一般財団法人ハヤチネンダが、埋葬プロジェクト「いのちを還す森」を開始しました。
プロジェクトに参加する会員が亡くなると、遺骨を「いのちを還す森」へ埋葬します。埋葬する場所には、墓碑や墓標を置かず、仲間の会員が定期的に森の手入れを行っていきます。
自分の死後へ美しい風景を託し、生前に死生観を育むことの豊かさを届けたい。説明会を2024年10月よりスタート。
中山間地と都市部をつなぎ「いのちと自然の物語をつむぎなおす」をテーマに活動する、一般財団法人ハヤチネンダ(岩手県遠野市)。ハヤチネンダはこの秋、いつか自分たちが眠る美しい森を、仲間たちと育んでいく埋葬プロジェクト「いのちを還す森」を始めます。
お墓を「買う」のではなく、仲間と出会い、多様な命とのつながりを取り戻す活動に「参加する」新たな葬送の在り方を提案します。
埋葬プロジェクト「いのちを還す森」
本プロジェクトは、JR遠野駅から車で20分ほど北上した広葉樹の森が活動拠点(*)です。人が都市へ流出し、維持管理が難しくなったかつての薪炭林で、2020年ごろから会員を募り、少しずつ手を入れています。
埋葬プロジェクトに参加する会員は、自身の没後、「いのちを還す森」へ遺骨を埋葬することができます。墓碑や墓標をおかず、粉末化した遺骨を直接、土と混ぜて埋葬します。埋葬された後も、森へは仲間の会員たちが毎月訪れ、自然との距離を大切にしながら手入れが続けられていきます。
私たちはこうした活動の先に、人が自然の一部である感覚を持ち直し、森と人との営みが風景として、世代をこえて受け継がれていく社会的共通資本になることを目指します。
*ハヤチネンダは、豊かな広葉樹の森を維持管理しながら埋葬地として利用できるよう、遠野市と協議を重ねた上で墓地経営許可を受けております。(許可番号:遠野市令環第6号/事業主体:宗教法人駒形神社/運営主体:一般財団法人ハヤチネンダ)
街場の活動、オンラインの活動
森を訪れることが難しい会員たちが気兼ねなく集えるよう、街場(東京都新宿区)で立ち寄れる場もあります。ここでは、季節毎の森の様子を見聞きしながら、会員同士が語らい、人と人との間に新たな縁が生まれつつあります。
また、オンラインでは「いのち」と「自然」をテーマに、多様なゲストを迎えて学ぶ時間を設け、会員と共に死生観を育む活動も行っています。東京やオンラインでの時間も、会員にとって懐かしくあたらしい「故郷」のようになることを願っています。
活動の背景にある願い
1990年ごろより、日本では家の墓の継承を前提としない個人墓が登場し、葬送の在り方は時代の中で大きく変化してきました。更に近年は、海洋散骨や宇宙葬など多様な葬送サービスも見られるようになっています。
しかし、私たちは、人が共同体や自然から切り離されて暮らす現代において、命が他者や自然とのつながりを取り戻すためには、購入ではなく共に育む葬送の在り方が必要であると感じています。
地縁や血縁をこえて、人々が森へ通い街に集い、改めて死生観や自然観を取り戻していく活動が、ハヤチネンダの埋葬プロジェクト「いのちを還す森」です。
説明会の日程一覧
オンライン プロジェクト説明会
- 10月10日(木)19時30分〜21時00分
- 10月12日(土)14時30分〜16時00分
- 11月7日(木)19時30分〜21時00分
- 12月5日(木)19時30分〜21時00分
Zoomにて開催。事前申込制。
東京 プロジェクト説明会
- 10月13日(日)14時00分〜15時30分
- 11月10日(日)14時00分〜15時30分
- 12月1日(日)14時00分〜15時30分
合羽坂テラス(東京都新宿区市谷仲之町2番10号 合羽坂テラス#2)にて開催。事前申込制。
遠野 現地見学エクスカーション
- 11月16日(土)〜17日(日)1泊2日
- 12月14日(土)〜15日(日)1泊2日
クイーンズメドウ・カントリーハウス(岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛14地割122番地)にて開催。事前申込制。
問合せ先
一般財団法人ハヤチネンダ
遠野オフィス:岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛14地割122番地
東京オフィス:東京都新宿区市谷仲之町2番10号 合羽坂テラス#4
Email:contact@hayachinenda.org
tel:03-3359-5905