年間死者数が2040年にピークを迎えるといわれている日本では、多死社会に向けて葬儀業界への参入が相次いでいるとされていますが、登録制度などがないため実数の把握はできていません。葬儀業界から悪質な事業者を排除するためにも、何らかの規制が必要なのかもしれません。
産経新聞グループの調査会社、産経リサーチ&データは、全国1258の葬儀社が加盟する「全日本葬祭業協同組合連合会」(所在:東京都港区、以下、全葬連)と共同で、「お葬式に関する意識調査」を実施しました。本調査はインターネット上で、20歳以上の男女を対象に実施。一般の方の葬儀や葬儀社に対する意識などについて、1951人から回答を得ました。調査の結果、葬儀を依頼する際に多くの人が「価格の明瞭さ」を重要だと考えていることや、最近事業者が増えている、電話やWEBだけを介した「葬儀仲介サービス」のイメージとして「トラブルが心配」を挙げた人が約半数もいることが分かりました。また、現在、行政による「認可」「届け出」が必要なく、誰もが開業することができる葬祭事業について「法整備が必要」と考える人が7割もいることも分かりました。
■喪主・遺族として葬儀社へ依頼する際に重要だと思う事:調査結果 「価格の明瞭さ」83.6%
あなたが喪主・遺族として、あなたのご家族または親族のお葬式を葬儀社へ依頼する際に、重要だと思う事を聞いたところ(複数回答)、「価格の明瞭さ」(83.6%)、「見積書、請求書の提示」(61.9%)、「お葬式の事前相談」(52.4%)の順となりました。
■葬儀仲介サービスのイメージ:調査結果 「トラブルが心配」が約5割
葬儀仲介サービスについてのイメージを聞いたところ(複数回答)、「トラブルが心配」が51.0%。次いで、「ネットや電話だけだと不安」(44.7%)、「仲介手数料分の価格が高い」(37.6%)となりました。
■葬儀業界への法整備の必要性:調査結果 「必要」が約7割
葬儀業界に法整備が必要か不必要か聞いたところ、「必要」と回答した人は72.8%、「不必要」と回答した人は4.7%でした。
全データは、全葬連のホームページ( https://www.zensoren.or.jp/ )でご覧いただけます。
【コメント】全葬連専務理事 松本勇輝
・「明瞭な価格」「見積提示」といった点でのトラブル回避のためには、葬儀社の見極めが大切になります。さらに、最近増えている仲介業者を利用する場合には、喪主と施行葬儀社との間の意思疎通が難しくなりがちになることも頭に入れておく必要があります。業者選びを冷静にするためにも、葬儀の「事前相談」をすることをお勧めしていす。
・例えば、新型コロナ禍で国がまとめた「葬儀等のガイドライン」ひとつとっても、全葬連のような業界団体に加盟していない葬儀社には、ガイドライン伝達ルートが存在しないという問題が表面化しました。喪主や遺族、参列者の方に、葬儀をめぐる被害や不利益が出ないようにするためにも、葬儀事業者の「登録」「届け出」といった法整備は必要だと考えています。
【調査概要】
調査名:お葬式に関する意識調査
調査対象:20歳以上の男女 有効回答 1951人 地域/全国
調査期間:2022年2月15日~2月28日
調査方法:インターネット調査
【本件に関するお問合せ】
■全日本葬祭業協同組合連合会
〒108-0075 東京都港区港南2丁目4番12号 港南YKビル4階
TEL:03-5769-8701
■全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)
経済産業大臣認可の団体で全国57組合1258社が加盟しています。葬祭業界では最大の団体となります。技術の向上、明瞭な価格システムの確立・普及、ご喪家にご満足いただける葬儀実践の指導を通じ、儀礼文化の健全な発展に貢献しています。