2025年4月4日に会員である終活カウンセラーに向けて、終活カウンセラー協会ホームページおよび、メールにて終活カウンセラー協会代表理事・理事の解任と新代表理事・新理事の就任が発表されました。
多数のメディアで活躍し、終活カウンセラー協会の生みの親である代表理事の武藤頼胡氏が解任され、同協会の体制は、どのように変わっていくのでしょうか。
終活カウンセラー協会の現状を追ってみました。
終活カウンセラー協会が代表理事、理事を変更を発表

終活カウンセラー協会から発表された解任および就任の詳細は、以下の通りです。
- 新代表理事:木村 光希
- 前代表理事:武藤 頼胡
- 新任理事:佐々木 将一
- 退任理事:賀集 一弥
代表理事および理事の交代について、終活カウンセラー協会のホームページ上では、以下のように掲載されています。
この度、2025年3月14日付で代表理事である武藤頼胡と理事である賀集一弥の解任を決議いたしました。
これに伴い、同日付で木村 光希が新たな代表理事に就任、佐々木 将ーが新たに理事に就任いたしました。
協会は、武藤氏の要望により2023年3月1日付の武藤氏、リンテアライン株式会社、木村光希、ディパーチャーズ・ジャパン株式会社間の事業承継契約により(承継対価は非公開とさせていただきます)、社員を木村 光希、ディパーチャーズ・ジャパン株式会社へ変更しておりました。その上で代表理事は武藤氏の体制のまま、事務局を株式会社おくりびとアカデミーに委託する形で運営を継続してまいりました。
しかし、スタッフ一人ひとりが健やかに働ける環境を維持することが必要なところ、そのフォローを現在の体制のまま続けることは決して容易ではありませんでした。
そこで、当初武藤氏に対しては、解任ではなく円満な形で辞任することを求め、条件について協議しておりましたが、合意での調整が難しいと判断し、解任の運びとなりました。
今回の決定は、会員の皆様、ならびに一般生活者のより良い終活に関する意識の醸成を、持続的により良い形で行うための判断となります。
何より、運営上の観点から安定した基盤を築くこと、全体の運営効率を上げることは重要なテーマであり、特定の会員層に偏ることなく、協会全体の運営方針を見直すことが求められています。コロナ禍を経て、外部環境の変化へより素早く対応し、より迅速な意思決定・行動を可能とする組織体制を確立することも、今後の持続的な成長に欠かせない要素となります。
こうした観点から組織全体の負担軽減と円滑な運営を図るためにも、速やかな体制変更が不可欠であると判断いたしました。
これまで多くの方々と築き上げてきた良さを大切にしながら、改善や反省を踏まえ、さらなる向上を早期に進めて参ります。
皆様にはご理解とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
具体的な内容には言及していませんが、なんらかの事情があったことが伺い知ることができます。
なお、就任していた期間については不明ですが、元理事の賀集一弥氏は、副代表理事という立場を担っていたようです。
終活カウンセラー協会とは?

終活カウンセラーは、終活関連の資格では、非常に認知度の高い資格なので、ご承知の方も多いと思います。
まずは、終活カウンセラー協会の活動について確認してみましょう。
終活カウンセラー協会は、終活の普及を図り、高齢者が安心安全に過ごせる社会を目指し、活動している団体です。終活に関する講座やセミナーを開催しているほか、終活カウンセラーの資格認定を行っています。
現在、終活カウンセラー協会で認定しているのは、次の3つの資格です。
- 1級 終活カウンセラー
- 2級 終活カウンセラー
- 終活カウンセラー協会認定講師
所属している終活カウンセラーの人数は明確になっていませんが、受講生は25,000名を超えているとホームページに掲載されています。(2025年4月現在)
| 名称 | 一般社団法人 終活カウンセラー協会 |
| 代表理事 | 木村光希 |
| 設立 | 平成23年7月12日 |
| 所在地 | 入船事務所 〒104-0042 東京都中央区入船3-7-7 ウィンド入船ビル6F |
| 事業名 | 終焉活動(終活)に関する事柄の知識を得るための講座を開催する。講座の後に実施する試験に合格した者には、レベルに応じた認定資格を与える。 |
| 公式サイト | https://www.shukatsu-csl.jp/ |
| 運営 | 株式会社おくりびとアカデミー |
終活カウンセラー協会の運営の変更
2011年の東日本大震災をきっかけに、元代表理事の武藤頼胡氏が立ち上げたのが終活カウンセラー協会です。
2023年3月1日に、それまで運営を行っていたリンテアライン株式会社(代表取締役社長 武藤頼胡)から、ディパーチャーズ・ジャパン株式会社(代表取締役 木村光希)へ終活カウンセラー協会の事業譲渡が行われました。
なお、事務局は、株式会社おくりびとアカデミー(代表取締役 木村光希)に委託されています。
| 会社名 | ディパーチャーズ・ジャパン株式会社 |
| 代表取締役 | 木村光希 |
| 設立 | 平成27年10月19日 |
| 所在地 | 〒104-0042 東京都中央区入船3丁目7-7 ウィンド入船6F |
| 事業内容 | 葬祭事業 スクール事業 |
| 公式サイト | https://departures-japan.com/ |
| 会社名 | リンテアライン株式会社 |
| 代表取締役 | 武藤頼胡 |
| 設立 | 2013年1月23日 |
| 所在地 | 〒142-0064 東京都品川区旗の台4-2-5 ホープイン旗の台2B |
| 事業内容 | コンサルティング事業、セミナー・講演事業、研修教育事業、事前契約葬儀、 終活相談室運営(あいほーむ、ピオニー)、終活Labo運営、そなえるお葬式運営 |
| 公式サイト | https://rintealign.com/ |
新たな代表理事として木村光希氏が就任

新たな代表理事として就任したのは、木村光希氏です。
納棺師であり、ディパーチャーズ・ジャパン株式会社および、株式会社おくりびとアカデミーの代表取締役でもあります。
大学在学中には、納棺師の会社に所属していたとのことです。
木村氏の経歴を簡単にまとめました。
【経歴】
2013年、株式会社おくりびとアカデミーを設立
同年 一般社団法人日本納棺師技能協会を設立(代表理事に就任)
2015年、ディパーチャーズ・ジャパン株式会社を設立
同年 納棺師による葬儀のブランド「おくりびとのお葬式」を立ち上げる
※「おくりびとのお葬式」は、11店舗を展開(2024年11月現在)
出典:おくりびとアカデミーHPを参考に作成
木村氏は、メディアへの露出が多く、非常に発信力が高い人物であることを伺い知ることができます。

まとめ
本記事では、2025年4月4日に発表された終活カウンセラー協会代表理事・理事の解任と新代表理事・新理事の就任についてまとめました。
今のところ代表理事、理事の交代以外の大きな変化はみられません。しかし、終活カウンセラー協会が発表した文章からは、新たな展開を示唆しているようにも感じとれます。
終活カウンセラーは、終活業界の中でも、特に知名度が高い資格です。生みの親である武藤頼胡氏の解任により、新体制となった終活カウンセラー協会がどう変化していくのか。葬研では、引き続きその動きに注目していきたいと思います。


