2024年元旦に起きた能登半島大地震では、能登七尾の文化遺産でもある「山の寺寺院群」も大きな被害に遭いました。
今でも倒壊した下に埋もれた文化財などは未だ手付かずのまま残っています。
そこで被災した文化遺産や山の寺寺院群をクラウドファンディングで復興させるプロジェクトを開始しました。
能登半島大地震で被災した文化遺産、山の寺寺院群をクラウドファンディングで復興させるプロジェクト。前田利家、長谷川等伯が深く関わる、貴重な文化遺産を保有する寺院を未来の子供達に残したい。
一般社団法人 里山創建
復興プロジェクト開始の経緯
今年元旦。家族との団欒をどん底に突き落とした能登半島大地震。
能登七尾の文化遺産でもある一箇所に多くの寺院が集まる「山の寺寺院群」も大きな被害に遭いました。
長い歴史とともに語り伝えられた逸話や前田家とのつながりが深い文化財、長谷川等伯の重要文化遺産などが残る寺院も大半が倒壊。
半年以上たった今でも倒壊した下に埋もれた文化財などは未だ手付かずのまま残っています。
被災後半年以上経過してもまだ倒壊したままの状況であり、多くのボランティアの方々が廃材の回収や片付けを手伝ってくれました。しかし、復興にはまだ長い道のりが待っています。
宗教法人は国からの補助金はおりず、寄付をいただいている檀家さんも被災者であり大きな被害を受けています。多くの寺院が同じ理由で復旧に足止めがかかっている状況です。
これらの寺院は家族やご先祖様の守りであり、能登を代表する観光地としても重要です。そのため、全国の皆さんのご協力をお願いし、このプロジェクトを立ち上げました。クラウドファンディングのページでは、地震前の山の寺寺院群の様子や被害額などの情報を掲載しています。
被害額30億円の山の寺寺院群の現状
曹洞宗「長齢寺」は前田利家が能登で建立した唯一の寺院。前田家初期の人物の墳墓、供養塔、肖像画などが多く残っていますが、供養等や墓跡は手がつけられないほどの荒れた状態です。
日蓮宗「長壽寺」では毎年除夜の鐘をつくために多くの方が集まる七尾市指定有形文化財の貴重な釣鐘堂は全壊。土台と鐘しか残っていない状況です。
浄土宗「西念寺」は本堂が全壊。山門しか残っていません。
日蓮宗「妙圀寺」は墓地の竿石(さおいし)はことごとく倒れ、境内には大きな地割れができ、庫裏は屋根瓦が剝がれ、壁やガラスが崩れ落ちています。
また住職の家族も大きな精神的なストレスで笑顔が消えていったといいます。
檀家さんやみなさんが集まれる場所が再び修復できたら自然と笑顔が戻るでしょう。
前田利家が城を守ることを目的に移転させた戦略としての背景
織田信長の指示により越前国府中城10万石の領主から能登一国の国主となった前田利家は1581年(天正9年)、七尾城に入城した。
しかし七尾城は防御上は利点があったが港から離れていて治世・経済上の利便性に難があった。そこで利家は七尾港に近い所に平山城を築くことを決定し七尾城から移り住んだ。
1582年(天正10年)に小丸山城を築城。河川と海が堀の役割を果たし、能登水軍の本部の役割も成していた。利家は、さらに周囲に29の寺院(山の寺寺院群)を建立し、能登半島方面からの敵襲の守りを補った。
幼い頃から長谷川等伯とともに過ごした寺院
長谷川等伯は、石川県七尾市に生まれ、染物業を営む長谷川家の養子となりました。
雪舟系画人の等春に学んだとされる養父に画技の手ほどきを受け、北陸地方を中心に日蓮宗関連の仏画や肖像画を主に制作していたとのこと。
本人も日蓮宗の熱狂的な信者であり若い頃の等伯はこの山寺と共に過ごし、仏画を残したのではないでしょうか。
晩年は千利休とも交流があり、のちに豊富秀吉の依頼で障壁画を描くことになります。
前田利家とも関連が深いですが、数多くの日本を代表する絵師として活躍する長谷川等伯の作品が多く残るのもこの山の寺寺院群の特徴です。
・日蓮宗 實相寺には日蓮聖人像(七尾市指定有形文化財)
・曹洞宗 龍門寺には達磨図(石川県指定有形文化財)
・日蓮宗 本延寺には日蓮聖人坐像(七尾市して有形文化財)
・等伯のおじいさん長谷川無分の涅槃図(石川県指定有形文化財)が長壽寺に。
・長谷川派の長谷川等誉の涅槃図が日蓮宗 成蓮寺に保管されています。
能登で育った仲間たちが復興チームを結成
能登の宝「山の寺寺院群」を救うため復興プロジェクトとして地元のを集めクラウドファンディングを立ち上げました。
「400年の歴史ある能登の宝を未来の子供達へ」
このプロジェクトにはデザイナーやボランティア団体代表など、地元の仲間が集まりました。被災者でもある彼らは、能登の未来を守るために全力を尽くしています。
能登七尾の山の寺寺院群の復興には、皆さんのお力が必要です。ぜひ、このクラウドファンディングにご支援いただき、被災したお寺の再興に協力してください。すべてのご支援金は復興事業に充てられます。能登の重要な文化財と観光資産を守り、次世代につなげるために、みなさんのご協力をお願いいたします。
返礼品も能登の特産を使用し能登の復興へ後押し
復興のための返礼品は、能登の特産品を使用することにしました。これにより、能登の地域産業も支援し、地域全体の復興を目指します。
参加に協力していただいた七尾市の高澤ろうそくさんや輪島塗の輪島塗 ぬり工房 楽さん、ふくべ鍛冶さん。七尾市の和菓子屋さんには本当感謝いたします。職人さんの手で一つ一つ手作りしますのでお届けが少し遅れるかもしれませんが必ずお礼と共にお送りいたします。
改めて能登には素晴らしい産業と職人の技術があったんだと再認識いたしました。
また、この度大阪より各お寺に修理などのアドバイスをしていただいた現代の名工、川瀬龍覚さんも古来よりの特殊な技法でお守りを製作していただけることになりました。川瀬さんは「黄綬褒章」を授賞、日本最古の社寺建築で知られる金剛組の元棟梁であり現在、寺社技術研究所の会長を務めています。
山の寺寺院群道交会会長のあいさつ
日蓮宗 長壽寺 山の寺寺院群道交会会長 高木 繁徳
山の寺寺院群の一つ、長寿寺の住職であり寺院群の会長を務めさせていただいてます、高木繁徳と申します。この度、能登伝統の寺院群の各お寺を復興させ、未来への繁栄を願い、みなさんのお力を借りて重要文化財などの多くの寺宝を保有する寺院群を守っていければと思います。
私もそうですが他のお寺でもそれぞれ家族がいて子供がおります。
400年続いた歴史をこれからの子供、孫にも繋げるのが私の勤めだと感じています。どうか、みなさんのお力をお貸しください。
浄土宗 常通寺 道交会副会長 高僧 英順
山の寺寺院群復興は私たちの心の復興でもあります。被災地の寺院が再びその美しい姿を取り戻し、人々の平穏な心を育てる場となることを願っています。
痛みとともに喜びも分かち合える寺院になるために、皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。共に歩みを進め、被災地の復興を支える力となりましょう。
真言宗 妙観院 道交会副会長 北原 隆義
山の寺寺院群は歴史と文化の宝であり、地域社会の絆を育む大切な存在です。被災地の寺院が復興することは、地域の再生と希望を象徴するものとなるでしょう。私たちは、仏様の支えを受けて日々の生活を送っています。今度は私たちが寺院を支える番です。皆様の温かいご支援をお待ちしております。共に能登の復興に貢献し、寺院の輝きを取り戻しましょう。
能登七尾の「山の寺寺院群」の復興には、皆様のお力が不可欠です。ぜひこのクラウドファンディングにご支援いただき、被災したお寺の再興にご協力ください。ご支援は全額復興事業に充てられます。
このままでは日本の重要な文化財と共に能登への観光資産を失うでしょう。
一人ひとりのご協力が、能登の子供達の未来に繋がり、被災者の希望を取り戻す大きな力になります。どうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 里山創建
石川県七尾市で被災地でのボランティア活動、建物の回収、解体など行なっています。
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