認知症による資産凍結リスクへの対応として注目を集める「家族信託」サービスの提供に向けて、行政書士法人第一事務所は不動産関連事業を展開する常口アトムとの業務提携を発表しました。超高齢化社会を迎えた日本では、「家族信託」サービス関連事業への新規参入が相次いでいます。
相続・遺言関連業務をはじめ、許認可・在留資取得申請、その他の行政書士業務を総合的に取り扱う行政書士法人第一事務所(本社:北海道札幌市、代表:田澤 泰明。以下「第一事務所」)は、株式会社常口アトム(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:清河 智英。以下「常口アトム」)との間で、家族信託に関する業務提携契約を締結いたしましたことをお知らせいたします。
この業務提携契約に基づき、今後、第一事務所は、常口アトムの顧客に向けて、「家族信託」に関する法務サービスの提供を行ってまいります。
業務提携の背景
超高齢化社会に向けて突き進む日本では、認知症により引き起こされる諸問題 – 財産関係では特に 「資産凍結」– が社会的な課題となっています。認知症により意思能力を失ってしまうと、不動産の売却や定期預金の解約、契約行為といった法律行為を有効に行うことができなくなり、その方の資産を動かすことができなくなります。これがいわゆる「資産凍結」です。
資産凍結が起こると、例えば、以下のような問題が生じます。
■「認知症で介護施設に入居中の親が所有する自宅が空き家状態となっているので、これを売却し施設費用に充てたいが、売却ができない」
■ 「認知症の親が所有しているアパートについて、新しい入居者との間で入居契約を締結できないため、空室が増えていくばかりだ」
上記のような場合に活用できる制度として成年後見制度がありますが、左記制度では、第三者(司法書士・弁護士等の専門職)が後見人として選任される場合も少なくなく、専門職が後見人に就任した場合には、専門職後見人に対して報酬が発生いたします。また後見人の行う財産管理は財産の現状維持が目的となるため、差し迫った事情がない限り財産の処分(不動産の売却等)や資産運用は行えず、本人の意思能力が十分であれば可能であったであろう柔軟な財産管理を行うことは難しいといえます。
こうした背景から、新たな資産凍結問題の解決策として現在注目を集めているのが家族信託です。
家族信託について
家族信託とは、家族間(典型的には親と子の間)で信託契約を締結し、ご本人(親)が元気なうちに資産管理を家族(子)に託すことで、万が一認知症になった場合にも、契約内容に基づいた財産の管理・処分を行うことができる仕組みです。
例えば、アパートのオーナーである父が、高齢を理由に、その管理を子に任せたいと思い立ったとします。父(委託者) は子との間で信託契約を締結し、アパートを子(受託者)に託します(信託財産の所有権を子に移転します )。家族信託を行うことで、子はアパートの管理や、新しい入居者との契約が行えるようになり、父(受益者)は月々の賃料を給付してもらう等、契約の範囲内でアパートに関する利益を受け取ることが出来ます。
上記はあくまで家族信託のほんの一例です。認知症対策としての信託のほか、相続対策としての信託や、障害のある子の生活支援のための信託など、家族信託の可能性は様々です。
ご家族による柔軟な財産管理が可能であるとして、新しい財産管理・資産承継の仕組みとして注目されている家族信託ですが、制度施行から歴史が浅く、適切な家族信託の組成が行われていない例も見受けられるようです。家族信託の適切な組成には、民法や信託法に関する正確な知識と経験が不可欠です。今回の業務提携では、常口アトムの顧客に対し、第一事務所の有する知識と経験に基づいて、家族信託に関しての適切なサポートを提供していきたいと考えております。
『暮らしと住まいを通して地域社会に貢献し、顧客に愛される会社を目指します』という経営理念を掲げ、不動産の賃貸借・売買の仲介・管理業務を取り扱う常口アトムは、近年、顧客へのサポート体制の更なる充実を図っているところです。そのような中で、第一事務所が家族信託に関する法務サービスを提供することにより、同社の顧客サポートの一翼を担い、顧客の資産凍結の回避・ご不安解消の一助となれればと考えております。この度の業務提携が地域社会への貢献という理念の実現に繋がるものと確信しております。
【常口アトムからのコメント】
代表取締役社長 清河 智英
当社は今年2 月に30 周年を迎えました。現在、管理戸数 約56,000戸 、約6,800 先のオーナー様の物件を管理しております。高齢化社会の進展は、当社にとりましても喫緊の課題となっております。
最近は、不動産市況の動向も背景に資産承継に関するニーズが顕在化してきており、「家族信託」は、問題解決策のひとつとして以前から高い関心を寄せておりました。当社をご利用いただいているオーナー様の保有資産に関する様々なニーズにお応えするため、この度、第一事務所様と「家族信託」に関する業務提携契約を締結させて頂く事となりました。
これまでもオーナー様の資産を最適に運用するコンサルティングは行っておりましたが、ご家族と共に資産運用や承継を考える「家族信託」が加わることで、更なるサービスの向上が図られる事となります。
今後も更なる高齢化社会や急速に変化していく市場環境に順応し、地域社会に貢献していく為には、新たな顧客サービスを創造し、マーケットに提供し続けていく必要があると考えております。本業務提携により、当社をご利用いただいているお客様へのサービス向上が図られる事と大いに期待しております。
【第一事務所からのコメント】
社員行政書士 田澤 泰明
この度、常口アトム様との間で家族信託に関する業務提携契約を締結することができ、大変うれしく感じております。当グループは、「人々の明るい未来づくりに貢献する」との経営理念を掲げ、その実現のため、これまで、相続・遺言・家族信託等のサービス提供に積極的に取り組んできており、今回の業務提携もその一環です。
今回の業務提携をきっかけに、道内最大手の不動産関連事業者である常口アトム様のお客様に対して、それぞれの状況に応じたきめ細やかなサービス提供をすることで、お一人でも多くの方のご不安解消のお手伝いをし、もって、人々の明るい未来づくりと地域社会への貢献を果たしてまいりたいと考えております。
第一事務所グループについて
【会社概要】
会社名:司法書士法人第一事務所(札幌司法書士会所属)・行政書士法人第一事務所(北海道行政書士会所属)
所在地:〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西4丁目1番地 道銀ビル7階
代表者:田澤 泰明
創 業:1982年
設 立:2016年1月4日(司法書士法人第一事務所)、2021年1月4日(行政書士法人第一事務所)
URL:https://www.tazawa-office.jp/
【事業内容】
■司法書士法人第一事務所 ■行政書士法人第一事務所
1.不動産登記 1.相続手続・遺言・生前対策業務
2.商業・法人登記その他企業法務 2.在留資格取得申請業務
3.相続手続・遺言・生前対策業務 3.各種許認可関連業務
4.債務整理業務 4.その他行政書士業務全般
5.その他司法書士業務全般
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
行政書士法人第一事務所
担当:高橋 豪 (E-mail:g.takahashi@hk-plaza.co.jp)