株式会社クラッソーネは、茨城県取手市と「空家等の除却促進に係る連携協定」を締結したことを発表しました。
本協定の締結により、空き家の課題を解決のほか、IT技術やデータを活用して、自治体担当者の業務効率化などの自治体DXの推進に貢献する予定です。
「すまいの終活ナビ」で解体費用や土地売却査定価格を算出し、空き家解体の意思決定を後押し
解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」を運営する株式会社クラッソーネ(愛知県名古屋市、代表取締役:川口 哲平、以下「当社」)は、茨城県取手市(以下、「取手市」)と「空家等の除却促進に係る連携協定」を締結いたしました。昨今、全国的にも社会課題となっている空き家問題への対策として、取手市の空き家除却を推進することで、安全安心なまちづくりを目指します。また本締結で、当社の自治体連携の実績は79自治体(行政運営の団体含む)となりました。
背景
近年、空き家が増加し社会課題となっています。総務省統計局発表「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国で空き家は約849万戸、空き家率は13.6%と過去最高の水準となっており、野村総合研究所の試算では2038年には全国の住宅の3軒に1軒が空き家になると予測されています(※1)。茨城県内の空き家も年々増え続けており、平成30年時点で約133万戸の住宅のうち197,200戸が空き家となっており、総住宅数に占める空き家の割合は14.8%で、全国の空き家率13.6%よりも高くなっています。
取手市においても、人口構造の変化に伴い空家等が増加しており、樹木の繁茂、老朽化等により近隣から通報があるなどして把握した空家等が、令和6年4月1日時点で900件以上にも及んでいます。 空き家の増加による安全性の低下や公衆衛生・景観の悪化を未然に防ぐため、平成25年に取手市空き家等の適正に関する条例を施行するとともに、令和3年4月1日には、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施し、市民の生命、身体または財産を保護することを目的とし、「取手市空家等対策計画」を策定しました。 しかし、年々増え続ける空家等に対し、近隣からの改善要望も増加しており、対策が行き届いていない現状です。
当社は、解体工事領域で、全国2,000社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービス「クラッソーネ」を運営しており、これまでに累計14万件以上のご利用者実績(※2)があります。2020年9月からは施主と工事会社に対し“着手金保証”“完工保証”“第三者賠償責任保険”を組み合わせた「クラッソーネ安心保証パック」(※3)の提供を無料で開始し、空き家解体に伴う不安解消、社会課題化している空き家問題解決への取り組み強化を行っています。
今回、取手市や当社のそれぞれが持つ資源や特長を活かしながら、管理不全な状態の空き家の除却促進に向けて連携協力を図り、空き家の適正な管理の推進に寄与することを目的として、協定の締結に至りました。取り組みを通じて、空き家の課題を解決するとともに、当社運営の「解体費用シミュレーター」「すまいの終活ナビ」をはじめとしたIT技術やデータを活用して、自治体担当者の住民対応の質の向上や業務効率化など、自治体DXの推進に寄与します。
(※1)『2040年の住宅市場と課題 -迫力を欠くストックシフト、本腰を入れた取組が必要-』野村総合研究所より:https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2022/cc/mediaforum/forum337
(※2)旧サービス「くらそうね解体」の実績含む
(※3)空き家処分の不安を解消するための新サービス完全無料型「クラッソーネ安心保証パック」を提供開始(2020年9月29日):https://www.crassone.co.jp/news/release18/
協定に基づく主な取り組み内容
- 市内の空き家の所有者に対し、解体の概算費用や土地売却査定価格を提示する「すまいの終活ナビ」を紹介
(URL:https://www.crassone.jp/simulator/navi/ibaraki/torideshi) - 空き家所有者等へ空き家解体の進め方に関するフライヤーを配布
- 市民や空き家所有者からの相談に、当社のサービスや情報を活用し対応
- 取手市が推進する空き家除却促進に関する施策において、当社のサービスやノウハウを提供
「すまいの終活ナビ」とは
スマートフォン等から土地建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などの条件を入力することで、「解体費用」と解体後の「土地売却査定価格」の概算額を手軽に無料で把握することができ、「解体費用がどのくらいか分からない」といった情報不足の解消や、解体後の土地売却の見通しが立たないために空き家の解体に踏み切れない所有者の意思決定の後押しを行います。算出にあたっては、県内の解体相場や市場価格などの地域性が反映されます。
概算費用を把握したうえで、具体的な見積もりを希望する場合は、解体工事のマッチングプラットフォーム「クラッソーネ」により工事会社の紹介を受けることもできます。
代表コメント
取手市長 中村 修 氏
人口減少や既存住宅の老朽化、社会的ニーズの変化等により、全国的な傾向同様、取手市においても空家等が増加しており、放置された空家等に起因する問題が地域課題のひとつとなっています。
このたび、株式会社クラッソーネ様が提供する「すまいの終活ナビ」などを、空き家の所有者の皆さまだけでなく、将来的に空き家の所有者となる可能性のある方などにもご活用いただくことで、家屋の管理・処分について考える機会としていただき、このことが、空き家の除却、利活用の促進、適切な管理の促進につながることを期待しています。
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口 哲平
当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しています。事業を行う中で、空き家問題の高まりを感じており、またその解決には自治体と民間事業者の連携が重要だと考えています。
この度、取手市と連携協定を締結し、空き家解体の領域でサポートできることを嬉しく思います。弊社の解体に関する知識や経験・IT技術を活かした空き家の適正な管理促進により、安全安心なまちづくりが実現できるよう尽力して参ります。
取手市について(概要)
取手市は、茨城県の南端に位置し、市域は総面積69.94平方キロメートル、東西14.3キロメートル、南北9.3キロメートルであり、利根川とその支流である小貝川の二大河川が流れる水と緑に恵まれた地域です。茨城県の南部の玄関口としてばかりでなく、東京、成田、つくばを結ぶ三角形のほぼ中央に位置していることから交通の要となっており、首都圏の都市の中でも、交通の利便性と自然環境に恵まれた都市環境をもっています。
(https://www.city.toride.ibaraki.jp/index.html)
株式会社クラッソーネについて(会社概要)
本社 | 〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅5丁目7番30号 名駅東ビル4F |
代表者 | 代表取締役CEO 川口 哲平 |
設立 | 2011年4月1日 |
資本金 | 1,552,984,770円(資本準備金含む) |
URL | https://www.crassone.co.jp |
事業内容 | 解体工事領域で、全国2,000社以上の解体工事専門会社と施主をつなぐ解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」を運営 |
「クラッソーネ」サービス概要
2020年4月に全国展開した「クラッソーネ」は、解体工事領域で全国2,000社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービスです。施主の希望条件に合わせて最適な工事会社を紹介します。見積もり内容の相談から工事完了まで運営がサポートし、契約の取り交わしは電子契約を採用しており、全てWeb上で完結できます。
また、最短1分で解体工事の概算費用を把握できる「解体費用シミュレーター」や、解体工事費用に加えて解体後の土地売却査定価格も同時に算出する「すまいの終活ナビ」も提供しており、これらを利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度から令和5年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に3年連続で採択されています。
空き家の増加がますます問題視される中、より広く空き家所有者への情報提供・支援を行うため、2023年9月に当社が代表理事となり「全国空き家対策コンソーシアム(https://www.j-akiya.jp/)」を設立しました。
当社やコンソーシアムでの取り組みを通じて空き家解体の検討を早期化することにより、社会課題である「空き家問題」の解決や、昨今注目を集めている「住まいの終活」の推進に取り組んでいきます。