【開催レポート】お寺の未来を考える「第一回 OTERA STAYサミット 2024」~シェアウィング~

OTERA STAY

株式会社シェアウィングが「第一回 OTERA STAYサミット 2024」を開催しました。
現在、お寺は、経営難や後継者問題などさまざまな課題を抱えています。それらを社会全体の課題でもあるととらえ、「お寺の可能性と日本の地域が抱える社会課題解決」をテーマに各寺院の取り組みに関する発表がありました。

地域創生につながる各お寺の取り組みを紹介!「宿坊から始まる地域連携型観光まちづくり」

株式会社シェアウィング

寺社に特化した宿泊・体験サービスブランド「OTERA STAY」を展開する株式会社シェアウィング(本社:東京都渋谷区、代表取締役:佐藤真衣)は、6月6日(木)Temple Hotel 高山善光寺内(岐阜県高山市)にて「第一回 OTERA STAYサミット 2024」を開催致しました。

OTERA STAY

現在、お寺は人口減少や少子高齢化、お墓に対する価値観の変容など、社会全体の変化に伴い、経営難や後継者問題など多くの課題を抱えています。「OTERA STAY サミット」は、このような課題はお寺特有のものではなく、社会全体の課題でもあると考え「お寺の可能性と日本の地域が抱える社会課題解決」をテーマに、全国で活躍するソーシャル・アントレプレナーシップをもった住職たちをお呼びし、最前線の宿坊や各寺院の取り組みについて発表していただきました。また、インバウンド観光の成功事例として名高い高山市街で、高山善光寺、及び東山遊歩道の視察も行いました。

【第一部:インバウンド観光の成功事例、高山善光寺と高山市街のガイドツアー】
イベント第一部は、日本の歴史・文化を堪能できる宿坊として人気のある高山善光寺内の見学からスタートしました。施設内を案内しながら、どのような形で改修してきたのか、また、利用ユーザーの9割が訪日外国人であるTemple Hotel 高山善光寺をどのように運用しているのかなど、これまでの取り組みについてご説明しました。その後、寺院や神社など県・市指定等の文化財が集積する「東山遊歩道」の視察を行いました。高山地域唯一の二重門である大雄寺山門などを巡り、400年前のままの形で残っている街並みを見学していただきました。

【第二部:トークセッション・取り組み発表】
高山善光寺の歴史と軌跡
第二部では、高山善光寺の住職 泉 雪菜 と株式会社シェアウィング 代表 佐藤 真衣による「高山善光寺の歴史と軌跡」をテーマにトークセッションを行いました。高山善光寺 泉住職は「高山善光寺は、もともと檀家がないお寺でした。祖父の代より、宿坊をしていましたが、予約は月に1-2回あるかないかくらい。当時は、口コミのみで集客しており、戦略や今後の見通しもなく、運用に困っていました。経済活動との両立を目指さなければ難しいと感じていた中、シェアウィングに出会い、宿坊の運用をお願いすることになりました。」とTemple Hotel 高山善光寺開業までの経緯を述べました。現在、高山善光寺は再生前と比較し、宿坊売り上げは約5倍になり、見事再生に成功しました。

全国で活躍する住職たちによる最前線の宿坊や各寺院の取り組み発表
トークセッション後は、各地で宿坊を運営している住職の方々からそれぞれの取り組みについてプレゼンテーションをしていただきました。

<点から面へ。宿坊から始まる地域連携型観光まちづくり>
大泰寺 住職 西山十海(和歌山)
ユネスコ世界遺産に登録された和歌山県の熊野古道沿いにある「大泰寺」は、開創1200年の歴史ある寺院。2019年にインバウンドの外国人観光客向けの宿坊として「Temple Hotel 大泰寺」を開業しました。体験コンテンツにも力を入れており、坐禅体験や仏像鑑賞ツアー、朝粥体験などの仏教体験をはじめ、境内でアウトドアも楽しめるよう禅サウナ、RVパークなども併設しています。西山住職は「昔は、お寺が地域の方達が交流する場でしたが、現代はそういった交流が薄れています。今後も、宿坊に限らず、一般の方がお寺と触れ合うきっかけとなる活動をしていきたいと考えています。」と語りました。

西山十海

<1日1組のおもてなしオーベルジュ宿坊。世界に誇る高級宿坊の新たな挑戦!>
正暦寺 住職 玉川弘信(京都)
2020年観光庁「城泊・寺迫専門家派遣事業」に参加したことがきっかけで、
2021年「Temple Hotel 正暦寺」がオープンしました。住職が専属コンシェルジュとなり、約20種の体験コンテンツの中からお客様の目的や状況にあわせて、体験内容を提案しています。
竹林坐禅や護摩、法衣体験などのお寺体験をはじめ、おせんべい焼きや、英語ガイド付きの地域散策など、地域資源も活用した豊富なコンテンツを用意しています。食事は元料理人の住職自ら腕を振るい、地産の野菜や軍鶏など、地元の食材をふんだんに使用したお食事を提供しています。玉川住職は「地産地消を実現し、地域経済にも貢献していきたい」と語りました。

玉川弘信

<お寺周辺の空き家を活かす新たな宿坊形態の挑戦>
法源寺 住職 横山瑞法(山梨)
建物なき寺院「一般社団法人SOCIAL TEMPLE」の理事、及び「超宗派佛教徒 坊主道」の代表として、子ども食堂など地域貢献に繋がる活動を積極的にしています。「まずは地域」をモットーに「一般社団法人 十五社」を設立し、空き家の古民家を活用した地域交流のイベントを定期的に開催しています。「お寺さんだから」と譲ってもらった物件を改装して宿坊にしました。空き家を宿坊にすることで、社会課題である“空き家の解消” に繋がり、地域経済の活性化にも貢献。「今後はライドシェアなど、地域創生に取り組んでいる方達と連携もしていきたい。」と意気込みを見せました。

横山瑞法

<国境の離島対馬で新規開業する1棟貸し宿坊。住職の夢と野望>
国昌寺 住職 作元 功照(長崎)
小学5年生で出家、26歳から住職になり、2019年「デジタルハリウッドスタジオ」に入学、WEB制作などの技術を学びました。ドローン撮影や対馬の自然・歴史ガイド、SUPインストラクター、シェアハウス運営など様々な活動にも果敢にチャレンジしています。現在、対馬市との取り組みで2024年の新規宿坊開業を目指しています。「宿坊開業は、自分にとって最後のピース。対馬の魅力を多くの人に知ってもらう活動の1つとしてチャレンジしたい。」と今後の展望を述べました。

作元 功照

<総本山塔頭寺院宿坊5宿坊それぞれの個性と改革。身延山の観光まちづくり組織誕生の軌跡>
株式会社シェアウィング 代表取締役社長 佐藤 真衣
鎌倉時代に日蓮聖人によって開かれ、日蓮宗の総本山である「身延山久遠寺」周辺には32カ寺の宿坊があり、お寺ステイはそのうちの5つ「Temple Hotel 松井坊」「Temple Hotel 岸之坊」「Temple Hotel 志摩房」「Temple Hotel 武井坊」「Temple Hotel 端場坊」をサポートしています。年々、団体客も減少しており苦しい状況である中、地域経済の活性化に向け、新たな客層の獲得に取り組んでいます。昨年度は「歴史的資源を活用した観光まちづくり補助金」を主体となって取得し、「一般社団法人 身延山まちづくり推進機構」も設立しました。今後も、お寺だけでなく地域の方々と連携しながら、身延を盛り上げていきます。

佐藤 真衣

コメント
株式会社シェアウィング 代表取締役社長 佐藤 真衣
お寺に泊まる宿泊サービスを始めることになったきっかけは、廃業寸前であった「高山 善光寺」をご縁があってお借りし、宿坊の大改修をして事業がスタートしました。インバウンド旅行客の人気都市に立地していることも後押しとなり、「Temple Hotel 高山善光寺」は今や、年間 5,000名近い外国人が集まる人気の宿坊となっています。お寺の経営に悩みながらもオリジナリティあふれる活躍をなさっているお寺同士の方々が集うことで、もっと面白いシナジーが生まれるのではないかという想いから、今回初となる「OTERA STAYサミット」を開催しました。
“ 時を超えて大切にされてきた場 ” を後世にきちんと残していけるような新たな取り組み・挑戦を今後も積極的にしていきたいと考えています。

【開催概要】

  • 主催    :株式会社シェアウィング
  • ⽇時    :2024年6⽉6⽇(木)13:00〜18:00第一部:13:00~15:45、第二部:16:00~18:00
  • 会場 :高山 善光寺(岐阜県高山市天満町4-3)
  • 登壇者:株式会社シェアウィング 代表取締役社長 佐藤真衣
    大泰寺 住職 西山十海
    正暦寺 住職 玉川弘信
    法源寺 住職 横山瑞法
    国昌寺 住職 作元功照

【OTERA STAYとは】
お寺で⼼と体を調える様々な体験や学びのコンテンツを提供する宿泊・体験サービスブランド。お寺に泊まる宿泊サービスは全国に 12 ケ寺以上に広がり、累計宿泊者数は 1.2万人以上。

【会社概要】
■会社名:株式会社シェアウィング
■本社所在地:東京都渋谷区桜丘町16-13
■代表取締役社長 佐藤 真衣
■HP:https://oterastay.com/

PR TIMESより転載

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