葬儀やお墓・仏壇など、日本にはご供養に携わる事業者が数多く存在しますが、その多くは関連業界団体に所属しています。
各業界団体は、行政との連携や所属企業に対しての情報提供、人材育成支援などをおこない、業界全体の発展や健全化に取り組んでいます。
本記事では、専門葬儀社の業界団体である『全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)』について紹介します。
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)の概要
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)は、1956年の創立以来、日本全国の葬祭業における中心的な存在として、その発展と高度化をリードしてきました。2023年6月現在、全国56事業協同組合と1,234社もの葬儀社が参加しており、その規模と影響力は業界随一です。
【団体名称】全日本葬祭業協同組合連合会 (全葬連:ぜんそうれん)
【所在地】〒108-0075 東京都港区港南2丁目4番12号 港南YKビル4階
【設立】1956年(昭和31年)11月19日
【代表者】会長 石井 時明
【会員数】全国56事業協同組合(2023年6月現在)
【所属員数】1,234社(2023年6月現在)
【公式HP】https://www.zensoren.or.jp/
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)の沿革
葬祭業という職業が社会的に必要不可欠であること、その地位の向上、競争力強化による経営の安定、葬祭文化の発展を旗印に、昭和31年(1956年)11月19日に設立されました。
- 1956年:全日本葬祭業組合連合会 設立
- 設立時加入組合:13組合
- 設立時構成組合員数:851名
- 1975年:全日本葬祭業協同組合連合会 改組、改称
- 事業協同組合:28組合
- 所属員:926名
- 通商産業大臣より認可(50産1784号)
- 共同購買斡旋事業 開始
- 1976年:国際葬儀連盟 加盟
- 1984年:一般葬祭専門士認定講習 開催
- 1987年:上海列車事故 ご遺体お迎えに高知協組奉仕
- 1991年:信楽高原鉄道列車事故 遺体搬送に協力
- 1993年:北海道南西沖地震に備蓄木棺拠出
- 1994年:阪神・淡路大震災で緊急応援活動
- 1995年:if共済会 発足・葬祭ディレクター技能審査 認定
- 2007年:葬祭サービスガイドライン制定
- 2009年:消費者向け葬祭サービスガイドライン「わたしたちの誓い」制定
- 2011年:東日本大震災で支援活動 実施
- 2012年:防災功労者内閣総理大臣表彰受賞
- 2013年:厚生労働省から東日本大震災支援活動に対する感謝状授与
- 2014年:全日本葬祭業政治連盟設立
- 2016年:全葬連創立61年 全都道府県に組合設立
- 2023年:全葬連フューネラルアンバサダーにタレントの田村淳さんが就任
出典:全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)『団体概要・全葬連の沿革』
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)の事業・取組み
全葬連の主な事業は、加盟企業の運営を支援するための各種サービスを提供し、業界全体の発展を推進することです。具体的には、業界の研究開発や人材育成、情報提供、葬祭に関する啓発活動、そして行政との連携を通じた制度改善や政策提言など、多岐にわたります。
これらの取り組みを通じて、全葬連は消費者に対する信頼性と透明性を確保しながら、業界の健全な発展を支えています。また、葬祭文化の普及と啓発を通じて、消費者が葬祭に関する適切な知識を身につけ、自分自身の意志に基づいた選択ができるよう支援しています。
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)の特徴
全葬連の最大の特徴は、その規模と組織力です。2023年6月現在、全国56事業協同組合と1,234社もの葬儀社が参加しており、その広範なネットワークを活用して業界全体の課題に対応しています。これにより、全葬連は葬祭業界における中心的な役割を果たしており、その意見は政策決定者や一般消費者に大きな影響を与えています。
また、全葬連は業界の教育・研修に力を入れており、会員企業は新たな知識や技術を得ることができ、サービス品質向上が可能となっています。全葬連が提供する各種研修や教育プログラムは、業界の高度化と専門性向上に寄与しています。その他にも、全葬連は情報提供や行政との連携にも力を入れており、会員企業は最新の業界情報を得ることができ、制度改革や政策提言にも影響力を持っています。
さらに、全葬連は消費者との信頼関係を築くための各種啓発活動を行っており、消費者は適切な葬祭に関する知識を身につけ、自分自身の意志に基づいた選択ができるよう支援されています。
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)に加盟するメリット
全葬連に加盟することで、葬儀社は多くのメリットを享受できます。その一つが、全葬連が提供する各種研修や教育プログラムです。会員企業はこのプログラムで新たな知識や技術を得ることができ、サービスの質を向上させることが可能となります。
また、全葬連の広範なネットワークを活用することで会員企業は業界全体の情報を得ることができ、市場の最新動向や消費者のニーズ、法令改正など葬儀関連の様々な情報を即時に把握することができます。
さらに、全葬連の信頼性と権威は、会員企業の信頼性を高める助けとなります。加盟することで葬儀社は業界の指導的立場を示し、消費者に対して信頼性と専門性を証明することができます。つまり、全葬連の加盟企業によって顧客満足度の向上や新規顧客の獲得につながります。
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)の役員・理事(所属企業)
全日本葬祭業協同組合連合会の理事には、以下の方々が就任しています。
役職 | 氏名 | 所属する都道府県組合等 | 所属企業・団体 |
会長 | 石井 時明 | 神奈川県葬祭業協同組合 | 富士見斎場 株式会社 |
副会長 | 半田 雅之 | 秋田県葬祭業協同組合 | 有限会社 半田葬儀社 |
副会長 | 濵名 雅一 | 東京都葬祭業協同組合 | 株式会社オリハラ |
副会長 | 加藤 久智 | 三重県葬祭業協同組合 | 株式会社ほくせい |
副会長 | 和合 健一 | 大阪葬祭事業協同組合 | 有限会社 東阪社 |
常務理事 | 湯浅 匠司 | 北海道葬祭業協同組合 | 青柳 株式会社 |
専務理事 | 松本 勇輝 | 事務局 | 全日本葬祭業協同組合連合会 |
理事 | 嶋 員久 | 山口県葬祭業協同組合 | 有限会社 下松葬儀社 |
理事 | 池 和明 | 高知県葬祭業協同組合 | 有限会社 いけ いけ葬儀社 |
理事 | 藤元 一生 | 宮崎県葬祭事業協同組合 | 株式会社ふじもと美誠堂 |
理事 | 関 光治 | 北海道葬祭業協同組合 | 小樽典礼株式会社 |
理事 | 山村 益広 | 青森県葬祭事業協同組合 | 株式会社 山村陽一葬儀店 |
理事 | 味村 勝弘 | 栃木県葬祭事業協同組合 | 有限会社みむら |
理事 | 小峯 敏夫 | 東京多摩葬祭業協同組合 | 株式会社セレモニー小峰 |
理事 | 野杁 晃充 | 愛知県葬祭業協同組合 | 株式会社 のいり |
理事 | 岩本 元彦 | 北摂葬祭業協同組合 | 株式会社ハナブ商店 |
理事 | 上野山 栄作 | きのくに葬祭事業協同組合 | 株式会社オレンジライフ |
理事 | 鍜治川 立章 | 広島県葬祭業協同組合 | 有限会社 朝日屋 |
理事 | 結城 旬 | 愛媛県葬祭事業協同組合 | 株式会社 村田 |
理事 | 馬場 昭典 | 福岡県葬祭業協同組合 | 株式会社いすや |
理事 | 青木 大 | 福島県葬祭業協同組合 | 株式会社あおき |
監事 | 村上 基一 | 埼玉県葬祭業協同組合 | 株式会社 博愛社 |
監事 | 為永 伸夫 | 長崎県葬祭業協同組合 | 株式会社 為永 |
監事 | 青木 正明 | 員外 |
全日本葬祭業協同組合連合会には、全国各地から1,234社の葬儀社が加盟しています。加盟企業には、大手葬儀社をはじめ、地域密着型の中小企業などが含まれています。全国規模でのネットワークを持つ組織であり、多様な企業が集まっています。
まとめ
今回は専門葬儀社の業界団体である全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連:ぜんそうれん)の概要や歴史・活動内容などについて紹介しました。
沿革をご覧いただくと分かる通り、国内外における大規模災害や大事故の発生に際し、全葬連では迅速な社会支援活動を実施しています。
記憶に新しいところでは、2021年7月の熱海市伊豆山土石流災害の際にも、全葬連並びに静岡県葬祭業協同組合が支援活動をおこない、熱海警察署長から感謝状を授与されました。
また葬儀・葬祭関連企業に勤務する方の多くが取得している「葬祭ディレクター(1級、2級)」の認定機関である「葬祭ディレクター技能審査協会」は、葬祭業界に働く人々の知識・技能の向上、ならびに社会的地位の向上を図ることを目的として、全日本葬祭業協同組合(全葬連)と全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)によって設立されています。
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)では、消費者が安心して葬儀を依頼できるように『葬祭サービスガイドライン』を制定し、加盟企業に対して順守するよう求めています。