葬儀社

IR情報から読み解く 葬儀企業研究 ~過去3期の会館数の推移と売上~ Vol.2:燦ホールディングス株式会社

投稿日:2019年2月10日 更新日:

事業概要

燦ホールディングスは、葬祭サービスを提供する「公益社グループ」、「葬仙グループ」、「タルイグループ」の3社と、3社の葬儀会館等の不動産賃貸、各社の管理部門の受託を行う「持株会社グループ」の4社で構成され、葬儀事業を主な事業としている。

公益社グループ

営業地盤の関西(大阪府、兵庫県及び奈良県の一部)を中心に、東京都及び神奈川県の一部の首都圏に葬儀会館を展開し、葬祭サービスを提供。連結子会社であるエクセル・サポート・サービスへ警備・清掃業務を委託し、料理等を購入している。

葬仙グループ

鳥取県米子市、鳥取市、島根県松江市周辺地域を中心に葬儀会館を展開し、葬祭サービスを提供する。その際、公益社より生花を納入している。

タルイグループ

兵庫県明石市とその周辺地域に展開している。

売上構成比率

売上構成比率は公益社グループ約83%葬仙グループ約7%タルイグループ約9%、持株会社グループ約2%と、葬祭事業を主に事業を展開する。

第87期(2015年4月1日~2016年3月31日)
第88期(2016年4月1日~2017年3月31日)
第89期(2017年4月1日~2018年3月31日)
の有価証券報告書より下記項目を調査いたしました。

従業員数、葬祭事業従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年収

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決算年月日201633120173312018331
従業員数(単独)154153157
従業員数(連結)222221222
葬祭事業従業員数(単独)103104107
葬祭事業従業員数(連結)122125126
平均年齢(単独)437カ月418カ月418カ月
平均勤続年数(単独)119カ月128カ月131カ月
平均年収(単独)604万円604万円602万円

※平均年収の千円以下は切り捨てております。

葬祭事業の売上と利益

(単位:千円)

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決算年月日201633120173312018331
公益社グループ売上高15,544,667 前期比0.3%減15,504,588 前期比0.3%減16,607,024 前期比7.1%増
公益社グループ営業利益1,303,287 前期比4.9%増1,094,302 前期比16.0%減1,338,872 前期比22.3%増
葬仙グループ売上高1,317,933 前期比0.2%減1,420,658 前期比7.8%増1,393,803 前期比1.9%減
葬仙グループ営業利益-32,164 44,969 -22,867 前期比49.2%減
タルイグループ売上高1,319,372 前期比9.0%増加1,429,461 前期比8.3%増1,706,303 前期比19.4%増
タルイグループ営業利益69,050 前期比53.1%減206,917 前期比199.7%増340,691 前期比64.7%増
3グループ合計売上高18,181,972 18,354,707 19,707,130
3グループ合計営業利益1,340,173 1,346,188 1,702,430

公益社グループ

第87期は新規会館の出店効果も加わり葬儀件数が前期比0.9%増加。500万円超の大規模葬儀が件数、単価ともに伸長し葬儀単価を押し上げた。一般葬儀は首都圏で件数が増加した一方、関西圏では小型化傾向が続く中で葬儀単価を維持した。
第88期は首都圏では一般葬儀の件数増加で増収の一方、関西圏で大規模葬儀の件数減少による影響で減収となる。

第89期は2016年4月以降に開設した6つの会館の効果が加わり、関西圏、首都圏の一般葬儀の件数が伸長。首都圏では新規出店による営業エリアの拡大、集客チャネルの多様化への取り組みが奏功し、葬儀施工件数が前期比18.6%増加した。さらに、500万円超の大規模葬儀の単価が上昇し、葬儀施工収入が前期比8.5%増収した。

葬仙グループ

第87期は米子エリアでのシェア回復等により施工件数が微増、葬儀単価が前期比0.8%定価したため、施工収入は減収となる。法事法要等の収入は増収となるが、減収額を補うまでには至らなかった。

第88期は境港、松江の両エリアを中心に葬儀件数が増加。米子エリアでも全面改修に伴う「葬仙 米子葬祭会館」の4カ月間の閉館にもかかわらず、前期の葬儀件数を上回った。その結果、葬儀件数は前期比5.5%増加、葬儀単価も前期比1.0%上昇した。前期の葬儀会館に関わる減価償却費の減少や「葬仙 米子葬祭会館」の工事期間中の地代家賃の減額等により費用は減少したが、同会館の全面改装オープンに伴う広告宣伝費、消耗備品費等により営業費用は増加した。

第89期は「葬仙 米子葬祭会館」のリニューアル効果により、米子エリアで葬儀施工件数を前期比5.0%伸ばした。鳥取エリアで施工件数が減少したため、全体で葬儀施工件数は前期比1.1%の減少。200万円超の大規模葬儀の減少により、全体の葬儀施工単価が前期比を下回った。

タルイグループ

第87期は葬儀基本セットを含むカタログの全面改定とホームページの改定等による訴求効果が奏功し、葬儀件数が前期比12.8%増加。販売やサービス提供では葬儀単価の低下を補った。仏壇販売収入は減収したが、返礼品販売収入により増収となる。既存会館建て替え計画に伴い、耐用年数の見積もりの変更による減価償却費が発生したほか、既存会館設備の利便性、快適性の向上のための支出を増やした。

第88期は前期の葬儀基本セットの全面改定や広告宣伝の強化施策の効果が引き続きあった。「タルイ会館大蔵谷」の新築リニューアルオープンに伴う広告宣伝費が増加したものの、旧会館の解体撤去に伴う耐用年数の見積もり変更による減価償却費がなくなったこと等により、営業費用は減少した。

第89期は2016年7月「タルイ会館 大蔵谷」の新築リニューアルオープン、2017年1月「タルイ会館西明石」新規オープンの効果により葬儀施工件数が前期比10.4%増加し、葬儀施工単価が提案力の強化により上昇。前期比19.5%増収となる。

会館数の推移

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決算年月日201633120173312018331
公益社グループ35会館40会館41会館
大阪府大阪市旭区111
大阪府大阪市阿倍野区111
大阪府大阪市北区111
大阪府大阪市城東区111
大阪府大阪市西成区111
大阪府池田市111
大阪府吹田市455
大阪府岸和田市111
大阪府堺市北区111
大阪府堺市堺区111
大阪府高槻市111
大阪府豊中市111
大阪府羽曳野市111
大阪府東大阪市111
大阪府枚方市122
大阪府守口市111
神奈川県横浜市青葉区111
東京都大田区111
東京都杉並区222
東京都世田谷区233
東京都調布市111
東京都港区111
東京都東久留米市1
奈良県奈良市333
兵庫県神戸市灘区111
兵庫県神戸市東灘区222
兵庫県宝塚市111
兵庫県西宮市122
兵庫県尼崎市11
葬仙グループ12会館12会館12会館
鳥取県岩美郡111
鳥取県境港市222
鳥取県鳥取市222
鳥取県松江市333
鳥取県安来市111
鳥取県米子市333
タルイグループ9会館10会館10会館
兵庫県明石市788
兵庫県加古川市111
兵庫県神戸市垂水区111
会館数合計566263

第87期は3つの新会館が開設。建て替え新築も1会館あり。
2015年6月大阪市北区「公益社 天神橋会館」を同じ敷地内に建て替え新築。9月奈良県奈良市「公益社西大寺会館」、2016年1月神戸市灘区「公益社 六甲道会館」、神戸市東灘区「公益社甲南山手会館」を開設。

第88期は6つの新会館が開設。築年数の経過した大規模会館を中心にリニューアルを進め、建て替え新築が2件、全面改装が1件あった。
2016年5月大阪市枚方市「公益社くずは会館」、兵庫県尼崎市「公益社 武庫之荘会館」を開設、7月兵庫県明石市「タルイ会館 大蔵谷」を隣地に建て替え新築。8月「葬仙 米子葬祭会館」を全面改装。8月「公益社二宮山手会館」を同じ敷地内に建て替え新築。9月、東京都世田谷区「公益社 喜多見会館」、2017年1月兵庫県明石市「タルイ会館西明石」、2月兵庫県西宮市「公益社甲子園口会館」、3月大阪府吹田市に「公益社千里山田会館」を開設

第89期は1つの新会館が開設。建て替え新築1件。
2018年8月「公益社 枚方会館」を同じ敷地内に建て替え新築。8月東京都東久留米市に「公益社 東久留米会館」を開設。

1会館あたりの売上高と利益

(単位:千円)

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201633120173312018331
公益社グループ   
1会館あたりの売上高444,133 387,615 405,049
1会館あたりの営業利益37,237 27,358 32,655
葬仙グループ
1会館あたりの売上高109,828 118,388 116,150
1会館あたりの営業利益-2,680 3,747 1,906
タルイグループ  
1会館あたりの売上高146,597 142,946 170,630
1会館あたりの営業利益7,672 20,692 34,069
3グループ合計
1会館あたりの売上高324,678 296,044 312,812
1会館あたりの営業利益23,932 21,713 27,023

設備の新築等

2019年1月、首都圏に公益社の葬儀会館が開設予定。

経営戦略

葬儀の小規模化、事業者間の競争激化の傾向など事業環境の変化に対して、同社は長期的に持続可能な競争優位性である「個々のお客様に応じた質の高い葬祭サービス」をさらに進化させ、中長期的に
① 東西の大都市圏を中心とした営業エリアの拡大
② 小規模葬儀市場への対応
③ ライフエンディングサービス業への進化を目指した多角化
を計画している。

次に、労働需給の逼迫、労働力人口の減少の中で、働き方改革の社会的要請が高まる気運の中、人材確保のために採用を強化し、中長期的に労働生産性の向上を図るため、計画的、斬新的な労働時間の短縮に取り組み、さらに役割・責任と職務内容の明確化、職務の標準化に基づくマニュアル化の推進を図る。

具体的な取り組みについて

この3期で新会館の開業が9件、建て替え新築が4件、全面改装が1件と多店舗展開やリニューアルによる効果で売上、利益を伸ばしている。
公益社首都圏の増収、タルイの増収も要因で、公益社首都圏では過去10年来の会館の新規開設、集客マーケティングや人材教育などの諸施策の成果が現れているようだ。公益社関西も施策の浸透・徹底が徐々に進み、増収に貢献している。

参考URL

◆燦ホールディングス https://www.san-hd.co.jp/
◆公益社 https://www.koekisha.co.jp/
◆葬仙 https://www.sousen.co.jp/
◆タルイ会館 https://www.tarui365.co.jp/

※会館数の推移と都道府県別死亡者数の推移比較について等、後日別の記事にてご紹介いたします。

  • この記事を書いた人
葬研(そうけん) 編集部

葬研(そうけん) 編集部

葬研(そうけん)編集部のメンバーが“価値ある葬儀施行を求める葬儀社のみかた”をコンセプトに、商材・サービス・動向等をお届けしていきます。

編集部では、加熱する市場に対する興味から業界・企業分析をおこなう者、身内の遺品整理で興味を抱いたきっかけで葬儀のニュース収集をおこなう者、情報の非対称性に疑問を抱いたきっかけから企業の比較をおこなう者等の葬儀に関連するメンバーが結集して作り上げています。

"ないものをつくる作業"が大半です。

記事には加筆・修正もあるかと思いますが、温かい目でみてもらえると幸いです。

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