2026年10月21日、世界中のWebサイトの約7割で使われているプログラミング言語「PHP(ピー・エイチ・ピー)」に、深刻度が最も高いレベルの「脆弱性(ぜいじゃくせい)」が2件見つかりました。
脆弱性とは、ソフトウェアに潜む欠陥や不具合のことで、放置すると外部から不正に侵入される「入口」になる可能性がありますPHPの開発チームは、この欠陥に対応した新しい版(修正版)を、同日23時(日本時間)に公開すると発表しました。
この発表を受けて、高市早苗首相は21日夜、X(旧Twitter)で修正プログラムを速やかに適用するよう呼びかけました。また、エックスサーバーやさくらインターネット、BASE、コドモンといった国内の主要なWebサービスが、被害を未然に防ぐため、サービスの一時停止や緊急メンテナンスに踏み切っています。
背景には、2026年7月以降、国内で大規模な個人情報の漏えいが相次いでいることがあります。9月末時点で不正アクセスの被害は600件に上り、過去最多のペースで推移しています。
専門家からは「AIを使って、システムの弱点が探し出されているのではないか」との指摘も出ています。
葬儀社や仏壇店、石材店、相続関連の事業者にとって、この問題は決して他人事ではありません。自社のホームページや事前相談の申込フォーム、会員管理の仕組み、Web会葬・供花の受付などの多くは、PHPや、PHPで動くホームページ作成ソフト「WordPress(ワードプレス)」などで作られています。
しかも各社は、ご遺族の氏名や住所、故人に関する情報など、特に慎重な取り扱いが求められる情報をお預かりしています。
本記事では、「修正版の公開直後から明日にかけて何をすべきか」と「これから時間をかけて整えるべき社内体制」の2つを、業界の実務に沿って整理します。
※本記事は、2026年10月21日時点で公表されている情報をもとにした速報です。修正版の公開後の情報は、随時追記します。
- (1)相次ぐ個人情報の漏えいと「AIハッキング」
- AIハッキングとは
- 最近の主な事例と手口
- 事例1:会員向けアプリやWebシステムを狙われる(焼肉きんぐ・ローソン)
- 事例2:業務の委託先のパソコンや外部サービスから侵入される(第一興商・大和証券)
- 事例3:社員が個人で契約したAIに、慎重に扱うべき情報を入力(シャドーAI)
- 2026年10月に情報漏えいを公表した主な企業
- 被害を防ぐために押さえるべき4つの対策
- (2)政府の緊急対策と、国内各社の対応
- 10月8日:首相が対策の強化を表明し、民間事業者に「基本的な対策の徹底」を要請
- 10月21日:PHPの脆弱性を受け、首相がXで「可及的速やかな適用」を呼びかけ
- 国内の主要サービスも、相次いで予防的に停止
- 事例1:レンタルサーバー各社が、管理画面や一部の機能を予防的に停止
- 事例2:さまざまなWebサービスも予防的に停止・緊急メンテナンス
- (3)今すぐ取り組むべきセキュリティ対策
- 【直ちに:10月22日まで】PHPの脆弱性への緊急対応
- 【今週中:10月28日まで】政府が求める「基本的な対策」を点検する
- 【今月中:11月20日まで】社内の体制を整える
- (4)葬儀社が取り組むべき実務対応
- 葬儀社が預かる個人情報は「一般企業よりも重い」
- 業務別チェックリスト
- 経営者が直ちに出すべき3つの指示
- ご遺族・会員への説明責任を果たすことも「対策」の一部
- 【有料会員限定】セキュリティ対策 早速チェック表(PDF)
- 早見表①:3つの期限と20項目
- 早見表②:業務別・個人情報の所在と最優先の対応
- (5)葬儀屋jpでも対応を進めています
- おわりに~「基本的な対策」をやり切った事業者だけが、ご遺族の信頼を守れる~
- 出典・参考(2026年10月21日時点)
(1)相次ぐ個人情報の漏えいと「AIハッキング」

AIハッキングとは
「AIハッキング」とは、攻撃者がAIを使って、システムの弱点探しから侵入、情報の抜き取りまでを自動化し、高速化するサイバー攻撃の総称です。これまでは熟練した攻撃者が時間をかけて行っていた「狙いやすいサイトを探す」「侵入できそうな経路を試す」「日本語のにせメールを作る」といった作業を、AIが24時間休みなく、大量にこなすようになっています。