主要数珠屋8選の特徴をご紹介|特徴や種類、選び方をまとめて解説

仏事行事では必ず必要となる数珠。数珠は様々な色、形のものが販売されているため、いざ購入しようとすると迷う方も多いのではないでしょうか。神道やキリスト教などの宗教を信仰している方は数珠を持つ必要はないのですが、仏式の葬儀に参列する際はマナーとして持参するのが通例となっています。

また、葬儀に参列する機会の少ない若い方は家族の数珠を借りて済ませるということも多いかと思います。しかし、数珠は持ち主の身代わりとなってくれるお守り的な意味があり、持つことで功徳があるとされていることから、ひとりずつ数珠を持つことをおすすめします。

本記事では、主要な数珠屋8社を紹介します。それぞれの特徴についても詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

数珠を選ぶ3つのポイント

数珠を選ぶ3つのポイント

選ぶ際のポイントは、以下の3つです。

・性別による違い
・略式と本式の違い
・材質や色の違い

目的によって選ぶポイントは違いますが、大きく上記3点が重要になってきます。それぞれのポイントを詳しく解説します。

性別による違い

数珠(念珠)は本来、性別による明確なルールがあるわけではありません。一般的に男女それぞれの嗜好が分かれているため、玉の大きさや色などにバリエーションが存在します。数珠がとてもパーソナルな法具という意味あいから、貸し借りなどはせずに自分用の数珠を用意する方がほとんどです。また、数珠を持つ年齢などに決まりはありませんが、5歳くらいまでのお子様用の小さな数珠もあります。

◆男性用
どの宗派でも使える片手数珠(略式)の男性用は、玉が10~12mm前後の大きさが一般的です。渋めでシックな色が好まれています。

◆女性用
どの宗派でも使える片手数珠(略式)の女性用は、玉が6~8mm前後の大きさが一般的です。色は、やわらかで明るめの色が好まれています。

◆こども用
女性用よりもさらに小さなサイズの片手数珠で、パステルカラーなどこどもらしい色あいのものが好まれています。

略式と本式の違い

数珠には「略式数珠」と「本式数珠」があります。この違いを理解して、購入するとよいでしょう。違いについて、詳しく説明します。

◆略式数珠
略式数珠とは、簡単に説明すると「宗派を問わず使用できる」ものです。本式数珠とは玉数が違い一連で片手で持つことが可能なことから、片手数珠とも呼ばれています。

◆本式数珠
本式数珠とは、宗派にあわせた正式な数珠です。各宗派により仕様がことなりますので、購入するさいは宗派を間違いなく伝えて選ぶ必要があります。結婚によって宗派が変更になる場合などは、嫁ぎ先の宗派の本式数珠を用意するとよいでしょう。

材質や色の違い

数珠には、さまざまな材質があり、その材質によって色のバリエーションが異なります。主な素材として、黒檀、紫檀、栴檀、柘植、屋久杉など天然木や、白檀、沈香、伽羅などの香木。水晶、トルマリン、アメジスト、ヒスイ、めのうなどの天然石などが代表的です。石によってはカットの違いなども楽しめ、さらにバリエーションが豊富です。素材や色など、自分にぴったりくるものを選ぶとよいでしょう。

数珠の名称と種類

数珠の名称と種類

略式数珠は、5つのパーツから構成されています。それぞれについて詳しく解説していきます。

◆親玉(おやだま)
略式数珠の輪の中心にある一番大きな玉を親玉と呼びます。

◆主玉(おもだま)
数珠は本来108個の玉で構成されていますが、略式数珠は108を割った数で構成されていましたが、現在は玉の大きさによって様々な玉数があります。男性用だと22玉が標準とされ、多いものでは27玉などがあります。女性用は玉が小さいので37~43玉などが主流です。

◆天玉/点玉(てんだま)
主玉の間にある一番小さい玉を天玉(点玉)と呼びます。略式数珠では2つの天玉があります。

◆ボサ玉(ボサだま)
略式数珠のみにある親玉と房をつなぐ玉を、ボサ玉と呼びます。

◆房(ふさ)
梵天房・釈迦梵天房・より房・頭付房・籠編など様々な種類の房があります。数珠の素材の色と合わせると、全体に統一感が生まれます。

本式数数珠の名称

本式数珠は基本的に7つのパーツから構成されています。それぞれについて詳しく解説していきます。

◆親玉(おやだま)
本式数珠の親玉は2つあります。阿弥陀仏如来、または釈迦如来をあらわすとされ、数珠の中心となる玉です。

◆主玉(おもだま)
本式数珠の主玉は108個あります。これは人間の煩悩の数と同じとされ、修行によりその煩悩を断ち切るという意味からきています。お経を唱えるときにその数を数えるともされています。

◆四天玉(してんだま)
主玉のあいだにある小さな4つの玉を四天玉と呼びます。これは、四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)や四菩薩(弥勒菩薩、世音菩薩、普賢菩薩文殊菩薩)をあらわしているとされています。

◆弟子玉(でしだま)
房の場所にある小さな玉の連なりを弟子玉と呼びます。釈迦の十大弟子や、十菩薩をあらわしているとされています。

◆露玉(つゆだま)
弟子玉の下にある露の形をした玉で、弟子玉を支えるという意味があります。

◆浄明玉(じょうみょうだま)
房の一番上にある玉を浄明玉と呼びます。菩薩を象徴する玉とされています。

◆房(ふさ)
房はそれぞれの宗派によって形状や色が異なりますが、基本的にはお好みのものを選ぶとよいとされています。

主要な数珠屋8選の特徴

数珠を選ぶときに安心して相談できる主要な数珠屋は8社あります。ここでは、それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。

安田念珠店

江戸時代初期の天和三年に創業された、京念珠の老舗。京都の誓願寺のおひざ元で参拝客向けに念珠の商いを始めたことが、商いの起源とされています。京念珠ひとすじ330余年という長きにわたって、現在まで数珠ではなく「念珠」という呼び名にこだわり、想いをこめるものとして大切に扱ってきました。

安田念珠店

【社名】株式会社 安田念珠店
【設立】1683年
【所在地】京都府京都市中京区六角通麩屋町東入八百屋町118
【事業所】京都
【事業内容】京念珠の製造・販売
【公式サイト】https://ssl.yasuda-nenju.com/

山田念珠堂

文久元年創業の老舗念珠店。関西地区を中心に百貨店に入店する「あさん堂」という店を23店舗運営しています。念珠づくり一筋に、製造のすべての工程を分業ではなく一貫生産にこだわり、材料すべてを国産仕入れという信念を守り続けている、安心して念珠を購入できるお店です。職人の町大阪ならではの、細かい技が光る選りすぐりの念珠を選ぶことができます。

山田念珠堂

【社名】株式会社 山田念珠堂
【設立】1861年
【所在地】〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町6-13
【事業所】大阪本社
【事業内容】念珠の製造・販売、仏壇仏具販売
【公式サイト】https://www.nenju.co.jp/

香源

香源を運営する菊谷生進堂は、昭和12年に初代菊谷重雄氏が名古屋にて創業。香を幅広く取り扱う専門店でしたが、平成に入り数珠の取り扱いを大幅に増やし店舗を改装しました。のちに、東京銀座、上野にも店舗を広げ、現在ではお香の専門店としてのみならず、数珠の取り扱いの多い専門店としても有名です。店舗スタッフの知識が幅広く、相談ができるコンシェルジュとしても頼りになるお店として知られています。

香源

【社名】株式会社 菊谷生進堂
【設立】昭和12年
【所在地】愛知県名古屋市中村区大秋町4-47
【事業所】名古屋・銀座・上野
【事業内容】お香・お線香・香木・数珠などの薫香類販売
【公式サイト】https://okoh.co.jp/

はせがわ

お仏壇で有名なはせがわでも、もちろん数珠の取り扱いはあります。百貨店などにも出店しているため足を運びやすく、実際に手に取って数珠の質感などを確かめながら購入するのに最適なお店です。ラインナップが豊富なのも魅力のひとつです。

はせがわ

【社名】株式会社はせがわ
【設立】1966年
【所在地】東京都文京区後楽1丁目5−3(東京本社)
【事業所】東京本社、福岡本社
【事業内容】仏壇仏具販売、墓石販売、飲食・食品・雑貨販売
【公式サイト】https://www.hasegawa.jp/

福永念珠舗

福永念珠舗は、寛政九年の創業の初代から現在の九代目にいたるまで、変わることなく京都東本願寺前に店舗を構え、念珠職工として御用を勤めています。伝統的な念珠はもちろん、現代に合わせた新商品まで幅広く取りそろえられた念珠の老舗です。ひとつひとつ手作りにこだわり、製造直売ならではの価格も魅力的な念珠専門店です。

福永念珠舗

【社名】株式会社 福永念珠舗
【設立】1797年
【所在地】〒600-8174 京都市下京区東本願寺前上珠数屋町角
【事業所】京都
【事業内容】念珠製造直売
【公式サイト】https://www.juzz.net/

平野屋清太郎商店

創業120年の、東京・湯島にある老舗念珠専門店です。店頭では、念珠のほかに仏壇仏具やお線香なども幅広く取り扱い販売しています。湯島天神の大鳥居前にある、とてもわかりやすい立地なので足を運びやすさも魅力です。オンライン販売もあるため、遠方の方も安心して購入することが可能です。

平野屋

【社名】有限会社 平野屋清太郎商店
【設立】1899年
【所在地】〒113-0034 東京都文京区湯島4-5-3
【事業所】東京
【事業内容】念珠の製造・販売
【公式サイト】https://hiranoya/

株式会社意匠京念珠板倉

平成16年に京都府伝統産業優秀技術賞を念珠師として初めて受賞した「喜芳」を祖母に持つ現社長が、その伝統と技術を継承している京都の念珠店。伝統の型を守りながらも、名工展に創作念珠を出展しており、その独自性は業界内外から非常に高い評価を受けています。

板倉

【社名】株式会社意匠京念珠板倉
【設立】1989年
【所在地】〒603-8083 京都府京都市北区上賀茂向縄手町40-1
【事業所】京都
【事業内容】京念珠の製造・販売
【公式サイト】https://kyo-itakura.com/

あすか六字堂

「お西さん」と呼ばれ京都市民に親しまれている西本願寺の正門前にある、あすか六字堂は創業136年の老舗念珠屋です。全宗派の念珠に対応し、厳選された原材料を用いて、熟練職人の技で作られた念珠の数々を販売しています。オンラインでのご注文の他に、電話・FAXなどでもご注文を受けているため、安心して購入できます。

あすか六字堂

【社名】株式会社 あすか六字堂
【設立】1888年
【所在地】〒600-8349 京都市下京区堀川通西本願寺正門前
【事業所】京都
【事業内容】京念珠の製造・販売
【公式サイト】https://asuka6.co.jp/index.php

まとめ

今回は主要な数珠屋8選について、数珠の選ぶときのポイントなどを中心に解説しました。数珠も時代とともに少しずつ変化し、現代にあったオリジナル商品を開発している数珠屋も多く、各店の特徴などを把握する際の参考にしてください。

近年では、特に女性を中心に数珠の素材や色などを自由に組み合わて購入する方も増え、よりファッショナブルな商品に人気が集まっている傾向です。購入者のニーズにあったラインナップを揃え、購入時のサポートに力を入れるなどの顧客視点をもつことも今後の大切なポイントと言えます。

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