近年、全国の葬儀社の間で静かに広がっている動きがあります。斎場や会館の一角にカフェを設けたり、有名コーヒーチェーンのフランチャイズに加盟して店舗を開いたりすることで、競合他社との差別化を図る葬儀社が、少しずつ増えています。
「なぜ葬儀社がカフェを?」と思われる方も多いでしょう。その背景にあるのが、「常態接点(日常的な接触機会)」をつくるという考え方です。地域住民が日常的に立ち寄れる場所をつくることで、葬儀が必要になったときに「あそこに相談しよう」と思い出してもらえる関係性を日頃から築いておく、という発想です。
また、採用の観点から、「葬儀社」という業種のイメージを刷新し、求職者との新たな接点をつくることを狙う会社もあります。
本記事では、こうした取り組みを実際に行っている全国の葬儀社8社の事例をご紹介します。各社のアプローチはそれぞれ異なりますが、「葬儀の敷居を下げ、地域に溶け込む」という共通のテーマが見えてきます。
目次
- カフェが葬儀社の集客に果たす役割|接触から信頼へ
- 集客の変化(1)「来る理由のない場所」に日常の接点が生まれる
- 集客の変化(2)広告とは異なる質の認知が積み重なる
- 集客の変化(3)葬儀・終活の話題が切り出しやすい関係性が生まれる
- 集客の変化(4)「縁遠い存在」が「相談できる存在」に変わる
- カフェが葬儀社の採用に果たす役割|応募への壁を取り除く
- 採用の壁(1)葬儀社というイメージそのものが応募を遠ざけている
- 採用の壁(2)知らない会社には応募しにくい
- 採用の壁(3)「葬儀社に足を運ぶ」こと自体のハードルが高い
- 葬儀社によるカフェ・珈琲事業の取り組み事例8社
- 事例(1) フラワーカフェ BLOOMY'S(アルファクラブ武蔵野株式会社様)
- 事例(2) タリーズコーヒー郡山安積店(株式会社あおき様)
- 事例(4) きららテラス(株式会社ダイリン様)
- 事例(5) AKARI COFFEE(あかり)(株式会社藤原様)
- 事例(6) 葬儀 Salon & Cafe(株式会社華園逢恩堂様)
- 事例(7) 入棺カフェ(かじや本店株式会社様)
- 事例(8) 太田カフェ(株式会社ライフシステム様)
- 8社の事例から見えてくること
- まとめ|「いざというとき選ばれる」ための日常的な存在感
カフェが葬儀社の集客に果たす役割|接触から信頼へ

集客の変化(1)「来る理由のない場所」に日常の接点が生まれる
葬儀社の集客において、長年課題とされてきた問題があります。「葬儀というサービスは、必要になるまでお客様が足を運ぶ理由がない」という点です。
