インフロント株式会社は、相続経験者441人を対象にアンケートを実施し、その結果を公表しました。
相続が発生した際、最初に起こした行動は、およそ3割の人が「インターネットでの情報収集」だったそうです。次いで「家族や友人に相談」、3位は「専門家へ相談」という結果になりました。
地獄の作業から救う、正しい相続方法とは?
インフロント株式会社
相続は人生で最も大きな出来事のひとつと言えますが、そう何度もあることではないため、相続手続きに慣れている人はほとんどいないでしょう。
この記事では、インフロント株式会社が実施した相続経験者441人のアンケート結果をもとに、「相続手続きの困りごと」と「スムーズな解決」について解説します。
【調査概要】
調査対象:日本全国の40歳以上の男女
調査機関:インフロント株式会社
調査期間:2023年07月14日~
調査方法:インターネットリサーチ
有効回答数:441
回答者の年齢:40歳~49歳 9.8%、50歳~59歳 20.9%、60歳以上 69.4%
【調査結果サマリー】
・相続でもっとも困ったこと一位は「必要な書類の準備」
・故人に生前やっておいてほしかったこと一位は「財産記録の整理」
・事前に遺族が準備しておけば良かったこと一位は「相続手続き全体の把握」
・相続手続きを自力で行えるのか? 約6割の人が専門家のサポートを受け、依頼内容の一位は「不動産手続き」
相続が発生したとき、3割がネット上での情報収集から始めると回答
相続の発生時、最も多かった行動は「インターネットでの情報収集」。33.1%で1位となりました。
「相続手続き」とひと言でいっても、やるべきことは多岐にわたります。遺言書の有無を確認しなければいけませんし、不動産の名義変更なども必要になるでしょう。そんな相続手続きの全てに精通している人が身近にいるケースは非常に稀であるため、まずはインターネットで情報取集するという人が多いのだと考えられます。
2位は「家族や友人に相談」、3位は「専門家へ相談」という回答でした。
相続というのはお金も絡むデリケートな話ですから、まずは誰かに相談するという選択肢を取る方も非常に多いようです。
弁護士や司法書士、税理士などの専門家へ相談するときはお金が必要になりますが、的外れなアドバイスをされる可能性も低く、何より安心感があります。相談にどれくらいのお金がかかるのかは、事前にしっかりと調べておくことが大切です。
弁護士や司法書士、税理士事務所では30分程度の無料相談を行っている場所もあるので確認してみましょう。
「相続で大変だったこと」最も多い回答は「必要な書類の準備」
具体的に相続手続きのなにが大変だったのか経験者に聞いたところ、「必要な書類の準備が大変だった」という回答が1位となり、50%を超えました。
遺産分割協議書をはじめ、相続には多種多様な書類が必要になります。
これらは切っても切れない関係なので、苦手意識がある人は専門家へ相談してみましょう。
2番目に多かったのは「多くの時間をとられたこと」でした。
相続はある程度年齢を重ねたタイミングで発生することも多く、仕事や家事、育児をしながら時間を捻出するのは容易ではないでしょう。
休日に時間を作ったり、家族で役割分担をするのもひとつの手段ですが、どうしても時間が取れない方は専門家に相談してみることをおすすめします。
「財産をまとめた記録を故人に作っておいて欲しかった」という声が多数
面倒な相続手続きですが、故人(被相続人)が生前に相続を見越した行動をとっていれば、相続手続きの面倒さが緩和される場合があります。
アンケート「生前故人にやっといてほしかったことはなんですか?」の結果は「財産をまとめた記録があればよかった」という回答が28.5%で1位でした。
財産といっても貯金、証券、不動産など様々なものがあり、家族や親族でも被相続人がどのような財産を所有していたか明確に把握していないことは珍しくありません。
財産をまとめた分かりやすい記録があれば、相続財産の調査がスムーズに進むと考えられます。プラスの財産に加えて借金などのマイナスの財産も記録されていれば、それらを比較して遺産を相続すべきかどうかの判断もしやすくなるでしょう。
相続といえば遺言書をイメージされる方も多いのではないでしょうか。2位は「遺言書を作成してほしかった」という回答でした。遺言書があれば、相続手続きにおいて遺族間でトラブルが起こるリスクを低くすることができます。
被相続人が自筆で書いた遺言書のことを「自筆証書遺言」といいます。自筆証書遺言は一定の条件を満たしていないと無効になってしまう可能性があるため、被相続人に遺言書を残すよう依頼するときには「公正証書遺言」など信頼性の高い遺言書を選ぶようにしましょう。
3位は14.8%で「生前贈与をしてほしかった」という回答でした。生前贈与とは、被相続人が亡くなる前に財産を分け与えることです。
生前贈与の最大のメリットは、相続税がかからないということです。生前贈与には「非課税枠」というものがあり、一定の金額までなら贈与しても税金がかかりません。
被相続人が亡くなってからいちどに高額な相続をすることになると、多額の相続税が必要になってきます。相続税の支払いのために、定期預金を解約したという話もあるほどです。そのような事態を回避するためにも、生前贈与はきわめて有効な手段なのです。
事前準備で大切なのは「相続全体のやることを把握する」
相続手続きをスムーズに行うためには、事前にしっかりとした準備をすることが重要です。「相続で事前に必要だと感じたものはなんでしょうか」というアンケートの結果から、相続手続きの準備でなにが大切か見えてきました。
1位は45.4%で「相続全体のやることを把握する」という回答でした。相続手続きを初めて経験する方は「そもそも相続でなにをすれば良いか分からない」場合が非常に多いです。
何から始めるかインターネットで調べたり、相続の経験がある信頼できる友人知人に聞いてみても良いでしょう。相続全体でなにをすれば良いのかをザックリとでも構わないので把握しておくことが重要です。
相続というのは、法律などの知識が必要になる場合もあります。2位が「相続についての知識を勉強すること」なのは、相続手続きにおいていかに知識が重要であるのかを示しているといえます。専門家にサポートをお願いするにしても、ある程度の知識があったほうが相談も効率的に行えるでしょう。
専門家に相談した半分以上の人が全般的なサポートを依頼
アンケート結果をみてみると、約6割の人が「専門家へのサポートを依頼した」と回答しています。やはり、専門家になにかしらのサポートをお願いした人は少なくないようです。
その一方で「サポートを受けずに自力で行った」という人の割合も4割程度あります。相続手続きに関する情報はインターネット上に非常に多くありますから、それらを上手く活用し、専門家のサポートなしで相続手続きを完了することは不可能ではないかと思います。
しかし、相続手続きの難しさは千差万別です。専門家のサポートなしで相続手続きを完了させた人がいたからといって専門家のサポートを受けることを後ろめたく感じる必要はありません。
では実際にどのような手続きを専門家へ依頼するのでしょうか。
「全体的にサポートを受けた」という回答が最も多く、相続手続きの包括的なサポートを受けたという人が5割近くいることがわかります。
素人に分からないものといえば、やはり難しい法律などが絡む不動産関係でしょう。2位が「不動産の相続登記」なのも納得です。不動産の相続登記というのは、土地や建物の名義を被相続人から相続人へ変更することです。
不動産は法律も絡むうえに、関係するお金も高額になる場合もあるので、専門家にサポートを依頼するのが安全だと考える人が多いのではないでしょうか。
3位「遺産分割協議書の作成」は、遺産分割による親族トラブルを懸念する人による回答であると推察できます。
遺産分割協議書というのは、誰が、どの遺産をどれぐらい相続するのかを決めた内容が記載された書類です。 相続の際、相続人のあいだで遺産分割協議という話し合いを行います。 遺産分割協議書には、その遺産分割協議で相続人全員が相続の内容に合意したことを証明する役割があります。
遺産相続に関するトラブルというのは大きなストレスになる場合もありますから、トラブルを避けたいと考えている人は専門家への依頼を前向きに考えてみましょう。
相続手続きのチェックリストを活用しましょう
相続をスムーズに進めるためには、自身のできる範囲でしっかりと相続の準備をし、全体のやるべきことを事前に把握しておくことが重要です。
「ココカラ相続」には、相続全体でやるべきことがわかるチェックリストが実装されています。このチェックリストを活用すれば、短時間で相続の全体像を把握し、必要に応じて専門家に依頼することができます。
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