ペット葬儀の業界団体|一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会について解説

東京都獣医師会霊園

ペット葬需要の高まりにともない、ペットの火葬や葬儀・ご供養サービスを提供する事業者も増加傾向にあります。
しかし現時点(2024年9月)の日本において、ペットの火葬や葬儀を規定する法律は存在せず、ペット葬サービスの内容や技術レベルも各事業者ごとに異なるため、いわば玉石混交といった状況です。

大切な家族であるペットを見送る飼い主様が、安心してペット葬サービスを利用するためには、業界全体の健全化が不可欠です。
そのため現在では、ペット葬事業者の資質や技術向上、ならびに業界全体の発展を目指し、複数の業界団体が設立されています。

しかしながら、各団体の運営方針や活動内容について、詳しくご存じない方が多いようです。
そこで本記事では、ペット葬儀における業界団体の1つ「一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会」を取り上げ、詳しく解説いたします。

目次

東京都獣医師会霊園協会の概要

東京都獣医師会霊園協会HP

一般社団法人東京都獣医師会霊園協会は、ペットや学校飼育動物の葬儀、火葬、埋葬、供養を行う団体です。公益社団法人東京都獣医師会と連携し、動物の尊厳を守るための活動を推進しています。

【団体名称】一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会
【所在地】〒140-0004 東京都品川区南品川2丁目7番25号
【設立】2014年4月
【代表者】会長 斎野勝夫
【所属員数】8霊園
【公式ホームページ】https://petreien-a.tokyo/

設立の目的

東京都獣医師会霊園協会の公式ホームページには、協会の設立趣旨について以下のように記載されています。

~人と動物のよりよい共生社会の構築に寄与する~

私たちは、東京都内に動物専用の火葬炉・葬儀場・お墓などを有し管理運営している動物(ペット)霊園で構成する協会です。

この度、公益社団法人東京都獣医師会との協働により『人と動物のより良い共生社会の構築に寄与する』ことを目的に一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会を設立いたしました。

『ペットは家族の一員』という言葉は一般社会に広く受け入れられるようになりました。しかしながら、その『家族』の最期の時をどのように迎えるべきか、また亡くなった後は、どうすれば良いのかは「知らない・わからない」という人がまだ多く存在しているのも事実です。

少子高齢化を迎えたこの日本において、ペットの役割は今後、益々大きくなります。

ここに一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会を設立し、今、私たちができる事は何かを考えながら社会に貢献して参ります。

一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会「協会設立趣旨」

一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会の事業・取り組み

散歩をする犬

一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会の主な活動は以下の通りです。

学校で飼育されている動物の火葬・埋葬・供養

子どもたちに、動物を育てる大切さや命の大切さを教えるため、学校で飼育されていた動物の火葬や供養などを行っています。

野生動物の火葬・埋葬・供養

野生動物が亡くなった場合、東京都獣医師会と協力して、火葬や埋葬、供養をしています。すずめやカラス、タヌキなどが対象です。

災害時の被災動物の火葬・埋葬

大災害が発生した時、被災した動物たちの火葬や埋葬を無料で行います。東日本大震災の際も対応しました。

ペット霊園の啓発活動

ペットを失った人々のために、ペット霊園の存在を広く知らせる活動を行っています。ペットの飼い主に向けて、生前からペットの最期を迎える準備についても啓発しています。
その一環として、東京都獣医師会霊園協会では、ペットが亡くなった際の対応方法を漫画で分かりやすく解説した『ペットが旅立つとき・・・私たちができること』を公開しています。

供養祭の開催

ペットを亡くした飼い主の心を癒すため、各霊園で動物の供養祭を開催しています。
これらの活動を通じて、動物の命の大切さを伝え、公衆衛生の維持にも貢献しています。

供養式には、月に一度、各霊園で行われる合同供養祭と、お彼岸やお盆に行う大法要の2種類があります。また、四十九日や一周忌などの個別の供養の依頼も可能です。

埋葬した犬の寿命調査

これから犬を飼う人や、現在飼っている犬の平均寿命が気になる方のために犬の寿命を調査しています。

東京都獣医師会霊園協会に所属する8霊園が、東京都獣医師会の協力を得て、平成24年1月から平成27年3月までに火葬・埋葬された犬のデータを調査しました。
対象は、1歳未満で亡くなった犬や少数の犬種を除いた13,516頭の犬(55犬種)です。この調査では、犬種ごとの埋葬数、平均死亡年齢、サイズの割合、月ごとの死亡数などを調べました。

ここ10数年の間に、犬や猫の寿命は大きく延びたと言われていますが、実際のデータはあまり多くありません。だからこそ、この調査結果はとても貴重な情報と言えるでしょう。

一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会の特徴

葬祭業安心度格付認定(日本儀礼文化調査協会 JECIA)の特徴

ここまで、東京都獣医師会霊園協会の概要や設立趣旨・活動内容などについて解説してきました。
本章では、同協会の特徴について詳しく紹介します。

東京都獣医師会からの表彰

一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会は、長年にわたり東京都内の小学校、幼稚園、保育園、中学校などで飼われている動物や、傷ついた野生動物の火葬や埋葬に貢献してきました。
これらは、動物愛護や子どもたちの情操教育を目的としています。
その功績が認められ、平成27年10月12日に公益社団法人東京都獣医師会から特別に表彰されました。

霊園施設について

各霊園には、ペットの火葬、葬儀、埋葬、納骨、供養のすべてを行えるように供養塔や納骨堂、ペットのお墓などが整備され、火葬炉も敷地内に備えています。待合室や斎場といった設備も充実しており、定期的に供養祭も行っています。

火葬方法は合同火葬、個別火葬、立会火葬などから選べます。
環境問題にも配慮しながら、ペットの葬儀に関する信頼性を高め、より良いサービスの提供に努めています。

合同火葬とは…他のペットと一緒に火葬すること
個別火葬とは…一体ずつ火葬すること
立会火葬とは…個別で火葬し、遺骨をお骨上げするまでは、家族が立ち会える方法

その他の活動

中央動物専門学校で講義を行ったり、NHKラジオ「NHKジャーナル」にて東京都獣医師霊園協会監事の栗田氏がペットの葬儀について説明を行ったりと精力的に活動しています。

一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会に加盟するメリット

メリット

東京都獣医師会霊園協会は、東京都獣医師会と提携しています。これにより、加盟するペット霊園は公的な信頼性を得られるでしょう。
また、協会に加盟することで、ペットの葬祭に関する信頼性を高め、サービスの質を向上できるため、顧客からの信頼獲得につながります。

一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会の協会員

所属企業・団体所在地詳細情報
真心動物霊園東京都町田市図師町1016-1創業30年の信頼と実績、由緒ある寿量寺内の総合ペット霊園です。
ケンユーペットセレモニー東京都葛飾区細田5-20-15(本社)東京都昭島市田中町2-19-16一級葬祭ディレクター(厚労省認定)常駐。最新の設備で火葬~納骨を執り行います。
たんぽぽ墓苑東京都江東区東陽1-25-4-2F火葬・供養・埋葬まで年中無休で対応いたします。
大蔵動物霊園東京都世田谷区大蔵5-11-8成城学園駅・世田谷通り沿い。僧侶による読経のもと葬儀~納骨を執り行います。
東京動物霊園東京都北区赤羽台3-24-2 法善寺内赤羽駅近くの緑豊かな総合ペット霊園。ご自宅までお迎えに伺います。
城南ペット霊園東京都品川区南品川2-7-25都心にあり、葬儀~納骨まで一式を執り行います。専用車で送迎します。
ペットエンジェルゲイト東京都豊島区南池袋2-8-16都心にあるモダンな総合ペット専用霊園。お通夜・葬儀~納骨・お迎えに対応します。
深大寺動物霊園東京都調布市深大寺元町5-11-3東京都あきる野市牛沼620-1深大寺境内にて50年、ISO14001認証を取得した国内唯一の環境先進動物霊園です。年中無休で無料送迎、最後のお別れは夜7時から。

出典:一般社団法人 東京都獣医師会霊園協会「協会員」

まとめ

本記事では、 東京都獣医師会霊園協会の概要や取り組み・特徴などについて詳しく紹介しました。
東京都獣医師会霊園協会は、東京都獣医師会と協力と協力して、人とペットがより良く共生できる方法を考え、社会に貢献しています。
また、子どもたちの情操教育のために、学校で飼育されている動物の火葬・供養などを行い精力的に活動しています。
今後のペット葬祭発展の重要な役割を担っている協会とも言えそうです。活躍に注目していきたいと思います。

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