葬儀関連事業を展開する事業者の種類まとめ|葬儀アフィリエイトについて詳しく解説

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葬儀・葬祭を取り扱う事業者と聞くと、いわゆる「葬儀屋さん」をイメージするかもしれませんが、実はさまざまな業種の事業者が関わっています。
主な事業者を挙げるだけでも、以下の8種類が存在します。

近年の葬儀業界は、葬儀の施行を取り扱う事業者だけで構成されているわけではありません。
上記のうち「葬儀ポータル」や「葬儀アフィリエイト」は、実際に葬儀を執り行うことはありませんが、集客の面で葬儀業界に大きな影響を与えています。
こういった事情から、葬儀業界全体の構造も複雑化しているため、以前に比べ分かりづらくなっています。

そこで葬研では、葬儀事業者を構成する事業者8種類について、それぞれ詳しく解説することにいたしました。
本記事では、インターネットに特化して葬儀サービスを展開する『葬儀アフィリエイト』を取り上げて、事業の仕組みや種類、問題点について紹介および考察していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

葬儀アフィリエイトとは?

アフィリエイトの仕組みを表すイメージ画像

葬儀アフィリエイトは、個人や法人がインターネット上でブログ等のメディアを通じて消費者に葬儀関連情報を提供し、問い合わせや資料請求などをすることで、メディア運営者が成果報酬を得るというビジネスモデルです。

現代はインターネットの普及により、多くの人々がオンライン上で情報収集を行い、時には商品サービスを購入するという時代です。
葬儀アフィリエイトサイトでは、葬儀関連情報について検索する読者をターゲットにし、インターネット上でさまざまな情報を提供しています。

読者は検索エンジンを通じて葬儀アフィリエイトサイトにアクセスし、そこで提供される情報やリンクを通じて必要な情報を得るだけでなく、サービス利用の申込みや問い合わせも行えます。
しかし葬儀アフィリエイトサイトからの送客先は、実際に葬儀を施行する葬儀社ではなく、主に葬儀ポータルサイトです。

葬儀アフィリエイトというビジネスモデルは、葬儀ポータルサイト運営事業者にとって、便利な集客手段の1つとなっています。

アフィリエイトの意味

「アフィリエイト」という言葉は英語「affiliate」から派生した和製英語です。
意味は「加入する」「提携する」「合併する」ですが、マーケティングの世界では「成果報酬型広告」として知られています。

興味深い点として、英語の「affiliate」は文脈によって「傘下にある」「系列である」「姉妹会社である」といった意味にもなる点です。
この点に注目していただきながら、次章の一般的なアフィリエイトサイトの仕組みについてご覧いただくくと、より理解が深まります。

一般的なアフィリエイトサイトの仕組み

一般的なアフィリエイトサイトの仕組みを解説する図

一般的なアフィリエイトサイトでは、商品やサービスの拡販を希望する企業が、アフィリエイト・サービス・プロバイダ(ASP)に広告を登録し、広告主として商品やサービスの拡販を図ります。

ASP:アフィリエイトプログラムを提供し、広告主とアフィリエイターのマッチング・報酬管理などを支援する企業のこと

ASP内に掲載された商品やサービスを見て、収益を得たいと考えるサイト運営者が専用サービスに会員登録。
提供するプログラムに利用申請を出し、広告掲載許可をもらいます。

許可をもらった後は、アフィリエイトサイトやブログ運営者が記事を執筆したり、広告にまつわるコンテンツを作成したりして、ASPに登録された広告を掲載します。

一般的なアフィリエイトサイトは、企業と広告主、運営者、読者が相互に利益を得る仕組みとして機能していることがわかります。

葬儀アフィリエイトサイトの場合

ご遺族がアフィリエイトサイトから葬儀の資料請求をするイメージ画像

葬儀アフィリエイトサイトは葬儀ポータルサイトと消費者を結び付けており、読者が葬儀関連情報に関心を持ち、行動することで成果報酬を得る仕組みです。

葬儀関連のサイト・ブログ運営者が葬儀関連の情報や商品を紹介し、読者が葬儀ポータルサイトへのアクセスや申込を行うことで報酬が支払われます。
サイト・ブログ運営者の成果となる読者の行動には以下が挙げられます。

  • 新規問い合わせ
  • 資料請求
  • 商品やサービスの購入

多くの葬儀アフィリエイトサイトでは読者の行動を促すために、火葬場のデータベースや葬儀社の比較・進め方などの記事が大量に生成されているほか、SEO対策も行われているようです。
例えば、葬儀関連の情報を探している人がインターネットで検索すると、SEO対策を施された葬儀アフィリエイトサイトが上位に表示される傾向にあります。
読者はホームページ上で何らかの情報を得ることで、適切な葬儀ポータルサイト等へアクセスし、必要な手続きを容易に行えるという仕組みであることがわかります。

なお、ASPサービスにおける葬儀関連の広告としては、以下のようなサービスも提供されているようです。

  • 仏壇販売
  • お墓のお見積り
  • 電報
  • 遺品整理
  • 海洋散骨
  • ペット葬儀
  • 香典返し

葬儀アフィリエイトサイトの種類

葬儀アフィリエイトサイトは数多く存在しますが、代表的な形式としては以下の3種類があげられます。

  • 口コミサイト風
  • 葬儀の知識解説記事風
  • 僧侶風

葬儀アフィリエイトサイトは、多くの消費者にホームページやブログへアクセスしてもらい、送客によって収益を得るのが運営目的です。
記事の量だけでなく、ホームページの体裁にも集客するための技術が凝縮されています。
それぞれについて詳しく見てみましょう。

口コミサイト風

クチコミ風葬儀アフィリエイトサイトのイメージ画像

口コミサイト風の葬儀アフィリエイトサイトは、葬儀関連の商品やサービスについて実際の利用者の口コミや評価を掲載し、読者に有益な情報を発信しています。
主な手法としては、以下のようなパターンが存在します。

  • コラム記事の中で消費者の口コミを紹介するパターン
  • 会社ごとにページが設けられており、口コミがまとめられているパターン
  • コラム記事内でSNSでの発言を引用するパターン

口コミサイト風のサイトでは、利用者の実際の声や評判を通じて、商品やサービスの信頼性や満足度を伝えます。
読者は実際に利用したであろう他の方のリアルな意見を参考にできるため、葬儀に関する商品やサービスの評判や信頼性を判断する指標になり、自分に合った選択がしやすくなるというものです。

しかし実際には、記事内に設置されたリンク先の多くがASPの葬儀ポータルサイトなどの案件になっており、アフェリエイトサイトであるのは明らかです。
とはいえ、URLに関する知識がないとアフィリエイトサイトとは分からないため、一般の方が見分けるのは困難でしょう。

口コミサイト風アフェリエイトサイトの実例
葬儀の歩き方https://sogiwalk.com/
お葬式のいろはhttps://funeral-iroha.com/

葬儀の知識解説記事風

葬儀の知識解説記事(コラム)風葬儀アフィリエイトサイトのイメージ画像

葬儀の知識解説記事風の葬儀アフィリエイトサイトは、葬儀に関する基礎知識や手続きの解説など、読者の疑問や不安に応える情報を発信するタイプです。
コラム記事やブログ記事、体験記事という体裁であるため、読者は葬儀について理解を深められます。

葬儀の知識解説記事風アフィリエイトサイトでは、最終的に葬儀ポータルサイト等への資料請求や一括見積もり等への誘導が行われることが多く、実際の葬儀の手続きやサービス利用につながることが目指されている仕様です。

ただし、葬儀の知識解説記事風アフィリエイトサイトの中には、他のサイトの情報を元に解説していたり、運営者や執筆者のプロフィールが明確でなかったりすることがあります。

葬儀の知識解説記事風アフィリエイトサイトの実例
サルでもわかる葬儀の新常識https://memories-in-time.net/
ご葬儀センター千葉https://chiba-sougi.jp/
葬儀の悩みや疑問を解決https://sougi-sousikinochisiki.info/
はじめての葬儀https://xn--78j2ayab5gu09u1hxe.com/

僧侶風

僧侶がブログを運営するイメージ

僧侶風の葬儀アフィリエイトサイトでは、葬儀の精神的な側面から葬儀の専門知識や供養、仏教の教えに基づいたアドバイスなど、僧侶ならではの観点で発信しています。
読者は自身の信仰や心の状態に応じて、僧侶風のサイトから心の支えや教えを得られる点が魅力です。

ただし、所属寺院や宗派を明らかにしていないケースも多く、情報の正確性が担保されていないという点には注意が必要です。

僧侶風アフィリエイトサイト
節約葬儀の駆け込み寺http://small-funeral.com/

葬儀アフィリエイトサイトの問題点

葬儀アフィリエイトサイトの手法に引っかかり頭を抱える男性のイメージ画像

企業と広告主、運営者、読者が相互に利益を得る仕組みを持つ葬儀アフィリエイトサイトですが、実は問題点が多く見受けられます。

  • 収益を目的とした過度な誘導
  • サイト運営者の匿名性と情報の正確性
  • 消費者に正しい情報が届かない
  • 誤情報による葬儀トラブルの発生

以上の問題点について、葬研では独自の考察を行いました。
詳しくご紹介いたします。

収益を目的とした過度な誘導

ブログ収益を目的とした過度な誘導をするイメージ画像

アフィリエイトを推奨する本やブログ、Webメディアなど、葬儀アフィリエイトを含むアフィリエイト関連の情報は、世の中に多数存在しています。
アフィリエイトサイトの運営は初期費用が少なく、成功すれば高収入を得られるという点が強調されやすく、主婦やサラリーマンの副業としても根強い人気があります。

特に葬儀関連のアフィリエイトでは、葬儀ポータルサイトなどへの資料請求が成立すれば、数千円の報酬が支払われる仕組みで、アフィリエイト案件の中でも比較的高単価となっているようです。
こういった事情から、サイト・ブログ運営者が報酬を追求するあまり、誤った情報や誇大表現を用いて、サイト利用者を誘導するようなケースも散見されます。

サイト運営者の匿名性と情報の正確性

葬儀アフィリエイトサイトの運営者が匿名で寄稿するなりすましが横行しているイメージ画像

サイト運営者の経歴詐称あるいは疑惑を持たれるようなプロフィールも、葬儀アフィリエイトの問題点の1つです。

インターネットの世界では、本人が公開している場合を除いて、原則的に匿名性が担保されています。
またアフィリエイトビジネスにおいては、サイトの信頼性が収益化の成功率を大きく左右します。

こうした事情から、葬儀アフィリエイトサイトの運営者の中には、プロフィールを捏造(ねつぞう)する方も、残念ながら一定数存在するようです。

  • 葬儀社の社員・元社員を名乗る
  • 僧侶になりすます

例えば、本物の僧侶とは思えない言動が見受けられる僧侶風サイトや、根拠のない都市伝説のような内容を流布するような、葬儀社社員を名乗るサイト運営者も存在します。
葬儀関連業界の方や同じ僧侶の方が見れば「このサイト運営者は僧侶ではないかもしれない」とアンテナを張れますが、一般消費者は見分けることが困難です。
このような行為は読者を欺き、消費者が正しい情報にアクセスすることを阻害してしまいます。

消費者に正しい情報が届かない

葬儀アフィリエイトサイトのコンテンツが本当かウソかわからないイメージ

消費者にとって根拠や価値のないサイトの乱立や誤った情報の発信が目立ち、正しい情報が届かないことも問題として挙げられます。

本来であれば、葬儀業界に詳しい現場の方々による正しい情報提供が望ましいです。
しかし残念ながら、本業に追われている葬儀業界の方々が、、インターネットに精通したアフィリエイトサイト運営者やブログ運営者と、SEOの知見で張り合うのは困難でしょう。

葬儀アフィリエイトサイトでは情報量の多さや網羅性で検索上位表示を目指すため、それなりにSEOの知見があれば、葬儀に詳しくなくても運営が可能です。
そのため、葬儀関連の知識が不足している運営者や執筆者が記事を大量生産し、他のサイトの情報を真似したり、誤った情報を広めたりするケースが少なくありません。
こうした記事が葬儀関連キーワードの検索上位を占めてしまえば、消費者が正しい情報にたどりつくのは困難となります。

GoogleやYahoo!検索の1ページ目トップを葬儀ポータルのリスティング広告が占め、続いて信頼性の低い葬儀アフィリエイトサイトが上位表示されることで、消費者は正確な情報を得られなくなり、根拠や価値のない情報に惑わされる可能性があります。

口コミ風の葬儀アフィリエイトサイトは信頼できるのか

口コミは噓が書けないだろうと思いがちですが、口コミ風の葬儀アフィリエイトサイトでも信頼性が必ずしも保証されるわけではありません。
中には、報酬を払って評価を書いてもらう企業や、ネガティブな口コミを排除する運営方針のサイトも存在します。

さらに、サクラ*の存在も考慮すべき要素です。

サクラとは?
他の顧客の購買意欲をそそるため、客のふりをして品物を褒めたり、高く買い物をする、あらかじめ仕込まれた雇われ顧客のこと。自社社員が顧客のフリをすることもある

口コミ風の葬儀アフィリエイトサイトに掲載されている情報も、良い評判や悪い評判は参考程度に考える必要があります。

誤情報による葬儀トラブルの発生

誤情報による葬儀トラブルの発生イメージ

葬儀アフィリエイトサイトの発信する誤った情報を消費者が信じてしまい、葬儀業界関連企業とトラブルになるケースも散見されます。

例えば、葬儀アフィリエイトサイトでは、葬儀の平均単価や葬儀ローンなどについても、事実に基づかない情報が掲載されている場合があります。
また、葬儀アフィリエイトサイトの運営者は、インターネットを通して得た葬儀関連情報を、ファクトチェックもせずに自身のサイトに転載するようなケースも多いため、誤った情報が拡散されるといった状況も起こり得ます。

インターネット検索で上位に表示されていると、つい正しい情報だと信じてしまいがちですので、インターネット上の誤情報を鵜呑みにしてしまう消費者も一定数存在します。
そういった消費者が、葬儀社に対して無茶な要求をしたり、菩提寺とトラブルに発展したりする事例も、実際に発生しているようです。

葬儀アフィリエイトが葬儀社に与える影響

葬儀社のコールセンターイメージ

ここまで葬儀アフィリエイトの問題点などについて解説してきましたが、実際のところ葬儀社が実務面で受ける影響は、さほど多くはないと思われます。
その理由の1つに、葬儀社への依頼や連絡のほとんどが、今でも電話で行われているという現実です。

各葬儀社様は、事前説明会や見学会などを開催して、消費者に対し事前の相談や予約を促しています。
しかし日本では「生きているうちに葬儀のことを話すのは縁起が悪い」という考えが根強く、事前相談・予約の普及は思うように進んでいないようで、ご逝去されてから葬儀社を探し始める方も少なくないようです。

このようなケースでは、利用する葬儀社を早急に決める必要があり、ネットを経由したとしても連絡手段は電話が主流になっています。
こういった事情を考慮すると、葬儀ポータルへの資料請求が報酬発生の承認条件となっている葬儀アフィリエイトが、緊急時に介在する可能性は低いといえるでしょう。

しかし前述したように、一般消費者が誤情報を鵜吞みにする可能性があるため、葬儀当日や前後に葬儀社側とトラブルになることも考えられます。
また葬儀アフィリエイトサイトの中には、消費者を葬儀ポータルサイトに誘導するために、既存の葬儀社を貶めるような印象操作をおこなっている事例もあるようですので、葬儀業界全体で何らかの対策を打ち出す必要があるかもしれません。

まとめ

葬儀アフィリエイトサイトの信頼性を願う女性のイメージ画像

今回は、葬儀アフィリエイトサイトの仕組みや種類、問題点についてご紹介いたしました。

一般消費者が葬儀に関する正しい情報を得る方法としては、専門家である葬儀社に相談するのが最も確実です。
しかし現在では、手軽に情報を収集する方法としてインターネットを利用する方が多く、葬儀社に足を運ぶ方が少数派となっている地域も少なくありません。
インターネット検索では、SEO対策が行われている葬儀アフィリエイトサイトが上位表示されるケースも多く、掲載されている情報が正しくなくとも、残念ながら消費者の目についてしまう可能性が高い点は否定できません。

ただ、葬儀の依頼については電話を利用する方が多いという面に目を向ければ、葬儀社様が対応しやすい方法も存在します。
葬儀社を探す際には、家から近いことを条件にする方も多く、「地名+葬儀社」というキーワードで検索するケースが少なくありません。

こうしたケースでは、地域を限定したMEO(ローカルSEO)を活用すれば、効率的な集客が可能となります。
MEO対策の1つであるGoogleビジネスプロフィールを利用すれば、さまざまな自社情報の発信ができますし、電話番号を掲載しておけば直接の問い合わせにつなげることも可能です。

葬儀社様側で情報発信や集客対策を強化すれば、葬儀アフィリエイトの影響は限定されるかと思いますので、積極的に取り組まれることをおすすめします。

葬研では、今後も葬儀社様向けに幅広く情報を発信してまいりますので、ぜひ参考にしていただければと存じます。

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