葬儀保険とは?互助会制度、会員制度の違いは?まとめて解説

葬儀保険とは?事業者・プランなど

葬儀費用を事前に準備しておく方法として、これまでは冠婚葬祭互助会での積み立てが主流となっていました。
しかし、利用に際して一定の制限がある冠婚葬祭互助会のシステムは、多様化する消費者ニーズに合わなくなりつつあるようで、近年では加入者数も減少傾向にあるようです。

とはいえ「葬儀費用はどのくらい必要になるのか?」「もしもの時に、すぐに葬儀費用を準備ができるだろうか?」という不安が消えたわけではないため、何らかの備えは必要でしょう。
そこで最近では、もしもの時に葬儀費用をすぐに用意できる「葬儀保険」が注目を集めており、大手葬儀社や大手冠婚葬祭互助会と提携しているケースも少なくないようです。

「葬儀保険」は、毎月少額の保険料を支払うことで将来の葬儀に備えるサービスですが、葬儀費用が保険金から提携葬儀社に直接支払われる仕組みになっているものもあり、一般消費者にとって既存の互助会システムとの違いが分かりにくいかもしれません。
葬儀社様としては、両者の違いについて十分に理解したうえで、顧客から相談された際にもしっかりと答えられるよう準備しておきたいところです。

そこで本記事では、葬儀保険(少額短期保険)の仕組みやメリット・デメリットについて解説するとともに、8つの葬儀保険を取り上げて、提供事業者や保険内容について詳しく紹介します。
各葬儀保険の特徴や加入条件・保障プラン・保険料などの情報にも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

葬儀保険(葬式保険)とは

葬儀保険

葬儀を滞りなく執り行うためには、ある程度まとまった資金が必要になりますが、葬儀保険、または葬式保険は、こうした費用をカバーするための保険です。
葬儀費用は急な出費になることも多く、遺族に金銭的な負担がかかるのが現状ですが、あらかじめ葬儀保険に加入しておくことで、こうした負担の軽減につながります。

生前に葬儀保険を契約しておくことで、万が一の時に葬儀や葬式の費用はカバーされるという安心感があります。
葬儀保険の特徴としては、少額短期保険会社や保険代理店のウェブサイトで契約できる場合が多いです。
1年更新の掛け捨て型の死亡保険で、保険料が割安、医師の診断が不要な場合が多く、高齢者でも加入しやすいメリットがあります。

葬儀における少額短期保険とは

葬儀における少額短期保険は、葬儀費用に備えるために短期間のみ保障を受けられる保険です。生前に契約し、亡くなったときに、葬儀や葬式の費用をカバーできます。

葬儀における少額短期保険の特徴は、他の保険に比べて保険料が比較的安く、手軽に加入ができることです。また、高齢者でも加入しやすく、医師の診断書が不要な場合が多いです。保険業者によっては、持病があっても入れる保険プランもあります。

葬儀保険のメリット・デメリット

葬儀保険比較表
葬儀保険比較表

葬儀保険のメリット・デメリット、互助会制度や会員制度との違いを紹介します。

葬儀保険のメリット

葬儀保険は契約者が亡くなったときに、迅速にまとまった保険金が支払われます。そのため、遺族が葬儀費用をすぐに用意できるのがメリットです。
また、受け取った保険金は葬儀費用に限らず、相続手続きの費用や生活費などにも使うことができます。

葬儀保険は、万が一のときに、遺族に金銭的負担をかけずに済む安心感が得られるのもメリットと言えるでしょう。

葬儀保険のデメリット

葬儀保険のデメリットは、保険料の支払いを継続する必要があり、継続し続けるほど支払い総額が大きくなることです。
保険料を払い続けることが困難な場合、保険が失効するリスクもあります。

また、年齢や健康状態によっては保険料が高くなる可能性もあります。

互助会制度との違いは?

葬儀保険は保険会社が提供し、死亡時に保険金が支払われます。それに対して互助会は、組合形式で会費を積み立て、提携する葬儀社のサービスを受けることを前提としています。
互助会は葬儀費用を事前に積み立てる仕組みとなっており、約30万円ほどを積み立てるプランが一般的です。

ただし、葬儀費用平均価格は一般葬で161.3万円なので、互助会に加入していても葬儀費用全額をまかなうことはできず、不足分は追加で支払う必要があります。

葬儀保険の場合は、自身が希望する受け取り金額に見合った保険に加入が可能です。
あんしん少額短期保険株式会社を例にあげると、83歳女性の場合、毎月5,860円で受取額100万円プランに加入できます。

葬儀社がおこなう会員制度との違いは?

葬儀保険は契約者が亡くなった時に保険金が一括で支払われるのに対し、会員制度は入会金を支払い、将来の葬儀サービスの割引や特典を受ける仕組みです。
会員は1,000円から1万円ほどの入会金を支払いますが、年会費や月会費はかかりません。入会後に葬儀に関するさまざまな相談が可能になります。

ただし、葬儀を行う場合には、会員になっている葬儀社のサービスを利用することが前提です。会員は冠婚葬祭の様々な場面で施設を優待価格で利用できます。

葬儀保険・少額短期保険における提供事業者一覧

葬儀保険・少額短期保険における提供事業者一覧を紹介します。

みどり生命

みどり生命葬儀保険
保険プラン・みどりの終身メモリアルⅢ(終身保険)・みどりの終身Ⅲ
加入可能年齢保険金額により異なる
代表者安達 倫明
資本金100億円
住所王子本社〒114-8595 東京都北区王子6-3-43 王子豊島パークビル
上野本社〒110-0015 東京都台東区東上野3-18-7 上野駅前ビル6F・7F
グループ会社ベルコグループ
公式サイトhttps://midori-life.com/anshin_support/funeral_cost_service

みどりの終身メモリアルⅢは、保険金額別に4プランあります。みどりの終身Ⅲのプランは1種類です。

みどり生命の特徴は「ご葬儀費用充当サービス」があることです。通常の生命保険の場合、保険会社から保険金が支払われるまでに時間がかかります。しかし、みどり生命は、提携互助会や葬儀社に直接葬儀代を支払ってくれます。そのため、葬儀時に現金を立て替えて支払う必要はありません。

出典:みどり生命

あんしん少額短期保険株式会社

安心少額短期保険
保険プラン・保険金固定型葬儀保険・保険料一定型葬儀保険
加入可能年齢84歳まで加入、99歳まで更新
代表者山本 賢寿
資本金2億8800万円
住所〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町4-261
グループ会社アルファグループ株式会社
公式サイトhttps://www.ansin-ssi.com/service/kizuna/

あんしん少額短期保険株式会社の葬儀保険は、保険金固定型葬儀保険と保険料一定型葬儀保険の2種類。

保険金固定型葬儀保険、保険料一定型葬儀保険共に、葬儀の規模に合わせて7つのプランから選べます。希望者に無料で付加される特約を利用すれば、提携葬儀社による割引特典を受けられます。保険料は月々1000円からです。

出典:あんしん少額短期保険株式会社

メモリード・ライフベル少額短期保険

保険プラン・はじめやすい葬儀保険(保険料一定プラン・保険金一定プラン)
加入可能年齢89歳まで加入、99歳まで更新
代表者吉田 仁
資本金2億5000万円
住所〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町2-8-16平田ビル6階
グループ会社メモリードグループ
公式サイトhttps://www.memoleadlife.co.jp/product/

医師の審査不要で申し込み可能。万が一保険期間中に死亡した場合は、死亡保険が支払われます。

災害死亡給付特約の付加で、交通事故や自然災害などの不慮の事故による死亡時の保証を手厚くできます。(保険金一定プランの場合。保険金一定プランは死亡保険金額と同額の災害死亡保険金額がセット)

葬儀費用以外に、仏壇やお墓、整理資金など使い道は自由です。

出典:メモリード・ライフベル少額短期保険

株式会社オリーブ少額短期保険株式会社

オリーブ少額短期保険
保険プラン・オリーブの死亡保険
加入可能年齢83歳まで加入、99歳まで更新※
代表者甲斐 正恭
資本金2400万円
住所〒160-0022 東京都新宿区新宿5-17-18 H&Iビル
グループ会社
公式サイトhttps://www.olive-ins.co.jp/

株式会社オリーブ少額短期保険株式会社は、健康な方向け、持病がある方向け、健康に不安のある方向けの死亡保険の3種類です。

健康な方向けのオリーブの死亡保険は50万円・100万円・150万円・200万円・250万円・300万円の6つのコースから選べます。

※健康告知が不要の無選択型死亡保険は94歳まで更新可能。

出典:株式会社オリーブ少額短期保険株式会社

富士少額短期保険株式会社

富士少額短期保険株式会社
保険プラン・葬儀費用のための終活共済・おそうしき共済
加入可能年齢89歳まで加入、100歳まで更新
代表者並木 和恵
資本金3000万円
住所〒400-0031 山梨県甲府市丸の内1丁目17番10号 東武穴水ビル5階
グループ会社
公式サイトhttps://www.fujishotan.co.jp/syukatsu/

「葬儀費用のための終活共済」と、持病や病歴があっても申し込みができる「おそうしき共済」があります。50万円プラン(30歳女性)で月390円からなので気軽に加入できます。 

専門スタッフに相談も可能で、いつでも解約可能です。

葬儀費用のための終活共済の保障コースは、30万円・50万円・80万円・100万円・130万円・180万円・200万円・230万円・250万円・280万円・300万円の12コースです。おそうしき共済の保障コースは、50万円・100万円・150万円・200万円・300万円の5コースです。

出典:富士少額短期保険株式会社

健康年齢少額短期保険

健康年齢少額短期保険
保険プラン・やさしい終活保険
加入可能年齢89歳まで(契約を更新する場合は94歳まで継続可能)
代表者大橋 宏次
資本金3億2200万円
住所〒105-0003 東京都港区西新橋3-23-6 第一白川ビル1階
グループ会社
公式サイトhttps://kenko-nenrei.co.jp/002/lt/

保険料が業界最安水準の健康年齢少額短期保険。月額460円で100万円の手厚い保障が魅力です。※54歳女性の場合

医師の診断は基本不要なので、持病を持っている方でも入れます。保障内容は、50万円・100万円・150万円・200万円の4コースがあります。

出典:健康年齢少額短期保険

SBIいきいき少額短期保険

SBIいきいき少額短期保険
保険プラン・SBIいきいき少短の死亡保険・SBIいきいき少短の持病がある人の死亡保険
加入可能年齢84歳まで加入、100歳まで更新
代表者採田 祐治
資本金3,600万円
住所〒106-6016 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー16階
グループ会社SBIホールディングス株式会社・SBIインシュアランスグループ株式会社
公式サイトhttps://www.i-sedai.com/product/ansin/

100歳まで更新可能で保険期間は1年なので、生活に合わせて見直しができます。

保障内容は50万円・100万円・200万円・300万円・400万円・500万円の6コース。

持病がある方向けの保険は100万円・200万円・300万円の3コース。

保険以外にも24時間無料電話相談、人間ドック・葬儀費用優待、家財整理サービス・相続サポート優待、心のサポートなどが充実しています。

出典:SBIいきいき少額短期保険

アイアル少額短期保険

アイアル少額短期保険
アイアル少額短期保険
保険プラン・みんなの葬儀保険
加入可能年齢84歳まで加入、99歳まで更新
代表者安藤 克行
資本金2億9,942万43円
住所〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町15-18 フジノビル7F
グループ会社住友生命
公式サイトhttps://www.air-ins.co.jp/funerals

万が一の場合は直接葬儀会社に保険金支払いが可能で、スピーディーさが魅力の保険。終活カウンセラーに無料で葬儀や相続などの電話相談ができるので、生前からいざという時に備えられます。

保障内容は30万円・50万円・100万円・150万円・200万円の5コースです。

出典:アイアル少額短期保険

まとめ

今回は、葬儀保険(少額短期保険)について、提供事業者や保険内容を紹介しました。
葬儀費用に関して、漠然とした不安を抱えているお客様が多いのが現状ですが、葬儀社様が葬儀保険について説明し、アドバイスができればお客様の不安や負担を軽減できます。
また葬儀社様が、お客様に葬儀保険を含めた総合的なサービスを提供できれば、信頼関係の構築や、リピーターの増加が期待できるでしょう。

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