遺品整理の業界団体┃一般社団法人全国遺品整理業協会について解説

zenkokuihinseirigyoukyoukai

一般社団法人全国遺品整理業協会は、信頼される遺品整理業界の創造と、循環型環境社会の実現に貢献することを目的として設立された団体です。
超高齢化社会を間近に見据える我が国では、遺品の整理を専門業者に依頼するケースが増加しています。しかし、遺品整理業に関する法律の整備が追いついておらず、遺品整理サービスにおける課題請求や不法投棄など、さまざまなトラブルが多くみられるようになってきました。

こうした中で遺品整理業界の健全な発展を図るため、関連サービスを提供する企業や関係者によって、複数の業界団体が立ち上げられています。

この記事では、同協会の概要や特徴、加盟のメリットについて詳しく解説していきます。

目次

一般社団法人全国遺品整理業協会の概要

出典:全国遺品整理業協会 紹介動画

一般社団法人全国遺品整理業協会は、遺品整理の正しいあり方を事業者が理解し、現代社会で信頼される遺品整理業界の創造を理念としており、その概要は次のとおりです。

【団体名】一般社団法人全国遺品整理業協会

【所在地】〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-2-5 クルスビル6階

【準備室設立】2022年1月11日
【法人登記日】2022年4月11日

【代表理事】 秋月 圭介
【公式HP】https://gia-nra.jp/

出典:全国遺品整理業協会 協会概要

一般社団法人全国遺品整理業協会の沿革

  • 2022年1月11日  準備室開設。協会の企業理念や提供コンテンツについて会議スタート
  • 2022年4月11日  法人設立
  • 2022年8月21日  ホームページ開設
  • 2023年2月 1日  会員登録受付開始。NRAクラウドシステムリリース

出典:全国遺品整理業協会 協会概要(沿革)

一般社団法人全国遺品整理業協会の活動内容

全国遺品整理業協会1

一般社団法人全国遺品整理業協会では、次の二つの活動方針が掲げられています。

  • 昨今の消費者トラブルを抜本的に解決するため、遺品整理や古物商に関する適正な情報提供を行う
  • 遺品整理業界の健全な発展を目指すため、参加企業を募り、行政を含める関連事業者との連携を図る窓口となる
出典:全国遺品整理業協会 概要(活動目的)

この方針の元、消費者向けの各種整理における相談窓口を設けたり、業界全体のモノや情報の循環を通じて循環型環境社会の実現に向けた社会貢献を行ったりなど、業界の品質・技術の向上を図っています。

主な取り組み

  • 遺品整理事業者向けNRAクラウドシステムの提供
    遺品整理事業における正しい情報管理の仕組みを提供する。
  • 古物営業法に基づいた遺品整理ノウハウの情報提供
    遺品の買取方法から売却先提供までを斡旋し、廃棄量軽減と遺品整理事業者の収益構造の改善を図る。
  • 会員事業者向け研修コンテンツの提供
    遺品整理業を行うにあたり、必要な知識を定期的に動画コンテンツとして会員向けに配信する。
  • 会員事業者への指導
    消費者からの相談、苦情などを元に会員事業者への指導を行い遺品整理業の健全化を図る。
  • 遺品整理業に係る契約書等のひな型提供
    最新の法令に則り、コンプライアンス遵守の側面で契約書などのひな型を提供する。
  • 遺品整理業に係る関連事業者との連携
    古物市場や士業など、遺品整理業に必要なアライアンスの場を提供し、出口戦略をサポートする。
  • 遺品整理にまつわる消費者向け相談窓口
    消費者・関連団体・行政などからの相談や折衝を行い、解決に導く。
  • 前号に関する付随業務全般
  • マスメディアへの正確な情報提供
出典:全国遺品整理業協会 概要(活動目的)

全国遺品整理業協会『お約束7か条』

遺品整理業界の健全化、および信頼性の向上に取り組んでいる同協会では、加盟する遺品整理業者が順守すべきルール『お約束7か条』を設けています。

  • お約束1
    家財整理の見積もりは無料で行い、成約案件とならない場合も交通費やキャンセル料など一切の請求を行わないこと。
  • お約束2
    家財整理中に有価物を発見した場合、ご依頼者様に適切な報告を行うこと。
  • お約束3
    家財整理中に発見した有価物をご依頼者様が不要と判断した場合、適切な料金で買取ること。
  • お約束4
    見積もり時より物量が増えたり、追加の作業依頼がない限り、見積金額から追加料金を請求しないこと。
  • お約束5
    家財整理で発生した廃棄物は、各自治体のルールを遵守して適切な処分を行うこと。
  • お約束6
    家財整理で発生した不要なリサイクル家電は、リサイクル家電法を遵守して許認可を持つ施設で適切な処分を行うこと。
  • お約束7
    常に時代や行政の変化を把握し、規制や法律に抵触することなく、健全な遺品整理業界の発展に貢献し続けること。
出典:全国遺品整理業協会『お約束7か条』

一般社団法人全国遺品整理業協会の各種規約

一般社団法人全国遺品整理業協会には、会員(遺品整理事業者を対象)と賛助会員(古物市場、買取事業者、士業、不動産業など、遺品整理業と親和性の高い異業種の事業者を対象)に向け、設けられた規約があります。

出典:全国遺品整理業協会 各種規約

一般社団法人全国遺品整理業協会の会員向けサービス

全国遺品整理業協会2

一般社団法人全国遺品整理業協会では、会員になると提供されるサービスがあります。

NRAクラウドシステム

出典:研修動画コンテンツについて

NRAクラウドシステムは、遺品整理の受付から作業報告までの全業務を一元管理できる業務管理システムです。
システムには顧客管理だけでなく、古物台帳や各許認可で定める種台帳の管理、スタッフの予定や取引先の管理など、遺品整理に関するすべてが凝縮されています。
また、新人育成に役立つ業務の知識をまとめた動画も用意されています。

参考:全国遺品整理業協会 会員向けサービス(NRAクラウドシステム)

賛助会員制度

賛助会員制度は、家じまいのタイミングにおける買取りや処分、相続や売却、解体など、遺品整理に付属する業務が発生する際、遺品整理業者などとの連携がスムーズに進むようマッチングする場です。
賛助会員制度として募集している事業者は、葬儀社神社・寺、解体業者、不動産業、弁護士行政書士などの士業などです。

参考:全国遺品整理業協会 会員向けサービス(賛助会員制度)

遺品査定

遺品の査定サービスは、整理の現場や遺品の引取後に写真をLINEで送るだけで査定が利用できるサービスです。
処分品を減らして循環型社会の実現に貢献するだけでなく、消費者へ買取額を還元できるため、双方にとって大きなメリットをもたらします。

参考:全国遺品整理業協会『遺品査定』

まとめ

一般社団法人全国遺品整理業協会は、信頼される遺品整理業界の創造と、循環型環境社会の実現に貢献することを目的として、2022年に設立された団体です。
具体的には、以下のような活動を展開しています

  • 消費者トラブルの抜本的に解決に向けて、遺品整理や古物商に関する適正な情報を提供する
  • 遺品整理業界の健全な発展に向けて参加企業を募る
  • 行政を含む関連事業者との連携を図るための窓口となる

また、会員向けに以下のようなサービスが用意されています。

  • NRAクラウドシステム:受付から作業報告までの全業務の一元管理が可能
  • 賛助会員制度:遺品整理に付属する業務についてアライアンスやマッチングの場
  • 遺品査定:遺品の写真を見て迅速で正確な査定額を提供する

同協会のこうした取り組みが実を結べば、業界全体の健全化や、遺品整理業に従事する方の地位向上につながる可能性も高そうです。

カテゴリー最新記事

目次