近年の葬儀業界では、異業種からの新規参入や大手葬儀社の積極的な出店などにより競争が激化した結果、葬儀の施行件数が減少している葬儀社様も多いようです。
とはいえ、葬儀の小規模化・簡素化が進むにつれ、1件あたりの売上を上げることも難しいうえに、人件費・原材料費の上昇が重なり、「このままでは収益確保が困難になる」という葬儀社様の声もよく耳にします。
こうした状況を打開する鍵は、葬儀という「点」のサービスを、葬儀前(プレ)から葬儀後(アフター)に至る「線」のサービスへと拡張することにあります。
ご葬儀後のご供養に関するお困りごとから、ご遺族様の生活に直結するお悩みまで、葬儀前後に発生するニーズに応えることで、継続的な収益につながります。
さらに、事前相談の段階から身元保証や生前整理などのプレサービスを提案すれば、顧客との関係を長期化し、顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)を高めることも可能です。
顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)とは?
1人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす利益の総計を指す言葉です。顧客がリピート購入や長期利用を通じてブランドにもたらす「将来的な収益」を重視し、新規顧客の獲得よりも既存顧客の維持・ロイヤルティ向上による利益最大化を目指すマーケティング指標となっています。
そこで本記事では、葬儀社が取り組むべきアフター・プレサービスの全体像を整理し、導入の優先順位、収益設計、体制づくり、販促手法まで、実務に即した情報を網羅的に解説いたします。
記事後半では、すでにアフターサービス強化に取り組んでいる企業の実例をご紹介しています。すぐに確認したい方はコチラからご覧ください。
- 1.なぜ今、葬儀社は「アフターサービス」強化が必要なのか
- ①1社あたりの葬儀施行件数の減少と葬儀単価の下落が同時進行
- ②葬儀ポータルサイトへの集客依存と紹介手数料負担の増加
- ③業界大手のドミナント戦略や異業種参入による競争激化
- ④顧客ニーズの変化|葬儀後も続く「困りごと」への対応
- 2.葬儀社が取り組むべき「アフターサービス」全体像
- ①返礼品(香典返し・会葬御礼)
- ②法要・法事の総合支援(会場・会食・僧侶手配)
- ③墓地・墓石、納骨堂、樹木葬などの供養サービス
- ④散骨サービス(海洋・森林・空中・宇宙)
- ⑤仏壇・仏具の販売
- ⑥遺品整理・買取・ハウスクリーニング・特殊清掃
- ⑦相続相談窓口と士業ネットワーク(税理士・司法書士・弁護士)
- ⑧相続不動産の対応(解体・売却・空き家管理)
- 3.「葬儀前サービス(プレサービス)」で関係を早期化・長期化する
- ①介護相談・施設探し支援
- ②身元保証・成年後見・死後事務委任(お一人様対策)
- ③生前整理・遺品整理の事前相談
- ④遺言・生前贈与・家族信託の相談窓口
- ⑤「葬儀+永代供養」セットプランの事前契約
- 4.大手葬儀社の取り組み事例に学ぶ
- ①ベルコの「ベルコメンバーズ」
- ②セレモの「トータルアフタープラン」
- ③ティアの専門サイト展開によるサービス分野別対応
- ④アルファクラブ武蔵野の終活アプリ「SouSou」連携
- ⑤燦ホールディングスの「ライフフォワード」による包括対応
- ⑥地域葬儀社の「アフター相談会」開催事例
- ⑦事例から学ぶ、中小葬儀社への応用ポイント
- 5.提案から受注までの顧客導線設計
- ①葬儀前(事前相談)での提案
- ②葬儀当日〜直後のアフター提案
- ③葬儀後のフォローアップ体制
- ④再来場・再相談を促す仕掛け
- 6.アフターサービス導入ロードマップ|段階的に進める実践プラン
- ステップ①顧客のニーズ分析と優先順位の決定
- ステップ②事前相談の強化と顧客接点の拡大
- ステップ③アフター部門の設置とパートナー企業の選定
- ステップ④販促強化と収益の拡大・安定化
- 7.アフターサービス導入チェックリスト
- おわりに~葬儀社は「地域の終活プラットフォーム」へ~
1.なぜ今、葬儀社は「アフターサービス」強化が必要なのか

①1社あたりの葬儀施行件数の減少と葬儀単価の下落が同時進行

