近年では葬儀社の広告やテレビCMに、有名タレント・著名人を起用するケースが目立ちます。
長年にわたって同じ方を起用し続ける企業がある一方、イメージキャラクターやテレビCMキャラクターを変更するケースも散見されます。
また葬儀ポータルサイトもテレビCMをスタートさせるなど、ネット以外の露出を強化しつつあるようです。
そこでこの記事では、どんなタレント・著名人が葬儀社のイメージキャラクターとしてテレビCMなどに起用されているのかピックアップし、さらにそこから見える傾向をまとめてみました。
なお2019年に実施した同調査の結果は、当サイトの『葬儀社の起用タレント(イメージキャラクター)まとめ』をご覧ください。
葬儀社はどんなタレントをイメージキャラクターに起用しているの?
ベルコ起用 井上 順さん(1947年2月21日生まれ・75歳)
テレビCM
メモリード起用 船越 英一郎さん(1960年7月21日生まれ・62歳)
テレビCM
メモリードでは、以前は石田純一さんをイメージキャラクターに起用していましたが、2021年8月からは船越英一郎さんを起用しています。
博愛社起用 タケカワ ユキヒデさん(1952年10月22日生まれ・69歳)
テレビCM
タケカワユキヒデさんは、テレビCM出演だけでなく博愛社イメージソングも作詞作曲されています。
飛鳥会館起用 宮本 亜門さん(1958年1月4日生まれ・64歳)
テレビCM
さがみ典礼起用 加藤 茶さん(1943年3月1日生まれ・ 79歳)
テレビCM
先代イメージキャラクターの左とん平さんは喪主を演じていましたが、加藤茶さんにバトンタッチされてからは、終活を行う高齢者をイメージしているようです。
永田屋起用 林家 木久蔵さん(1975年9月29日生まれ・46歳)
林家木久蔵さんは、初代 林家木久蔵(現 林家木久扇)さんのご子息です。
永田屋イメージキャラクターとして「終活寄席」などのイベントに参加しているようです。
八光殿起用 天童 よしみさん(1954年9月26日生まれ・ 67歳)
天童よしみさんは、八光殿本社所在地である大阪府八尾市出身ということで、イメージキャラクターに採用されたようです。
セレモニーグループ起用 風間 杜夫さん(1949年4月26日生まれ・73歳)
テレビCM
風間杜夫さんは2003年からセレモニーグループのイメージキャラクターを務めています。
日冠連経営者協議会ほか起用 大村 崑さん(1931年生まれ・90歳)
日冠連経営者協議会 広告キャラクター共同事業
豊隆殿 イメージキャラクター
こころネットグループ(ハートライン)イメージキャラクター
日典ラサ イメージキャラクター
西日本典礼 イメージキャラクター
ブライト信州 イメージキャラクター
大村崑さんはドラマ「赤い霊柩車シリーズ」で葬儀社の専務を務めたことから、オファーが殺到したと推測されます。
日冠連経営者協議会の広告キャラクター共同事業ではイメージキャラクターに選ばれており、各社が共同でテレビCMなどのプロモーション活動に利用しています。
また最近では、全国の冠婚葬祭会社が参画する「命のバトンタッチ共同プロジェクト」の開設したYouTubeチャンネル「冠婚葬祭公式チャンネル」にも出演されています。
イメージキャラクターとの明記はないがテレビCMなどに起用されているタレント
よりそう テレビCM起用 武田 鉄矢さん(1949年4月11日生まれ・73歳)
テレビCM
武田鉄矢さんは、葬儀に不安を感じる喪主役を演じています。
よりそう テレビCM起用 吉谷 彩子さん(1991年9月26日生まれ・30歳)
テレビCM
吉谷彩子さんはCMの中で、セレモニースタッフを演じています。
子役から芸能活動をスタートされていますが、ビズリーチのTVCMで一躍脚光を浴びてブレイクした勢いのある女優さんです。
くらしの友 テレビCM起用 市毛 良枝さん(1950年9月6日生まれ・71歳)
テレビCM
市毛良枝さんは穏やかな雰囲気をもつ女優さんで、テレビCMでは母親を亡くした女性を演じています。
近年の葬儀社様のテレビCMでは、静かに亡き人を偲ぶ構成も増えているようです。
ほたるの会起用 ガッツ 石松さん(1949年6月5日生まれ・72歳)
やわらぎ斎場 テレビCM起用 大地 康雄さん(1951年11月25日生まれ・70歳)
テレビCM
大地康雄さんをメインに据えたCMが、14本も放映されています。
初期のテレビCMはコミカルなものが多かったのですが、最近では落ち着いた語り口で終活の相談者を演じています。
らくおうセレモニー テレビCM起用 森川 侑美さん(1988年3月22日生まれ・34歳)
テレビCM
森川侑美さんはABCテレビの「朝です・旅サラダ」の「7代目旅サラダガール」でデビュー後、関西地方を中心に女優として活躍しています。
関西地方で放映されている「らくおうセレモニーハウス」のCMで、カメラに近いアップでの出演が注目を集めているようです。
金宝堂グループ5社でテレビCMに起用|宮田祐奈(みやた ゆうな)さん(1996年11月9日生まれ・26歳)
テレビCM
金宝堂グループの葬儀社5社(トワーズ・仙和・カナクラ・家族葬のともか・家族葬のディアネス)のテレビCMに起用されているのは、女優の宮田祐奈(みやた ゆうな)さんです。
他にも数多くのテレビCMに出演されているほか、ドラマや映画・舞台などで活躍されています。
葬儀社テレビCM構成の変化と起用タレントの傾向
今回の調査を通して、葬儀社のテレビCM構成も徐々に変わりつつあるような印象を受けました。
その結果、起用タレントが果たす役割にも変化がみられます。
喪主役
葬儀社様にとってのターゲット層である、喪主世代の50代~70代の男性タレントが演じるケースは、あいかわらず多いようです。
喪主と同世代のタレントを起用することで、視聴者の共感を得やすくする狙いと考えられます。
終活(しゅうかつ)中の高齢者世代役
近年では、生前整理や相続準備などを表す「終活(しゅうかつ)」という言葉も一般化しました。
子供や孫世代に迷惑を掛けたくないという、現代日本の高齢者世代の想いが具現化した活動といえるでしょう。
葬儀の事前準備も「終活」の一部ですので、残された人生を有意義に過ごすための活動として、ご年配の方にポジティブに捉えてもらえるような内容になっています。
セレモニースタッフ役
葬儀社テレビCM起用タレントの演じる役として、ここ数年で増加しているのがセレモニースタッフ役です。
セレモニースタッフ役のタレントが自社の葬儀に関する解説を行い、視聴者に安心感を与える形式のテレビCMが増えつつあるように感じます。
かつて葬儀の依頼先といえば、冠婚葬祭互助会と個人経営の小さな葬儀社がほとんどだった時代、葬儀社がテレビCMを放映する必要はありませんでした。
しかし近年では葬儀の小規模化・簡素化が進み、少ない投資での業界参入のハードルが下がったことから、葬儀社が一気に増加しています。
こういった事情から葬儀業界も競争が激化し、テレビCMを放映する葬儀社も多くなっているようです。
自社の特徴や優位性をアピールするために、今後もセレモニースタッフ役タレントを起用した、さまざまな構成のテレビCMが誕生すると考えられます。
まとめ
従来のタレント起用テレビCMでは、タレントの持つ知名度を利用した、企業イメージの向上を狙ったものが多くみられました。
もちろん現在でも効果はありますが、タレントの知名度に頼りつつも、自社の特徴を積極的にアピールするテレビCMが増えつつあるようです。
最近の葬儀社様のテレビCMに起用されているタレントの傾向としては、比較的ニュートラルな印象の方が多いようです。
好き嫌いが極端に分かれるような方は少なく、バランスの取れた中庸(ちゅうよう)のイメージでしょうか。
こういった傾向は、一般の方の葬儀に対するタブー感が薄れつつあることを感じさせます。
明るい印象のタレントを起用してイメージアップを図るのではなく、落ち着いたイメージのテレビCMが増えつつあるようです。
「終活」に対する世論の変化とともに、各葬儀社様のイメージキャラクターへのタレント起用の傾向も変化がみられます。
なお2019年に実施した調査の結果は、当サイトの『葬儀社の起用タレント(イメージキャラクター)まとめ』をご覧ください。