葬儀やお墓・仏壇など、日本にはご供養に携わる事業者が数多く存在しますが、その多くは関連業界団体に所属しています。
各業界団体は、行政との連携や所属企業に対しての情報提供、人材育成支援などをおこない、業界全体の発展や健全化に取り組んでいます。
本記事では、『葬儀社格付け機関|日本儀礼文化調査協会 (JECIA)』について紹介します。
日本儀礼文化調査協会 (JECIA))の概要
葬祭業界の信頼性を左右する要素の一つとして、「安心度」が挙げられます。安心度は、遺族や関係者が迷いや不安を抱えることなく、故人を安らかに送り出すことができる環境を指す概念であり、その実現に向けた取り組みが各地で行われています。その中で、特に注目すべき存在が「葬儀社格付け機関|日本儀礼文化調査協会 (JECIA)」です。1986年に設立され、現在は98社もの葬儀社が加盟するこの団体は、葬祭業界における安心度の向上を目指して活動を展開しています。
【団体名称】葬儀社格付け機関|日本儀礼文化調査協会 (JECIA)
【所在地】〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-12 紀尾井町ビル6階
【設立】1986年11月20日
【代表者】友渕 宗治
【加盟社数】98社
【公式HP】http://www.jecia.co.jp/
日本儀礼文化調査協会 (JECIA)の沿革
1986年11月20日:株式会社 日本儀礼文化調査協会創業
2003年1月22日:株式会社JECIAに社名変更
2004年4月12日:経済産業省認定個人情報保護団体 JECIA個人情報保護協会を㈱JECIA組織と併設
2011年9月1日:「株式会社JECIA」を「一般社団法人 日本儀礼文化調査協会」に組織変更
出典:「日本儀礼文化調査協会 JECIA(沿革・組織図)」
日本儀礼文化調査協会 (JECIA)の事業・取り組み
葬儀社格付け機関|日本儀礼文化調査協会 (JECIA)は、全国の葬儀社の安心度を格付けし、その情報を公開することを主な事業としています。これにより、遺族や一般消費者が葬儀社選びに迷った際に、信頼できる参考情報を提供します。また、葬儀社自体も自社の評価を知ることができ、改善の方向性を探るきっかけにもなります。
JECIAの安心度格付けは、対象となる葬儀社のサービス品質、適正な価格設定、葬儀に関する正確な情報提供などを基準に行われます。これらは遺族の不安を軽減し、故人を適切に送るために重要な要素であるため、JECIAの格付けは葬儀社選びの重要な指標となっています。
日本儀礼文化調査協会 (JECIA)の特徴
JECIAが特に注目すべき団体である理由は、その評価基準の厳密さと公正さにあります。すべての加盟企業がこの評価基準に照らし合わせられ、その結果が一般公開されることで、業界全体の透明性が保たれます。
審査・格付をおこなう「評価格付認定委員会」は、業界関係者以外のさまざまな分野から選ばれますが、公正を期すために個人名は公開されていません。
さらに、JECIAは加盟企業に対して定期的な研修やセミナーを提供し、サービス向上に向けた努力を促しています。これにより、加盟企業は常に最新の情報やノウハウを身につけることが可能で、その結果、一貫した高品質なサービスを提供し続けることが可能となります。
JECIAの評価基準は、倫理的な観点からも高く評価されています。その評価は葬儀社のビジネス面だけでなく、社会的な責任や敬意の表現についても含まれています。これにより、JECIAの認定を受けた葬儀社は信頼性と品質の保証を遺族や一般消費者に示すことができます。
日本儀礼文化調査協会 (JECIA)に加盟するメリット
葬儀社がJECIAに加盟することには、数多くのメリットがあります。最も直接的なものは、JECIAの認定が信頼の証となり、その結果、一般消費者からの評価や信頼が向上することです。これにより、新規顧客獲得のチャンスが増え、事業の拡大につながります。
また、JECIAが提供する定期的な研修やセミナーを通じて、葬儀社は最新の情報やノウハウを得ることができます。これにより、サービス品質の向上が可能となり、競争力を保つための必要な知識を常に更新することができます。
さらに、JECIAの安心度格付けによる評価結果を通じて、葬儀社は自社の強みや改善すべき点を客観的に把握することができます。これは、事業改善の方向性を定める上で参考となる情報といえるかもしれません。
まとめ
本記事では、日本儀礼文化調査協会 (JECIA)の概要や特徴・加盟メリットなどについて紹介しました。
日本儀礼文化調査協会 (JECIA)は、一般消費者に代わって葬儀会社を評価・格付けする第三者機関ですので、他の業界団体とは性質や目的が異なります。
全日本葬祭業協同組合連合会 (全葬連)や全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)などのように、業界全体の発展を目的とする団体ではありませんが、葬祭事業者の信頼性向上に寄与し、加盟葬儀社同士が交流する場となっている点では、葬祭関連業界団体の1つと考えられます。
葬祭関連事業者に限ったことではありませんが、自社を客観的に評価するのは非常に困難な作業ですので、JECIAのような第三者機関を利用するのも、事業を発展させるうえで効率的な方法の1つといえるかもしれません。