相続は多くのご遺族様にとって初めての経験であり、その手続きの複雑さに直面したとき、どこに相談すればよいのか迷われることが少なくありません。そうした状況でご遺族様にとって身近な相談先となるのが「銀行」です。
銀行は、単に故人様の預金口座の名義変更や解約だけでなく、相続に関する幅広い情報提供やサポートを行っています。特に一部の銀行は、財産管理や遺言執行など相続に関する専門的なサービスも提供しています。しかし、法的な制約から、すべての相続手続きを代行できるわけではありません。
本記事では葬儀業界で働く皆様に向けて、相続手続きにおいて銀行が「できること」と「できないこと」、そして相続手続きの流れと費用体系について詳しく解説します。こういった知識を持つことで、大切な人を亡くされたご遺族様に適切な情報を提供し、複雑な相続手続きの不安を軽減するお手伝いができるでしょう。
目次
- 銀行とは
- 相続業務で銀行ができること
- (1)相続の基本的な情報提供・相談対応
- (2)遺言信託・遺言執行業務の実施
- (3)相続財産の調査・評価サポート
- (4)預金・資産の名義変更手続き
- (5)相続税の概算試算と納税資金準備のアドバイス
- 相続業務で銀行ができないこと
- (1)不動産の名義変更手続き
- (2)相続税申告の代行
- (3)相続トラブルの解決
- (4)相続放棄や限定承認の手続き
- (5)法的書類の作成と手続きの代行
- 銀行に相続業務を依頼する手順
- (1)故人様が取引していた銀行に連絡する
- (2)相続発生の届出と初期相談を行う
- (3)必要書類の案内を受け、準備する
- (4)必要書類を銀行に提出する
- (5)審査後、払戻しや名義変更手続きを完了する
- (6)その他手続きにおける適切な専門家の紹介
- 実際に銀行が提供している相続業務
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- ゆうちょ銀行
- 銀行の費用体系
- 銀行への相談は基本無料
- 遺言信託サービスの費用は「遺産総額の1~2%」
- ワンストップサービスの費用は「110万円程度」
- まとめ|銀行は身近な相談先であり、専門家への橋渡し役