銀行口座の凍結は、ご遺族様が相続手続きの中で直面する大きな課題の一つです。葬儀社として、故人様のお見送りをサポートするだけでなく、相続手続きに関する基本的な知識を持っておくことで、お客様の不安を和らげるお手伝いができるでしょう。
「父が亡くなったらすぐに口座からお金を引き出せなくなった」「葬儀費用の支払いに困っている」といった相談は、実際によく寄せられるものです。銀行口座の凍結は突然行われ、ご遺族様の日常生活や葬儀の進行に影響を与えることがあります。
しかし、口座凍結の仕組みを理解し、適切な対応方法を知っておけば、この問題に冷静に対処することができるでしょう。また、2019年に始まった「仮払い制度」など、緊急時に活用できる制度も整備されています。
本記事では、銀行口座が凍結されるタイミングから解除手続きの方法、そして緊急時の対応策まで、葬儀社の皆様がお客様からの質問に適切に応えるために必要な知識を解説します。
目次
- 1. 相続開始で銀行口座は凍結される
- 1-1. 銀行が死亡事実を知ったときに凍結される
- 1-2. 全ての入出金が停止される
- 1-3. 自動引き落としと振込受取も停止
- 2. 銀行口座凍結の目的
- 2-1. 相続トラブルの防止が主な理由
- 2-2. 正確な遺産把握のための措置
- 3. 凍結口座の解除手続き
- 3-1. 銀行口座の凍結を解除する手順
- 3-2. 解除までの期間と費用の目安
- 3-3. 口座凍結を解除する前に考えたい活用法
- 4. 緊急時のための「仮払い制度」
- 4-1. 凍結中でも一部引き出しが可能
- 4-2. 仮払い制度で引き出せる金額は上限がある
- 4-3. 仮払い制度を利用する時の注意点
- まとめ