ご逝去後のご遺体は、時間の経過とともに状態が変化します。火葬を前提とする日本の葬送では、ご逝去から火葬までに一定の安置期間が生じるため、その間にお体を安全かつ丁寧に保全することは、葬儀社にとって重要な実務課題です。
「墓地、埋葬等に関する法律」第3条では、埋葬・火葬は原則として死亡または死産後24時間を経過した後でなければ行えないと定められています。
実際には、火葬場の予約状況や搬送距離、ご家族の都合、宗教儀礼の有無などにより、安置期間が数日から一週間程度に及ぶケースもあります。
ご遺体の保全ではドライアイス等による保冷が広く用いられていますが、保冷だけで臭気や感染リスク、安置空間の衛生管理まですべて対応できるわけではありません。
そのため、ドライアイスを補完する資材として、消臭剤・除菌剤の重要性が高まっています。
本記事では、消臭剤・除菌剤が求められる背景や主な製品タイプ、選定時のポイントを整理し、ご遺体保全や空間衛生管理に関わる製品を扱う主要メーカー9社を紹介します。
目次
- 消臭剤・除菌剤が必要とされる背景
- ご遺体の腐敗臭と衛生リスク
- 消臭剤・除菌剤の主な種類
- 主要メーカー9社の特徴
- 1. 株式会社ビー・ハウス|ご遺体保全剤「DOMS」で、除菌・消臭・遅腐に対応
- 2. 株式会社TAMOTSU|多孔質炭素セラミックによる棺内保全
- 3. サンエネルギー株式会社|粉体加工技術を活かした棺内向けの本格脱臭対策
- 4. イワタ株式会社|PHMB配合の除菌消臭剤で体表処置から空間管理まで対応
- 5. フェニックス・ライフ株式会社|安置期間や状態に応じて選べる除菌消臭剤
- 6. ツインズ株式会社|体内ガスや死臭対策に着目した、バイオ系消臭技術
- 7. 株式会社みらい|安定化二酸化塩素で、棺内・空間・器具まで幅広く対応
- 8. 株式会社オリエンタルジャパン|オゾンを活用した空間の除菌脱臭
- 9. 三協エアテック株式会社|施設全体の臭気管理に対応する、オゾン環境機器
- 主要9社の比較一覧
- 消臭剤・除菌剤を選ぶ際のポイント
- ①使用シーンと対象範囲を明確にする
- ②安置期間と持続性を確認する
- ③成分と安全性を比較する
- ④ドライアイスとの併用を前提に考える
- ⑤スタッフが迷わず使える運用にする
- まとめ~保冷だけに頼らない、これからのご遺体保全と空間衛生~
消臭剤・除菌剤が必要とされる背景

ご遺体の腐敗臭と衛生リスク
