相続税の問題は、ご遺族様が故人様を見送った後に直面する重要な課題の一つです。葬儀社の皆様は、ご遺族様のグリーフケアに加え、こうした相続に関する初歩的な質問を受けることもあるでしょう。特に「相続税が払えない」という相談は、現金が少ない状況で高額な相続税が発生した場合に起こりがちな問題です。
現金ではなく不動産や事業用資産などを多く相続した場合、納税資金の不足に悩むご遺族様は少なくありません。しかし、様々な対処法が用意されているため、適切な対応を行えば不安は解消できるでしょう。
この記事では、相続税が払えなくなる原因や具体的な対処法、そして滞納した場合のリスクまで、葬儀社の皆様がご遺族様からの質問に適切に対応するために必要な知識を解説します。ご遺族様の経済的不安を軽減するためのサポート知識として、ぜひお役立てください。
目次
- 相続税が支払えない主な原因
- 現金化しにくい財産を多く相続した
- 遺産分割協議がまとまらず預貯金が凍結されている
- 相続税が払えない場合の主な対処法
- (1)相続税を立て替えてもらう
- (2)延納制度(えんのうせいど)を利用する
- (3)物納制度(ぶつのうせいど)を利用する
- (4)相続財産を売却して現金化する
- (5)金融機関から資金を借り入れる
- (6)納税する金額分だけを先に分割協議する
- (7)預貯金の仮払制度を利用する
- (8)相続放棄・限定承認を行う
- 相続税を滞納した場合のリスク
- 加算税と延滞税について
- 財産の差し押さえリスク
- 連帯納付義務(れんたいのうふぎむ)と相続人間のトラブル
- まとめ