上場葬儀社7社の2025年決算期から読み解く経営動向｜業界再編が加速する葬儀市場

葬儀業界の環境は今、大きな転換期を迎えています。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「家族葬・一日葬の加速」や「会葬者の減少」といった変化が定着する一方、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、日本の年間死亡者数は2024年のピークに向けてさらに増加していくと予測されます。
この需要増加の波と、葬儀の小規模化・簡素化の定着という相反する時流が共存する時代に、上場葬儀社各社はどのような経営戦略を描いているのでしょうか。

本記事では、葬祭サービスを中核事業とする上場企業7社（平安レイサービス、サン・ライフHD、ティア、燦HD、ニチリョク、広済堂HD、こころネット）が2025年の決算期に発表した決算短信や有価証券報告書などの公表資料より『葬儀・葬祭事業』のカテゴリ情報を抽出し、徹底分析します。
特に、葬儀単価や施行件数の推移といった事業の中心となるデータから各社の一年間の経営状態と財務状況を深掘り。また、コロナ禍を経て変化した消費者のニーズに対応するための中・長期計画における事業構成の再構築や、M&A・新規事業展開を通じた成長戦略についても解説します。

今回の分析では、2024年にきずなHDを吸収合併した燦HDの統合効果や、新たに葬儀事業を開始した広済堂HDの動向にも注目しました。7社それぞれの独自性と、業界全体が直面する構造的な課題に迫ります。
激変する市場で「生き残る戦略」と「勝ち残る戦略」をどのように描き、実行しているのか、今後の葬儀ビジネスの行方を占う上で必読の内容です。