空き家問題の解消に取り組むクラッソーネは、空き家対策における自治体連携の実績が60自治体を突破したと発表しました。連携自治体を対象としたアンケートでは、8割が「空き家の除却促進につながっている」と回答しているようです。
「空き家除却促進に繋がった」が8割、放置空き家・特定空き家の除却に貢献
株式会社クラッソーネ
解体工事の一括見積もりサービス「クラッソーネ」を運営する株式会社クラッソーネ(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:川口哲平、以下「当社」)は、自治体の抱える空き家の課題解決を目的として、2021年8月より全国の自治体と連携協定を締結しており、この度、自治体連携の実績が60自治体を突破しましたのでお知らせいたします。
自治体からは、当社との連携により空き家の除却促進に繋がったと評価されており(※1)、放置空き家の除却や、特定空き家の行政代執行回避に至った自治体の例もあります。引き続き、自治体連携の取り組みを通じて空き家所有者の支援を行い、空き家問題解消に向けて尽力して参ります。
■背景と概要
人口減少や少子高齢化を背景に空き家が増加しており、社会問題として注目されています。総務省統計局発表「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国で空き家は約849万戸、空き家率は13.6%と過去最高の水準となっており、野村総合研究所の試算では2038年には全国の住宅の3軒に1軒が空き家になると予測されています(※2)。こうした状況を受け、各自治体において空き家対策が進められていますが、職員数や予算といったリソースの不足により自治体単独での対応には限界があります。
そこで、当社では2021年8月より、空き家の適切な除却・管理の促進を目的とした公民連携の取り組みを開始しました。空き家所有者にとって必要な情報を簡単に取得できるソリューションを提供し、所有者の意思決定を円滑にすることで空き家除却の早期化を図ります。また、当社のIT技術やデータの活用により、自治体担当者の住民対応の品質向上や業務効率化など、自治体DX促進にも寄与します。
現在、61自治体との連携協定を締結しており、人口カバー率(※3)は約13%となりました。また、放置空き家の除却や、特定空き家の行政代執行回避など、これまで自治体のみでは対処しきれなかった空き家の解消に貢献しており、連携自治体へのアンケートでは82.4%が「クラッソーネと連携したことで空き家の除却促進につながった」と回答しています。
引き続き、公民連携の取り組みや成功事例を全国の自治体に展開し活用することで、空き家対策のさらなる強化に努めて参ります。
(※1)連携自治体向けにアンケートを行い、34自治体が回答。「クラッソーネと連携したことで空き家の除却促進につながっていますか」という質問に82.4%が「はい」と回答した。アンケートの詳細はP4を参照。
(※2)『2040年の住宅市場と課題 -迫力を欠くストックシフト、本腰を入れた取組が必要-』野村総合研究所より https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2022/cc/mediaforum/forum337
(※3)日本の総人口に対する、締結自治体の合計人口の割合
■連携実績のある自治体一覧(計:61自治体)
<空き家除却促進、適切な空き家管理促進、空き家所有者への意識啓発などに係る連携協定 計:59自治体>
北海道札幌市、北海道剣淵町、北海道妹背牛町、宮城県名取市、宮城県色麻町(※4)、岩手県八幡平市、福島県塙町、東京都福生市、埼玉県川越市、埼玉県吉見町、埼玉県久喜市、埼玉県行田市、埼玉県上尾市、埼玉県松伏町、埼玉県寄居町、埼玉県日高市、埼玉県嵐山町、千葉県香取市、神奈川県横浜市、神奈川県川崎市、神奈川県茅ケ崎市、茨城県常総市、茨城県神栖市、栃木県壬生町、栃木県上三川町、山梨県北杜市、新潟県南魚沼市、石川県かほく市、岐阜県郡上市、静岡県富士宮市、静岡県牧之原市、愛知県南知多町、愛知県岡崎市、三重県多気町、三重県鈴鹿市、滋賀県、滋賀県米原市、滋賀県長浜市、滋賀県草津市、滋賀県甲賀市、滋賀県彦根市、滋賀県愛荘町、京都府亀岡市、大阪府堺市、大阪府泉南市、奈良県川西町、奈良県広陵町、兵庫県尼崎市、兵庫県神戸市、岡山県岡山市、広島県安芸高田市、鳥取県米子市、島根県安来市、香川県坂出市、愛媛県伊予市、長崎県西海市、長崎県波佐見町、鹿児島県霧島市 など
(※4)宮城県色麻町はFANTAS technologyとの3者協定
<産・官・金連携による空き家除却促進に係る連携協定 計:2自治体>
埼玉県熊谷市、埼玉県朝霞市(いずれも武蔵野銀行との3者連携)
■空き家所有者のニーズに応える3つの取り組み
空き家除却を検討する所有者には、「解体工事にどれくらいの費用がかかるのか」「どのような順番で空き家処分を進めればよいのか」「解体工事を誰に依頼すればよいのか」といった情報を知りたいというニーズがあり、それぞれの情報を簡単に入手するための手段を提供しています。
<取り組み1>
解体工事費用の情報不足を解消する「AIによる解体費用シミュレーター」と「すまいの終活ナビ」を提供
いくつかの質問に答えるだけで、簡単に解体費用の概算額が算出される「解体費用シミュレーター」と、解体費用に加えて解体後の土地売却査定価格の概算額も算出できる「すまいの終活ナビ」を無料で提供し、空き家所有者の解体工事の検討促進を図っています。概算額が表示される結果ページでは、各自治体の補助金情報等も確認することができます。
これまでの「解体費用シミュレーター」と「すまいの終活ナビ」の利用数は累計約5万件となり(※5)、多くの方に利用されています。
<取り組み2>
空き家処分の進め方を解説するフライヤーを配布
「どのような順番で空き家処分を進めればよいのかわからない」という空き家所有者の悩みを解消するため、解体工事の進め方や各自治体の空き家関連情報を掲載したフライヤーを無償で提供しています。固定資産税の納税通知書や空き家所有者への指導文書に同封し、空き家所有者への啓発や除却・管理の促進を図っています。これまでの発行部数は累計31万部超となりました(※6)。
<取り組み3>
解体工事一括見積もりサービス「クラッソーネ」で優良な工事会社を紹介
「解体を誰に依頼すればよいのかわからない」という空き家所有者には、全国約1,700社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もりWebサービス「クラッソーネ」を活用いただいています。「クラッソーネ」では、一定の審査基準を満たした優良な工事会社を、ニーズに合わせて紹介します。直接解体工事会社の相見積もりを取得できることから、健全な価格競争と中間マージンのカットにより適正な価格で工事を行うことができます。また、着手金保証や完工保証などを組み合わせた「クラッソーネ安心保証パック」が無料で利用できるため、安心して解体工事を行うことが可能です。
(※5)2021年9月1日~2023年5月31日に、「解体費用シミュレーター」「すまいの終活ナビ」にアクセスした件数の累計
(※6)2021年9月1日~2023年5月31日の累計発行部数
■連携自治体からの評価:8割が「空き家の除却促進につながっている」と回答
連携自治体を対象に2023年5月16日~31日の期間でアンケートを行い、34自治体からの回答を得ました。
空き家所有者のニーズに応える3つの取り組みに対し、それぞれの満足度について「とても満足」または「満足」と回答した割合は、「解体費用シミュレーター/すまいの終活ナビ」では82.3%、「空き家処分の進め方を解説するフライヤー」では79.4%、「一括見積もりサービス『クラッソーネ』」では61.7%という結果となりました。
それぞれの取り組みに対し、自治体担当者からは下記のような声が挙がっています。
- シミュレーターとフライヤーを市民や空き家所有者に紹介することで、今後の空き家ことについて考えるきっかけづくりになっている
- フライヤーの活用により、相談者に対して空き家解体の案内をしやすくなった
- 無料の解体費用シミュレーターにより解体工事の相場を把握した状態で、一括見積サービスを活用して納得できる解体事業者を選定することができるため、空き家所有者が解体工事に対して感じている漠然とした不安を取り除くことができたことが良かった
アンケートに回答した連携自治体の8割が「クラッソーネと連携したことで空き家の除却促進につながっている」と回答しており、これは空き家所有者に対する具体的な情報提供が可能となり、行動喚起に繋げられることが評価されているためと考えています。
■自治体連携により空き家除却に至った事例
<フライヤーをきっかけに放置空き家を除却(取り組み2による解体事例)>
埼玉県久喜市の女性は、実家が空き家になり不動産会社へ売却の相談をしていましたが進まず、4年間そのままにしていました。そこへ市から空き家処分の進め方についてのフライヤーが届いて解体工事の補助金があることを知り、空き家除却を検討し始めました。
女性は解体工事の知識がないため不安を抱えていましたが、自治体職員から「クラッソーネよりサポートを受けることができる」と後押しを受け、解体工事を決断しました。クラッソーネからは、解体工事会社の紹介と同時に提携先の不動産会社を紹介し、解体後の土地売却まで支援を行いました。
所有者からは、「解体工事は面倒だと思って空き家を放置していたが、解体工事の流れをフライヤーで確認しながら安心して進められてよかった。」というお声をいただいています。
<一括見積もりサービス「クラッソーネ」で解体費用を抑え、特定空き家の行政代執行を回避(取り組み3による解体事例)>
愛知県南知多町では、「特定空き家」に指定した物件について、相続人に除却するよう勧告していましたが、経済的な理由により未対応となっていました。そこで、自治体の税金により空き家を除却する行政代執行を検討するため、町の指定業者より見積もりを取ったところ、約638万円の解体費用が提示されました。
同物件について、一括見積もりサービス「クラッソーネ」にて再度見積もりを取得したところ、約366万円と約4割近く費用削減ができ、相続人の理解が得られたことで相続人によって解体工事が施工され、行政代執行を回避することができました。
■株式会社クラッソーネ 代表取締役 川口哲平のコメント
深刻化する空き家問題を解消するため、全国60以上の自治体と連携協定を締結し、空き家除却の支援を進められていることを大変嬉しく思います。
これまで事業を行ってきた中で、空き家処分のご相談は年々増加しており、空き家問題の高まりを感じています。また、課題解決のためには、自治体と民間企業がそれぞれの資源を生かして協力することが重要だと考えています。
「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンの実現と、各地域のまちづくりへの貢献のため、引き続き全国の自治体との連携を強化して参ります。
■株式会社クラッソーネについて(会社概要)
本社 :〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅5丁目7番30号 名駅東ビル4F
代表者 :代表取締役CEO 川口 哲平
設立 :2011年4月1日
資本金 :1,552,984,770円(資本準備金含む)
URL :https://www.crassone.co.jp
事業内容:解体工事領域で、全国約1,700社の専門工事会社と施主をマッチングする
一括見積もりWebサービス「クラッソーネ」を運営
【「クラッソーネ」サービス概要】
2020年4月に全国展開した新サービス「クラッソーネ」は、解体工事領域で、全国約1,700社の専門工事会社と施主をマッチングする一括見積もりWebサービスです。これまでに累計12万件以上の問い合わせ実績、累計1万件4,000件以上の工事契約実績(※6)があります。施主に対し工事会社を直接紹介することで、工事会社の多重下請け構造を解消し、施工費のコストダウンにつながることはもちろん、施主の希望条件に合わせて最適な工事会社を紹介します。見積もり内容の相談から工事完了まで運営がサポートし、契約の取り交わしは電子契約を採用しており、全てWeb上で完結できます。施主は工事会社の口コミや工事実績を閲覧でき、着手金保証や完工保証などを組み合わせた「クラッソーネ安心保証パック」(無料)を利用することにより、安心して工事を行うことが可能です。
また、最短1分で解体工事の概算費用を把握できる「解体費用シミュレーター」や、解体工事費用に加えて解体後の土地売却査定価格も同時に算出する「すまいの終活ナビ」も提供しており、これらを利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度・令和4年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に2年連続で採択されています(※7)。本事業を通じて空き家解体の検討を早期化することによって、社会課題である「空き家問題」の解決や、昨今注目を集めている「住まいの終活」の推進に取り組んでいきます。
(※6)旧サービス「くらそうね解体」の実績含む
(※7)2年連続、国交省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」の事業者にクラッソーネが採択(2022年7月20日) https://www.crassone.co.jp/news/release57/