アイリックコーポレーション
・全体の23.7%、女性の3人に1人にあたる32.7%は「配偶者と同じお墓に入りたくない」と回答しました。(Q1)・「配偶者と同じお墓に入りたい」人は、その準備がなくどんなお墓に入るかも決めていない人が半数近くを占めました。また、配偶者と同じお墓を予約・購入した人は、予約・購入予定の人の想定よりも、実際のお墓の金額が平均で約76万円高いことが分かりました。(Q2,3)
・「配偶者とお墓に入りたくない」人は、誰と入りたいと思っているのかを聞くと、半数以上が「お墓への埋葬を希望しない」ことが分かりました。(Q4)
・「配偶者とお墓に入りたくない」さらに「お墓への埋葬を希望しない」と回答した人は、その80%以上が散骨を希望していました。(Q6)
・全体の6人に1人は「お墓を託せる人がいない」と回答しました。(Q7)
・希望するお葬式の形態は、「家族葬」「直葬」「一般葬」の順となりました。(Q8)
・「精進落とし」「白木位牌(仮位牌)」「戒名」「お勤め・法要・法事」「香典・香典返し」は半数以上の人が省略してもいいと思っている事が分かりました。(Q10)
・お墓の希望を家族に伝える、エンディングノートを書くなど、準備や意思表示を「何もしていない」人が90%以上を占めました。(Q11)
■調査結果詳細
Q1.配偶者と同じお墓に入りたいですか。その理由は何ですか。
妻の3人に1人は夫と同じお墓に入りたくない
40歳から60歳の既婚者600名に、配偶者と同じお墓に入りたいかを聞いてみました。
全体では76.3%が「入りたい」、23.7%が「入りたくない」と回答しました。男女別の回答を見ると、女性の約3名に1名は「入りたくない」と回答し、男性の倍以上となりました。
Q2.お墓は準備していますか。どんなお墓に入りたいですか。
配偶者と一緒に入るお墓までは考えていない
Q1で「配偶者と同じお墓に入りたい」と回答した458名に、お墓の準備をしているかについて聞きました。
「先祖代々のお墓に入る」と回答した人が約40%近くいました。それを上回るのが「考えていない」という人で、配偶者と一緒に入るつもりだがその先は定かではない、という人が半数近くに上ることが分かりました。
Q3.お墓はいくらかかりましたか。これからの方はいくらを想定していますか。
購入予定の人は、安く見積もりがち!?
Q2で、「配偶者と入るお墓を予約・購入した」または「する予定」と回答した人に、その金額を聞いてみました。
実際に予約や購入をした人の中では「200万円」、これから予定している人の中では「100万円」が最も多かった回答で、平均でも約76万円の開きがありました。
Q4.誰とお墓に入りたいですか。(いくつでも)
女性は配偶者ではなく子どもと入りたい!
Q1で「配偶者と同じお墓に入りたくない」と回答した142名に、誰とお墓に入りたいかを聞いてみました。
「お墓への埋葬を希望しない」と回答した人は、男性で約70%、女性で約50%を占めました。一緒に入る相手については、自分の先祖や両親など、直系血族と一緒に入る事を望む人が多く、女性では、男性には見られない「子どもと入りたい」という回答が約8%を占めました。
Q5.どんなお墓を希望しますか。
ひとりで入るには、タワー墓地・納骨堂
Q2で「配偶者と入るお墓を予約・購入した(する予定)」と回答した人と、Q4で自分の先祖以外の誰かとお墓に入りたいと回答した105名に、どんなお墓がいいかを聞いてみました。
全体では、霊園や共同墓地を望む人が多く約半数近くを占めました。最近、都心などで増えているタワー墓地や納骨堂を希望する人は、Q2で「配偶者と入るお墓を予約・購入した」と回答した人では0名でしたが、Q4で「自分ひとりで入りたい」と回答した人は約半数にあたる9名が回答していました。
Q6.お墓への埋葬以外では、どんな納骨方法を希望しますか。
配偶者と入らず、散骨してほしい
Q1で「配偶者と同じお墓に入りたくない」と回答し、さらにQ4で「お墓への埋葬を希望しない」と回答した人に、どんな納骨方法を希望するかを聞いてみました。
散骨を希望する人が最も多く67名が回答し、アンケートの対象者全体で見ても10名に1名の割合であることが分かりました。墓石ではなく樹木や花が墓標となり、遺骨を土に還す自然志向の方法として人気を集めている樹木葬は、女性からの支持を集めていました。
Q7.お墓を託せる人はいますか。(いくつでも)
5名に1名はお墓の後継者がいない
600名全員に、お墓を託せる人がいるかを聞いてみると、「いない」と回答した人は約20%となり、5名に1名はお墓があってもその後継者がいないことが分かりました。
また「配偶者」という回答も、男性と女性で開きがある事も特徴的でした。2015年の平均寿命は男性が80.75歳に対して女性が86.99歳と長寿の傾向がある事から、配偶者にお墓を託せると回答する女性が少ないものと推測されます。 (厚生労働省「第22回 完全生命表」、2017年)
Q8.どんなお葬式をしたいですか。
一般葬より、家族葬・直葬
600名全員に、どんなお葬式の形を希望するか聞いてみました。
全体で半数以上を占めたのは家族葬(323名)で、次いで直葬(94名)、一般葬(87名)の順となりました。2015年の調査では、家族葬・一般葬・直葬の順だったことから、より簡素化した葬儀が好まれる傾向にありそうです。
※2015年8月調査 40歳以上の男女各250名
Q9.その葬儀にかかる費用はいくらを想定していますか。
100万円未満の家族葬を想定
Q8の葬儀の方法に対して、どれぐらいの費用を想定しているかを聞いてみました。
最も多くの票を集めた家族葬は、平均で約88.2万円と一般葬より50万円ほど低くなっていました。葬儀の内容が簡素なだけでなく、費用が低額であるイメージも加わって、より多様化したものが選ばれているようです。
Q10.以下の中で省略してもいいと思うものは何ですか。(いくつでも)
1位 精進落とし
2位 白木位牌(仮位牌)
3位 戒名
4位 お勤め・法要・法事
5位 香典・香典返し
半数は「香典・香典返しもいらない!」
600名全員に、葬儀や埋葬に関連して、省略していいと思うものは何か聞いて見ました。
「省略していいものはない」と回答したのは12.8%で、大多数が何か省略できると思うものがある事が分かりました。詳しく見ると、60%(360名)が「精進落とし」、59.0%(354名)が「白木位牌(仮位牌)」、54.2%(325名)が「戒名」と回答し、上位5つの回答は「省略してもいい」と思っている人が半数以上いることが分かりました。
Q11.以下の中で準備をしているものはありますか。(いくつでも)
葬儀の希望は伝えていない
600名全員に、エンディングに関して準備をしていることがあるか聞いてみました。
約90%が何もしていないと回答しており、お墓や埋葬等に希望がある一方で、その準備や意思表示等はなされていませんでした。中には、お葬式プランやお墓の予約・購入をした上で、エンディングノートを書いているという人もいました。