株式会社 メモリード東京~メモリード~┃冠婚葬祭互助会の業績・利益をまとめて分析

メモリード東京の業績と利益-min

葬儀社の業績・利益を調べる場合、帝国データバンク(TDB)か、商工リサーチ(TSR)、はたまた日経テレコンで調べるのが一般的ですが、いずれも有料です。
ちょっと知りたい、ざっくり今すぐ把握したい、葬儀社の業績・利益の比較をしてみたい、そんな方に向けてまとめました。

今回は株式会社 メモリード東京の現状について、貸借対照表をもとに分析いたします。
事業の大まかな状況はつかめますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

株式会社メモリード東京の概要

「株式会社メモリード東京」は長崎県に総合本部を置く「メモリードグループ」における、東京都の活動拠点です。
株式会社メモリード(関東)の東京事業本部が分社化され、2013年に設立されました。

株式会社メモリード(関東)傘下の「ぐんかん(旧・群馬冠婚葬祭株式会社)」も、「株式会社メモリード東京」設立と同時に「(株)メモリード東京・ぐんかん事業部」としてスタートしています。

葬祭施設は以下の通りです。

■東京都

  • 東京メモリードホール
  • 調布メモリードホール
  • 飛田給メモリードホール
  • ひまわり会堂(大型安置施設兼、葬儀場)

■群馬県

  • アモー卜若宮
  • アモー卜北代田
  • アモート太田
  • アモート太田にしふじホール
  • アモート富士見

なお「株式会社メモリード東京」は葬祭事業以外に、セレモニーサポート事業や貸衣装・写真撮影事業・保険事業なども行っています。

葬儀社の決算公告とは

決算公告はその会社が健全な経営を行っているかを確認できる計算書類となります。以下に、決算公告についての簡単な概要を記載しました。
株式会社は定時株主総会の後に貸借対照表を公告する義務があり、その行為を決算公告と言います。

公告の方法は全部で3つあります。

  • 官報に掲載
  • 日刊新聞紙に掲載
  • 電子公告(会社のウェブサイトに掲載)

決算公告は義務的な側面が強いですが、取引先や銀行に情報の開示を行うことで、自社の透明性や健全性を見せることができるという重要な側面も持ち合わせております。

なぜ葬儀社は決算公告をおこなうのか?

葬儀社の大手あるいは長年 葬儀・葬祭事業を営む会社は冠婚葬祭互助会を運営するケースが多いです。
冠婚葬祭互助会とは冠婚葬祭などの行事に備えるために毎月一定の掛金を複数回の支払いで積み立てるサービスとなっております。互助会の会員になることで葬儀や婚礼で割引などの優遇があります。

冠婚葬祭互助会は経済産業大臣の認可を受けた事業者となります。

出典:一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会ホームページより
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会員から掛金として支払われた前受金は割賦販売法によって積み立てられた前受金の2分の1を次の何らかの方法で保全することが義務付けられています。

  • 法務局に供託する
  • 経済産業省の指定する保証会社と供託委託契約を結ぶ
  • 銀行や信託会社などの金融機関と供託委託契約を結ぶ

上記のいずれかの方法を選択する必要があります。

また、経済産業省は割賦販売法に基づき互助会事業の経営指導や立入検査等を行っています。
なお現在、冠婚葬祭互助会事業者として登録されている事業者は以下より確認することができます。

経済産業省 前払式特定取引業者(冠婚葬祭互助会)許可事業者一覧

上記のように、冠婚葬祭互助会では政府・行政の認可団体として運営している側面があり、義務である決算公告を発表する事業者が多い状況です。

メモリード東京の貸借対照表 

貸借対照表1

貸借対照表でまずチェックしたい箇所は純資産の部です。総資産に対する純資産の比率である「自己資本比率」が高いほど、その企業の経営状態は良好であると考えられます。
例えば自己資本比率が50%以上であれば、経営状態は良好とされています。自己資本比率が10%を下回っている場合は経営状態は良いとは言えません。

自己資本比率が低い場合は借入金などの負債が多いので資金繰りが厳しいと予測ができます。
一方で、自己資本比率が高い場合は返済義務を有しない資金を大量に抱えているので倒産リスクは低くなると考えられます。

自己資本比率は中長期的にその企業の安定性を確認できる指標ですが、自己資本比率は業種によって大きく異なります。
例えば固定資産(建物や土地や機械など)を多く抱えている業種(製造業や鉄道会社)は最低でも20%程度はあると安心です。

逆に流動資産(ソフトウェアや”のれん”など)を多く抱えている業種(IT企業や卸売業)は最低でも15%程度は欲しいところです。

のれん:その会社が持つ技術やブランドで、目には見えない価値の高い資産のこと

貸借対照表の左右(運用状況と調達状況)の合計額は必ず一致する
「資産」=「負債」+「純資産」という計算式が成り立つことから、
貸借対照表のことをバランスシート(Balance Sheet)またはビーエス (B/S) と呼ぶこともあります。

メモリード東京の自己資本比率

自己資本比率は「自己資本比率(%)=純資産÷総資産×100」で求めることができます。
しかしメモリード東京の2021年5月期における純資産は-2千5百万円となっており、わずかながら債務超過の状態となっています。

メモリード東京の資産と負債について

自己資本比率の次に確認したいのは、資産と負債の額になります。
貸借対照表でいうところの資産は左側に、負債は右側上段に記載があります。

この赤い円の箇所を確認することで、その会社の資産と借金の額を確認できます。

資産合計の推移

貸借対照表の左側に記載されており、「会社の所有する資産」を表します。
資産は下記の3つに構成されています。

・流動資産 = 1年以内に現金化もしくは費用化できる資産
例) 現金、有価証券、商品、製品など

・固定資産 = 長期にわたって会社が保有するものや1年を超えて現金もしくは費用となる資産で有形固定資産や無形固定資産がある。
例)・有形固定資産:建物、土地、車など
  ・無形固定資産:ソフトウェアなど

繰延(くりのべ)資産 = 会社設立にかかった費用や社債発行にかかった費用を一括して費用として計上せずに資産として計上し期間内(数年など)に分けて償却するものとなります。
例) 創立費、開業費、開発費など

メモリード東京の資産合計の推移は以下のようになっています。

資産合計

メモリード東京の資産合計は過去4年間にわたってほぼ横這いといった状況で、大きな変動はみられません。
2021年5月期の資産合計は65億4千1百万円(前年同期比3.02%減)と、2億4百万円の減少となっています。

負債合計の推移

貸借対照表の右側上段に記載されており、「返す必要のある他人からの借金」を表します。
負債は下記の2つで構成されています。

流動負債 = 1年以内に支払い期日を迎える負債となります。
例) 家賃、従業員の給与や賞与、買掛金(サービスや商品の金額を後払いするもの)など

固定負債 = 1年以内に支払い期日を迎えない負債となりますので、流動負債以外の負債は固定負債になるということです。
例) 従業員の退職金、社債、長期借入金など

メモリード東京の負債合計の推移は以下のようになっています。

負債合計

メモリード東京の負債合計は過去4年間にわたって緩やかに増加しており、2021年5月期では65億6千7百万円(前年同期比0.07%増)となっています。

メモリード東京の貸借対照表における注目点は、2018年5月期から2019年5月期にかけて流動負債が大幅に減少し、固定負債が同規模で増加している点でしょう。
これは短期借入から長期借入への変更、もしくは借り換えを行った場合に起きることの多い現象です。

長期借入は短期借入にくらべ審査が厳しく、融資を受けられるのは継続的に利益を出す見込みのある企業に限られます。
そういった観点に立つと、メモリード東京の2018年5月期までの業績、借入先から高い評価を受けるレベルを保っていたと考えられます。

その結果、2018年5月期には29.96%と苦しい状況だった流動比率(流動負債÷流動資産×100)は、2021年5月期の時点でも208.62と短期的な不安のない状況を維持しています。

メモリード東京の純資産について

自己資本比率、資産合計、そして負債合計をみてきましたが、最後に確認したいのは「純資産」となります。
純資産は貸借対照表でいうところの右側下段に記載があります。

純資産は資産(現金、土地、建物など)から負債(借金)を差し引いたものです。

この赤い丸の箇所を確認することでその会社の純資産を確認できます。

メモリード東京の純資産合計、当期純利益、利益剰余金の推移はそれぞれ以下のようになっています。(各用語についても分かりやすく解説しています)

純資産合計の推移

会社の所有する現金や建物などの資産から負債(借金)を差し引いたものとなります。
純資産の割合が高ければ財務健全性が高いと考えます。一方で、純資産がマイナスの状態を債務超過といい、2期連続で債務超過の状態が続いた場合、東証上場の廃止基準に抵触することがあります。

純資産合計

メモリード東京の2021年5月期の純資産合計は-2千5百万円と債務超過に陥っていますが、金額は大きくないため次の決算期には回復している可能性もあります。

新型コロナ発生前の2019年5月期時点では増加傾向でしたので、新型コロナの影響による一時的な収益悪化とも考えられます。

当期純利益の推移

会社が1年間で得た全収益から法人税や住民税そして費用を差し引いたものが当期純利益となります。
この当期純利益がマイナスとなると当期純損失となります。

当期純利益の額をみることで、その会社の収益性がどのくらいなのか判断できる指標になります。

当期純利益

メモリード東京の当期純利益は、2020年5月期・2021年5月期と2期連続でマイナスとなっています。

2020年から2021年にかけて、新型コロナ関連の行動規制が繰り返し発出されたことから、葬儀業界は大打撃を被りました。
特に葬儀の小規模化・簡素化が進む東京都などの大都市圏では、ダブルパンチとなって業界を襲ったため、収益が悪化した葬儀社様も少なくありませんでした。

しかし2022年に入って規制緩和が行われたことから、葬儀業界の状態もやや回復傾向にあるようです。
こういった事情から、メモリード東京の収益も回復に向かっている可能性がありますので、2022年5月期の決算公告が待たれるところです。

利益剰余金の推移

利益剰余金とは簡単に言うと会社の貯金のようなもので、その会社の生んだ利益を分配せずにコツコツと社内で貯めたお金です。正確な会計用語ではないですが利益剰余金のことを内部留保とも言います。
内部留保は恐らく聞き馴染みのある単語だと思います。利益剰余金は貸借対照表で言うところの純資産の部に記載があります。

内部留保(利益剰余金)が多くあればあるほど、金融危機などの影響で経営が赤字になった際に従業員の給与や固定費の支払いに活用できるため企業が生き残るための重要な資金源となります。

メモリード東京の場合は以下のように推移しております。

利益剰余金

メモリード東京の2021年5月期における利益剰余金は-2億7千5百万となっていますが、そのうち2億4千8百万円は当期純損失が占めています。

新型コロナの影響による短期的な収益悪化であれば、2022年以降徐々に回復する可能性もありますので、長期的な視点で見守る必要があるでしょう。

株式会社メモリード東京のまとめ

今回は株式会社メモリード東京の決算公告を参考に、現状分析を行いました。
貸借対照表を分析することで、外部からでは見えない企業の内部状況も、ある程度まで把握可能であることがお判りいただけたかと思います。

今回の分析を通して、特に都市部の葬儀業界に新型コロナが与えた影響の大きさを、まざまざと感じさせられました。
2022年7月時点では新型コロナの感染が再拡大しつつあり、まだまだ日本経済の先行きは不透明な状況ですので、今後のメモリード東京の決算公告に注目していきたいと思います。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。より詳しい情報を知りたい方はお気軽にお問合せ下さい。

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