【葬儀社さんなら知っておきたい】葬祭具メーカー・納棺湯灌・海外搬送サービス業者まとめ

葬祭具・葬祭サービスまとめ アイキャッチ

葬儀・お葬式を滞りなく執り行ううえで、祭壇や葬祭具をはじめ棺桶・仏衣・骨壷・線香といった消耗品は不可欠ですので、取り扱いメーカーに関する情報は把握しておきたいところでしょう。
また生花祭壇の作成や納棺や湯灌(ゆかん)・海外搬送などは、外注している葬儀社様も多いようですので、依頼先をしっかりと確保しておきたいところです。

そこで本記事では、葬祭具や消耗品・納棺湯灌・海外搬送サービスについて解説するとともに、取扱事業者ご紹介します。
リンクから各メーカーやサービス事業者の詳しい記事をご覧いただけますので、参考にしていただければ幸いです。

目次

葬儀に必要な葬祭具・消耗品まとめ

装具・葬祭サービスまとめ

近年では葬儀のかたちも多様化していますが、葬儀社にとっての必需品となるのが葬祭具消耗品です。
ここでは、葬儀規模の大小を問わず必要となる葬祭具や消耗品をご紹介いたします。

棺(ひつぎ)・棺桶(かんおけ)メーカーまとめ

棺

現在の日本では、原則としてご遺体を棺に納めなければ火葬ができないため、直葬(火葬式)の場合でも棺(ひつぎ)・棺桶(かんおけ)は必要です。
故人様やご遺族様の意向として、シンプルな棺を選ばれる方や豪華な棺を選択される方などさまざまです。

棺の標準サイズ(内寸法)は6尺(約180cm)で、形状も長方形の箱型のものや舟形、山型などがあります。
素材は杉や檜(ひのき)・桐など木材が一般的ですが、近年は木材に布を使用した「布張り棺」やベニヤ板に木目をプリントした「プリント棺」などもあり、環境に配慮した強化段ボール製の棺も利用されています。

骨壷メーカーまとめ

ご遺体を火葬後にご遺骨を納めておく骨壷は、一般的には白の陶磁器製を思い浮かべますが、近年さまざまなデザインの骨壷があります。
葬儀の規模は縮小傾向ですが、大切なご遺骨を納める骨壷にはこだわりたいと考えるご遺族もいらっしゃるようです。

骨壷の製造販売のみをおこなうメーカーや、葬祭具全般を取り扱うメーカーがあるほか、もとは陶磁器を製造していた企業が骨壷専門メーカーとなったケースもあります。
また近年では、手元供養品を取り扱うメーカーや、ペット用のミニ骨壷を扱う企業も増えています。

骨壷メーカーの記事は以下からご覧ください。

仏衣メーカーまとめ

仏衣

仏衣は故人様を納棺する際に着せる衣装で「死装束」ともいわれます。
かつては白の和服が一般的でしたが、近年は色物や柄物、エンディングドレスといわれる華やかな色柄の洋服を選ばれるご遺族様もいらっしゃいます。

近年では、故人様らしさを重視して、生前に着ていた和服や洋服を着用するケースもある一方、生前に自身で仏衣を選ぶ方も増えつつあるようです。
仏衣メーカーは、古くから繊維産業や絹織物の生産が盛んな福井県に多くみられます。
福井県の気候が絹織物に適しており、国内有数の羽二重(白色で光沢がある平織絹織物)の産地で大量生産が可能なことが理由の1つです。
仏衣専門メーカーだけでなく、仏衣をメイン商材としながらも葬祭用品全般を扱っている企業もあります。

仏衣メーカーの記事は以下で詳しくご紹介しています。

遺影写真サービス業者まとめ

遺影

故人様の生前のお姿を思い起こすことができる遺影写真は、葬儀に欠かせないものです。
葬儀に遺影写真を飾るようになったのは、第二次世界大戦以降のようです。
近年では遺影写真の加工にAIが導入され、低画質な写真を高画質にしたり、白黒の写真をカラーに再現したりといった加工技術も進化を続けています。

遺影写真サービス事業者は、写真館から発展した企業や、額縁の製造・販売会社から発展した企業、WEBサイト制作会社から発展した企業の3つに分けられます。

遺影写真サービスの詳しい内容は以下からご覧いただけます。

生花祭壇・供花取扱業者まとめ

生花祭壇

葬儀会場の正面に設置される祭壇は、以前まで白木が主流でしたが、近年では生花祭壇を選ぶご遺族様も増えつつあります。
故人様の好きだった花を飾ったり、故人様の趣味を表現したりできることもあり、人気を集めているようです。

また供花についても、弔電とセットになったものや、線香とセットになったものなどさまざまな供花が展開されています。
生花祭壇需要の高まりを受け、葬儀プランに取り入れる葬儀社様も、近年増加傾向にあるようです。

生花祭壇の制作・設置を請け負う生花業者様も、利用者の期待に応えるべくCGデザインを取り入れたり、ご遺族様の要望に対応したオーダーメイドの生花祭壇に力を入れたりしているようです。
また華道の文化を取り入れた斬新な祭壇や、故人様の思い出の動画を流す祭壇などがあります。

線香・ローソクメーカーまとめ

線香

仏式の葬儀に欠かせないのが、線香ローソクです。
寺院の本堂や仏壇に必要な仏具は、香炉・燭台(しょくだい)・花立ての三具足(みつぐそく、さんぐそく)といわれています。
線香の香りは仏さまの食べ物とされ、ローソクのあかりは、仏さまが私たちを導く光とされています。

近年線香は、宗教儀式に関係なく香りを楽しめるフレグランスとして、またローソクはアロマキャンドルとしての需要が伸びています。
線香専門メーカーとローソク専門メーカー、また両方を取り扱うメーカーがあり、希望規模も個人経営から上場企業までさまざまです。

線香・ローソクメーカーの詳しい内容は以下からご覧ください。

消臭剤・除菌剤メーカーまとめ

除菌剤

ご遺体を火葬するまでの間、一般的にはドライアイスなどで冷却し保全をおこないますが、腐敗や臭気を完全に防ぐことが難しく、細菌やウイルスなどが繁殖する可能性もあります。
そのため、状況に応じて消臭剤・除菌剤を使用して処置をおこなう必要があります。

消臭剤・除菌剤にはさまざまなタイプの製品があります。
ご遺体に噴霧するスプレータイプや棺の中に入れておくタイプ、ご遺体に注入するタイプ、オゾンによって空間を除菌・消臭するものなど、用途により使い分けることで効果があります。

消臭剤・除菌剤メーカーの詳しい内容は以下からご覧下さい。

納棺湯灌・海外搬送サービスまとめ

装具・葬祭サービスまとめ

ここからは、納棺湯灌・海外搬送サービスをご紹介します。
リンクから、サービス事業者の詳しい記事をご覧いただけます。

納棺(のうかん)業者まとめ

納棺師

納棺の儀」は、古くから日本各地でおこなわれてきた葬送儀式の1つです。
故人様の安らかな旅立ちを願って唇を潤す「末期(まつご)の水」から始まり、「湯灌(ゆかん)」で身体を洗い清めたのち、死化粧や死装束の着付けなどをおこなったうえで、故人様を棺に納めるまでの一連の儀式を指します。

「納棺の儀」をサービスとして提供するうえで、資格の取得は必須ではありませんが、一定レベルの知識や技術を身に着けた人材が必要となります。
納棺技術を習得するためには、納棺業者などが主催する講習に参加する、あるいは専門学校に通学するといった方法がありますが、いずれも一定の時間と費用が必要となります。

一方、納棺技術を持つスタッフが在籍していない葬儀社様では、専門業者に納棺師の派遣を依頼するのが一般的です。
また葬儀事業を展開している納棺業者では、直葬(火葬式)でも「納棺の儀」をおこなっているようです。

湯灌(ゆかん)業者まとめ

湯灌

湯灌(ゆかん)とは、故人様のお身体を洗い清める儀式で、ご遺体を棺に納める「納棺の儀」の一部ともなっています。
ご遺体を衛生的に保つとともに、生前に身についた悪癖や、痛み・苦しみなどもすべて洗い流すという、宗教的な意義を持つ儀式ともいわれています。

湯灌には、故人様の全身を専用の浴槽に浸して洗い清める「洗体湯灌」と、逆さ水に浸したタオルや手ぬぐいで身体を拭き清める「古式湯灌」があります。
湯灌専用の設備を用意して、湯灌サービスを内製化している葬儀社様がある一方、外部の専門業者に委託しているケースも少なくないようです。

エンバーミング業者まとめ

エンバーミング

エンバーミングは、ご遺体を消毒したうえで防腐処置を施すことで、長期間の保存を可能にする遺体衛生保全技術です。
また必要に応じて、生前に追ったケガや傷などを修復し、故人様が元気だったころのお姿に近づけるための施術もおこなわれます。

火葬率が99%以上となっている日本では、これまで重要視されることの少なかった技術ですが、地域や時期によって火葬の待機期間が長期化するなどの問題解消に向けて、エンバーミングサービスを提供する葬儀社様も増加傾向にあるようです。
また新型コロナで亡くなった方でも、通常に近いご葬儀が可能である点がニュースでも取り上げられ、注目が集まったのは記憶に新しいところでしょう。
すべての葬儀に不可欠な技術ではないものの、ご遺族様のグリーフケアにつながる面もあるため、徐々に普及しつつあるようです。

またエンバーミングは、ご遺体を海外に、もしくは海外から搬送する際に必要となりますので、インバウンドが回復傾向にある日本では、今後さらに需要が高まる可能性もあります。
とはいえ、エンバーミングを実施するためには、専用のエンバーミングセンターを設置し、施術を担当する「遺体衛生保全士」の有資格者を在籍させておく必要があるため、外部の専門業者に委託している葬儀社様が多いようです。

海外搬送サービス業者まとめ

海外で亡くなった方を日本に搬送、または日本で亡くなった外国の方を自国に搬送するサービスです。
大手葬儀社の中には、海外搬送サービスを内製化している例もあるようですが、専門業者に依頼する葬儀社様が多いようです。

日本から海外への搬送の場合、業者が手続きをしエンバーミング(遺体衛生保全)をおこない、航空機に乗せるまでを担当します。
一方、海外から日本への搬送では、現地の業者が手続きをしてエンバーミング(遺体衛生保全)をおこない航空機に乗せ、帰国後に国内の葬儀社様がご遺体を安置場所に搬送する流れが一般的です。

ご遺体の海外搬送サービスには、専門業者によるものと、葬儀社がオプションで提供している国際搬送サービス、その他の業者が請け負っているサービスがあります。
それぞれ搬送やエンバーミングなどのサービス品目や、搬送先が日本と海外の双方向か片方向かの違いがあり料金も異なります。

まとめ

本記事では、葬儀を施行するうえで不可欠な葬祭具や消耗品、納棺湯灌・海外搬送サービスを取り扱う事業者についてご紹介しました。

これまでの葬儀業界では、葬祭具メーカーに対して、下請け業者としてしか認識していない方も多かったかもしれません。
しかし各メーカーの新しい取り組みや、技術の進歩に着目した一部の葬儀社様では、すでにコラボレーション企画もスタートさせています。
今後の葬儀業界で生き残るためには、こうした視点が求められるかもしれません。

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