市部が中心で、地方の郊外などでは地元密着型の葬儀社様が強い影響力を保っています。
こういった点を見ても、地方を中心とした金宝堂様の出店戦略の巧みさが際立っています。

利用者の新規獲得について

新規顧客獲得については、冠婚葬祭互助会事業者からの乗り換えを促す戦略をとっているようです。
冠婚葬祭互助会の積立を解約した場合は、2割ほどの解約手数料を取られるのが一般的ですが、金宝堂様では解約手数料分として4万円の「のりかえ割」サービスを提供しています。

実際問題として、冠婚葬祭互助会に積立てた金額で葬儀施行費用を賄うのはほぼ不可能で、費用の一部として充当する程度に留まるケースがほとんどです。
しかも冠婚葬祭互助会の場合、積み立てとはいっても金融機関の積み立てのように利息がつくことはなく、解約時に全額が返還されるケースはまれです。

利用者のメリットとしては、非会員より安価で冠婚葬祭サービスが受けられることですが、葬儀の小規模化が進む現在ではデメリットの方が目立ってしまっています。
「のりかえ割」で互助会からの乗り換えが進めば、膨大な数の利用者囲い込みが見込めそうです。

仏壇販売・石材店だからこその強みを活用

現在の葬儀業界では、介護や生前整理・相続・お墓探しなど、徐々にライフエンディング領域全体に事業を拡大する動きが活発化しています。
金宝堂様は仏壇や墓石の販売事業においては、すでに確固たる地位を築いているため【葬儀→仏壇】あるいは【葬儀→お墓】といった顧客の利用導線がスムーズに運べるでしょう。

さらに葬儀の利用者には、会員価格での仏壇購入など特典が付与される点も、葬儀・仏壇の相互利用の後押しとなりそうです。

まとめ~葬儀業界も多角化経営の動きが活発に~

非上場でも業績を安定させて、積極的に市場シェア拡大を図っている会社さんは多数いらっしゃいます。
その共通項としては葬儀・葬祭事業に単体ではなく、仏壇・仏具・墓石・相続等を交えて、ライフエンディング事業として展開されているところが多いように感じます。

今回の金宝堂さんのケースでも同様ですが、葬儀単体での収益というと、大幅な数字の伸びというものは期待できないようでした。
しかし、葬儀後のサービスでは大幅な収益となる事業が多く、成長が期待できます。
最初のきっかけは対面折衝をおこなう葬儀となるため、収益よりも顧客接点の獲得という目的が強いように感じます。

また参考になる情報があればお届けしていきます。ココまでご覧いただきありがとうございます。

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