2019年8月エンディング産業展最新展示作、孤独死はひとごとと決して感じないでほしい。
株式会社ToDo-Company
故人の遺品整理から孤独死があった部屋の清掃までを専門とする、株式会社ToDo-Company:遺品整理クリーンサービス(本社:東京都板橋区、代表取締役:増田祐次)では、同社のスタッフが作成した孤独死のあった部屋のミニチュア や、小島美羽(こじまみゆ)が複合的に現場を再現したミニチュアの作成展示や、孤独死・ゴミ屋敷のミニチュアの著書『時が止まった部屋~遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし~』を発売いたしました。
■結論:ミニチュアで孤独死の壮絶さを伝えたい想い
「病院よりも最後は家で死にたい」延命治療で痛い思いをして生きながらえるよりも家でポックリ逝って早く発見されたいという方が少なくありません。
年間720件以上の遺品整理や孤独死の現場を第一線で清掃してきて感じることは、「人はいつ亡くなるかわからない」ということ。
自分たちはそのような立場に立つことはないと思っていても、「まさか、自分たちが当事者」になってしまうということは現実的に増えてきています。
遺族と大家の間に入って色々なトラブルを目撃してきた遺品整理人から思うことは、
孤独死は早期発見、早期通報が遺族側・大家側にとってとても大切なことだということを伝えていきたい。
■2019年、第5回エンディング産業展で展示しました。
2019年8月20日〜22日までの3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われた葬祭業の展示会エンディング産業展において遺品整理クリーンサービスはブース内にミニチュアを展示し、来場者の方に孤独死の現状を知っていただくため、ブースには賛否ある言葉が飛び交い今まで言葉は知っていたけれど実際の部屋や写真は見られないからミニチュアでこうやってみるととても参考になると興味を示していました。
■ネットで大きな話題となる
記事にしていただいた記者さんには感謝しています。孤独死の現状に興味を持ちなかなか記事として発信できないことが多い中、世の中に伝えたいという思いで伝えてくださっている記者がいます。
2017年8月27日 With News 信原一貴
2018年8月22日 ねとらぼ 青柳美帆子
2019年8月21日 BuzzFeed Japan
■小島美羽の最新作3展
【トイレでのヒートショック】
2017年に制作したヒートショックによるお風呂での孤独死について知ってもらうために作りましたが同じく、ヒートショックによるトイレでの孤独死も多いことから2019年にトイレでのヒートショックのミニチュアを制作。
これらのミニチュアはヒートショックの予防や、ヒートショックにならないための工夫をしましょうという意味がこめられています。
お風呂は、
脱衣所にはヒーターなどの暖房器具を置いたり、浴槽はシャワーのお湯を出して浴槽内を温めておく。
湯船の温度は40度以上にせず、長湯しないなど。
トイレでは、
廊下に暖房器具を設置したり、スリッパを履く。
トイレの便座にはカバーをしたり、暖房便座を活用する。
小型の暖房器具を置くなどを呼びかけている。
これらに込められているメッセージは
「急激な温度差が出ないようにしましょう。」ということです。
これだけでもヒートショックで亡くなるリスクが低くなるのではないでしょうか。
寿命と違い、ヒートショックで亡くなった方は本来ここでなくならなくてもよかった命。
予防や工夫をしていればもしかしたらお盆やお正月に親類に会えていたかもしれません。
そんな思いから作られたのが「トイレのミニチュア」だったのです。
【お金持ちの人の孤独死】
かなりの大勢の方が「お金持ちは孤独死しない」と思っている方が多いことを知り、このミニチュアを作りました。
モデルは政治活動をされていた方の心臓発作による突然死です。
発見までに1ヶ月を要した。
発見が遅れた理由は
部屋に防音対策がされていることが多く、密閉度が高い。
しかしこうした設備が整っているからこそ、発見が遅れてしまう。
密閉度が高いため、本来死臭の臭いや虫で発見されていたのが発見されにくく、結果的に発見されるのに何ヶ月もたってしまっているのだ。
これのミニチュアで伝えたいことは
「どんな偉い人でも、有名な人でも死は誰にでも平等にやってくる」です。
だから「私は大丈夫」「私には関係ない」とは思わないでほしい。
【ペットの多数飼での孤独死】
このミニチュアを作ったきっかけはあまりにも遺族が残された動物に対し、殺処分を依頼してくることから、命を甘んじているのではないか?命についてもっとちゃんと考えてもらいたいとの思いで制作したもの。
飼えない理由があるのは分かるし、しょうがないとも思いますが、自分たちで飼うことも、新しい飼い主を見つけることもせず、一言目から殺処分、保健所に持って行ってくれとはいかがなものか。
どんなに極限状態を生き抜いても最後は全て人間の手にかかっています。
飼う側も動物が可愛いのも分かるし、寂しいから飼うのも理解できますが、もし自分が飼えない状況になったらどうするか、飼う前に考えてから飼ってほしい。といような思いが込められています。
■出展したときの反応・結果など
最初はただ精密に作られたミニチュアを見て、ただ困惑している方が多い印象でしたが1つ1つに伝えたいテーマがあること、ひとごとではなく自分にも起こりうることなどを来場者の方に説明し、実際に日本で起こっている現実に目を向けていただいたことにより、「自分も孤独死するかもしれない」「ひとごとではない」とのお言葉を頂きました。少なくとも来場者の方たちには当事者意識を持ってもらえたのではないかと思います。
■今後の展開
ミニチュアを展示するようになって福祉の方や医療の方が注目してくれるようになりました。直接意見交換したり福祉の特集に取り上げていただけたりして少しでも役に立てて良かったと思っています。
福祉のひろば 高倉弘士
http://www.sosyaken.jp/hiroba/products/detail.php?product_id=283
しかし、私たちが発信できることは限られていてほんの少数の人たちにしか伝わっていない実感があります。孤独死という文字は知っているけれど実際のところどのような部屋になっているのかはミニチュアを通して伝えていくしかありません。
それらの原因や人間関係、環境、様々な要因をミニチュアを使って見て聞いて、自分のできることなどを改めて見直してもらえる機会になればいいなと思っております。
また、孤独死を考える講演などの依頼もあれば社会貢献したいと思っています。
■遺品整理人の思いが詰まった本を発売しました。
著者 小島 美羽 著
ジャンル 政治経済・社会問題 > ノンフィクション
出版年月日 2019/08/20
ISBN 9784562056804
判型・ページ数 B6・144ページ
購入ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4562056800/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_2GHxDbBB4H60Z
この本は若い層から年配の方まで全ての方に読んでもらいたい。
若いから孤独死しないとは限らない。
実際に見てきたものがそうだったから。
決してひとごととは思わないでほしいのです。
自分は残された遺族側になるのか、それとも孤独死した側になるのかは誰にもわかりません。
どちらの立場になっても悔いが残らないように生きてほしい。
この本を読んで、当たり前の日々が当たり前ではないと思ってもらえるようなきっかけになればと思います。
■遺品整理クリーンサービスの思い:孤独死は悪いことではない
私たちが孤独死を自宅死と呼んでいるワケは、故人が決してコミュニケーションが取れていなかったわけではない。孤独死という言葉は孤独な人が死ぬという感じかたがありとても悲しいイメージがある。
そんな言葉を言われた「遺族の気持ちになってほしい」、月に一度連絡をとっていても孤独死と断定されてしまうのであれば遺族はどれほどの悲しみを背負うでしょうか。
遠方でそんなに行き来がなかったとして急な発作で最後を迎えてしまうことも少なくない。
遠方の家族に変わり発見できるのは近所しかいないということを考えていただきたいと思っています。
公式ページ 遺品整理クリーンサービス https://www.shobunya.com