セレマ(シティホール)は多くの方が利用する冠婚葬祭互助会ですが、加入にあたって不安を感じる方も多いようです。
口コミや評判など、実際に利用した方のリアルな生の声を参考にしたうえで、自分に合うかどうか判断したいという方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、セレマに関する口コミや報道を収集し、良い点・悪い点の両面を含めて紹介します。
セレマを利用するメリット・デメリットについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
セレマ(シティホール)の口コミ
セレマは、創業以来60年以上の長きにわたり47万件以上の施行実績をもつ企業ですので、寄せられる口コミには良いものもあれば、残念ながら悪いものもあります。
ここでは、公式サイトに掲載されている「お客様の声」ではなく、外部の口コミサイトなどに寄せられた声を中心に紹介します。
セレマ(シティホール)の良い口コミ
事例①
生前から父が葬儀社の会員として準備していたこともあり、葬儀社のほうで段取りが組まれていたのでスムーズに葬儀が行えました。
生前から葬儀のことも考えた準備はしておくものだと思いました。
コロナ禍であり、家族葬としてできて本当に良かったですし、スタッフの方々の対応もしっかり、かつとても丁寧に対応しただきたいへん親切でした。
葬儀までの料金等々は相場相当で妥当だったと思います。
(父が積み立てていた日々の金額もお手頃なものでした。)
出典:葬儀社の評判
事例②
葬儀に必要なもの、連絡、葬儀の手順、火葬場の予約、届出、マイクロバスの手配、故人が家にいる間の管理、お通夜、お葬式の内容を十分に説明してもらえました。また、葬儀はスムーズに進み、こちらの希望にも色々対応してくれました。
出典:安心葬儀
事例③
スタッフさんの対応がとても良く、設備もしっかりとしていて綺麗でした。
混乱している中での多くの要望、花の種類や数、親族への対応にもきっちりと応えてくださり、安心して見送ることが出来ました。
食事に関してもちょうど良い量で、美味しかったです。
見積もりの時からの追加費用もほとんどなく、満足できる結果でした。
ただ、スタッフさんの対応や施設が整っていた分、ほかの葬儀場よりは少しお高めの料金のように感じました。
出典:葬儀社の評判
セレマ(シティホール)の悪い口コミ
事例①
悪かった点は、最初に来られた営業の方の押し売りです。
向こうも商売なので何かと理由をつけて高い商材を勧めてきます。
不要なものまで付けて提案をしてこられました。
こちらが憔悴しているのをいい事に、いろいろと勧めてくるやり方は気持ちのいいものではありませんでした。
一方良かった点としては、その後の葬儀の進行をしていただく人はまた別の方になり、その方に上記の不満点をお伝えしたところ、キャンセルや無償提供などいろいろと取り計らっていただけました。
出典:葬儀社の評判
事例②
椅子に座るときに大きな音を立てて座る、上から目線、タメ口、遺族への配慮、細かいことと言われるかもしれませんが社会人として不適切な言動、行動で何もかもが不快でした。
祖母が積立をしていたのでここでとなりましたが両親には2度と来たくないと伝え、両親の葬儀も別場所でと伝えました。
あまりお通夜、お葬式の経験がないのでわからないのですがどこもこんなものなのかなと思うとすごく残念です。
出典:google
事例③
一通り葬式が終わった直後に積み立ての勧誘を持ちかけられ、心の整理がついてない時点での勧誘は少し腹が立った。
出典:葬儀社の評判
セレマ(シティホール)に関する報道
近年では、冠婚葬祭互助会の解約手数料が高額な点について、消費者保護の観点から問題視されるケースが増加傾向にあります。
この問題についてはセレマも例外ではなく、適格消費者団体のNPO法人「京都消費者契約ネットワーク」から、セレマ側に有利な積立金の解約金条項の差し止めを求めた訴訟が提起されていました。
その結果、京都地裁では原告側の主張が認められ、解約手数料のうち月掛金の振替費用60円に第1回目を除く月数をかけた金額、及び入金状況通知の作成・送付費用14.27円に契約月数を掛けた金額を超える部分について無効と判断されました。
この判断は大阪高裁でも支持され、無効とされた金額について返還命令が出されています。
この判決に対し双方が上告しましたが、2015年1月22日に最高裁判所により双方の上告が不受理とされたため、大阪高裁の判決が確定しています。
冠婚葬祭互助会の多くは、セレマと同様のシステムを採用していたため、この裁判の行方には関心が高まっており、メディアでも大きく報じられました。
さらに適格消費者団体が介在した裁判である点も、注目された要因の1つだったようです。
日本経済新聞『冠婚葬祭積み立て、解約手数料の「無効」確定 業者に返金義務』
週刊ダイヤモンド『大手互助会の裁判敗訴で懸念される解約者の急増』
セレマ(シティホール)の会社概要
【社名】株式会社 セレマ
【設立】昭和34年(1959年)5月
【所在地】京都市中京区西ノ京中御門東町134
【代表者】齋藤秀市
【従業員】900余人(関連企業を含む)
【葬祭施設数】119ヵ所(*あんしん祭典を含む)
- 京都市内:20
- 京都府北部:13
- 京都府南部:12
- 滋賀県内:34
- 大阪府内:3
- 福井県内:2
- 岡山県内:19
- 広島県内:4
- 東京都内:7
- 埼玉県内:2
【事業内容】冠婚葬祭互助会
【公式サイト】https://cerema.co.jp/
セレマ(シティホール)の歴史
セレマの原点は、昭和34年(1959年)5月に初代 齋藤近次郎氏が京都府京都市に設立した「有限会社 京都市冠婚葬祭互助センター」まで遡ります。
その後1967年10月に社名と法人格を「株式会社 京都互助センター」に変更、さらに平成元年7月には現社名である「株式会社 セレマ」に変更しました。
近畿地方や中国地方を中心に葬祭施設を増やしてきたセレマですが、平成31年(2019年)2月には専門葬儀社である「いまそう会館」を傘下に収めています。
近年では葬儀の小規模化・簡素化の流れに対応すべく、家族葬向けの小規模葬祭ホールを相次いで開業しているようです。
セレマ(シティホール)に関する数字(財務状況など)
会員状況及び施行件数
- 会員口数:96万5,226口
- 前受金残高:1,079億6百万円
- 葬儀施行件数:20,762件
貸借対照表(令和4年7月期)
- 資産合計:1,666億1千万円(前年同期比+4.46%)
- 負債合計:1,069億8千7百万円(前年同期比+1.79%)
- 純資産:596億2千2百万円(前年同期比+9.60%)
- 利益剰余金:595億2千1百万円(前年同期比+9.62%)
- 自己資本比率:35.79%(前年同期比+1.68%)
損益計算書(令和4年7月期)
- 売上高:320億5千6百万円(前年同期比+14.33%)
- 営業利益:56億4千万円(前年同期比+67.11%)
- 経常利益:62億4千6百万円(前年同期比+43.75%)
- 当期純利益:52億2千2百万円(前年同期比+87.37%)
セレマ(シティホール)の葬儀プランと費用
セレマは、近畿地方をはじめ北陸・中国・関東で事業を展開していますが、エリアによって利用できるプランが異なるようです。
各エリアごとの葬儀プランを紹介します。
京都府全域・滋賀県全域・大阪府一部・福井県一部・兵庫県一部
岡山県
東京・埼玉(あんしん祭典)
セレマ(シティホール)を利用するメリット・デメリット
冠婚葬祭互助会を含む葬祭事業者はサービス業ですので、他社との差別化を図るべく独自のサービスを打ち出しています。
しかし葬儀に求めるものは人それぞれ異なりますので、各葬儀社が提供するサービスについても好みが分かれるのも当然でしょう。
セレマが提供するサービスについて、口コミからみた利用者側のメリット・デメリットを解説します。
メリット
セレマに関する口コミには、現場スタッフの対応力の高さを評価する声が多くみられました。
加えて葬祭施設の設備が充実している点をあげ、他社よりやや割高ではあるものの、費用に納得感があり満足という方が多い印象です。
- 大規模な葬儀にも対応可能
- 葬祭施設の設備が充実している
- 葬儀に関する経験と知識が豊富で対応力がある
- 知名度が高く安心感がある
- 利用できる葬祭施設が多い
デメリット
セレマに関する口コミを精査していくと、式場ごとのスタッフ教育レベルに差がある印象を受けました。
丁寧で細やかな心配りに感謝する声が大半を占める式場がある一方、辛辣な非難の声が寄せられている式場もいくつかみられます。
個々のスタッフの力量差が、式場全体の評判を左右する様子がうかがえました。
- 葬儀費用がやや高め
- 互助会の積立金だけでは葬儀費用をまかなえない
- 互助会への勧誘がしつこい
- 従業員の教育レベルにバラつきがある
- 積立金の解約手続きが面倒
- 解約手数料が不満
まとめ
今回はメディアの報道や財務状況に関する数字、口コミサイトなどに寄せられた口コミをもとに、大手冠婚葬祭互助会のセレマについて紹介しました。
利用者から見たメリット・デメリットについても、ご理解いただけたかと思います。
今回の調査を通じて感じたのは、葬儀業界における人員確保と人材育成の難しさです。
セレマは60年以上にわたって葬祭サービスを提供し続けている大手冠婚葬祭互助会ですが、それだけの歴史をもつ企業であっても従業員の教育レベルを一定に保つのは困難なようで、式場ごとに評価が分かれる傾向がみられました。
しかし葬儀に関する満足度が高ければ、費用が他社に比べて高額であっても、納得感が得られる点にも注目すべきでしょう。
こういった点を考慮すると、今後の葬儀業界において、従業員教育をどれだけ拡充できるかが、業績を大きく左右しそうな印象です。