お墓の建立は一生に一度の大仕事で、墓石と墓地区画の永代使用料を合わせると100万円以上の金額が必要になりますので、できるだけ費用を抑えたいと考えるのも当然でしょう。
またお墓を建てる墓地・霊園探しについても、自分自身の希望に合った数か所にしぼって、効率的に進めたいところです。
こうした消費者ニーズに応えるサービスとして、インターネットが広く普及し始めた2000年以降、家にいながら全国のお墓を検索できる「墓石ポータルサイト」が誕生しました。
墓石ポータルサイトの数自体は「葬儀ポータルサイト」ほど多くはないものの、安定したビジネスモデルとして定着しつつあるようです。
一方サービスを提供する石材店側にとっても、以前からおこなわれてきた新聞折込やポスティング、訪問営業、葬儀社や寺院からの紹介などにくわえ、近年では「墓石ポータルサイト」も有効な集客手段の一つとなりつつあるようです。
墓石ポータルサイトは、消費者にとって気軽に利用できることが魅力ですが、サイト上に掲載された画像だけでは実際の墓石の色などがわかりにくいこともあります。
また、石材店側にとっては効果的な集客手段となるものの、価格競争などの問題もあるため、利用するポータルサイト選定に悩まれる事業者も多いようです。
そこで本記事では「墓石ポータルサイト」の仕組みやメリット・デメリット、昨今のお墓事情から想定される今後の展望などについて解説いたします。
記事後半では主要な7社の墓石ポータルサイトを参考に、それぞれの特徴をご紹介しておりますので、墓石ポータルサイトへの掲載を検討されている石材店様は、ぜひ最後までご覧ください。
墓石ポータルサイトとは
「墓石ポータルサイト」は、エリアや価格帯など条件を入力することで、、利用者の希望に合った霊園、墓地、石材店をインターネットで検索できるサイトです。
一部の墓石ポータルサイトでは、霊園、墓地の見学や石材店の一括見積もりをワンストップで申し込めるサービスが提供されているため、利用者にとって便利であるのはもちろん、登録事業者にとっても集客力の向上が期待できます。
墓石ポータルサイトの最古参は、株式会社 鎌倉新書が運営する「いいお墓」で、ドメイン登録年からすでに20年以上経過しており、日本最大級の墓石ポータルサイトだといわれています。
お墓はご供養の対象であり、お彼岸や年末年始・お盆・法事の際など、折に触れて訪れる場所ですので、自宅に近いエリアを中心に探すのが一般的です。
そのため墓石ポータルサイトの多くでは、都道府県から選択して検索できる仕組みとなっています。
墓石ポータルのビジネスモデル
墓石ポータルは、登録している霊園、墓地、石材店を利用者がインターネットで検索して成約すると、紹介手数料を得る仕組みで運営されています。
お墓は古来より、ご先祖様や故人様を供養する大切な場所であり、私たちの心のよりどころとされてきました。
とはいえ消費者にとっては、お墓と聞くとどうしても高価なもので分からないことが多いというイメージがあり、そのなかでいきなり霊園、墓地、石材店に行くのは躊躇してしまうという人も多いと思われます。
そこで、まずは利用者にインターネットを通してお墓の知識を提供しながら、さまざまな条件により全国の霊園、墓地、石材店を検索してもらったうえで、最適な選択肢を提供することを目的に墓石ポータル事業が始まりました。
また事業者にとっても、お墓はどうしても縁起が悪いと思われがちなため、集客活動をおこないづらい状況がありました。
しかし近年は「墓じまい」が注目され、一般墓以外の供養方法を選択する人が増加するなど、お墓に関して消費者の関心が高まっているように感じられます。
時代の移り変わりとともに、ご先祖様や故人様の供養方法を模索する中で、墓石ポータルサイトは消費者にとって、手軽で便利なサービスといえるでしょう。