墓石業界団体まとめ│主要7団体の特徴と業界全体の課題を解説

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業界団体とは、特定の業種に携わる事業者などが、全体の発展や地位向上などを目的として設立する組織で、その多くは非営利団体として運営されています。
墓石業界にも、同様の目的で設立された業界団体がいくつか存在します。
すでに団体に加入している加盟店の方も、ほかにどのような団体があるのだろうと思っていらっしゃるかも知れません。

この記事では「墓石業界の主要7団体」の特徴をご紹介し、これからの墓石業界の課題について考えたいと思います。
団体加盟店の方も、これから加入を検討される方もぜひ最後までご覧になって、業務にお役立ていただければ幸いです。

目次

墓石業界団体の役割とは?

墓石業界団体まとめ記事 団体の役割

近年核家族化や少子高齢化が進み、価値観の変化もあり「墓石離れ」が増加しています。
全国の墓石事業者が団体に加入することにより、情報交換をしたり変化する消費者ニーズの把握をすることができます。
これからの時代に適した供養方法を模索し、消費者ニーズにもとづき提案するために墓石事業者が連携して取り組むことが重要になります。

加盟事業者同士の相互扶助

全国に加盟店がある団体は、お互いに助け合うことを目的の一つとしています。
石材の仕入れや施工技術者の確保において、相互扶助をめざします。

仕入れに関する協力体制の構築

墓石の製造・販売を取り扱う事業者は、それぞれ独自の仕入れルートを確保していますが、特定の石材については自社だけでは入手困難というケースも少なくないでしょう。
しかし業界団体が中立的なポジションに立ち、各社が持つ仕入れルートを集約して相互利用を可能にすることで、加盟事業者はこれまで以上に多種多様な選択肢を持つこととなります。

さらに業界団体が各社の取りまとめ役となって一括仕入れをおこなえば、スケールメリットを活かした仕入れ価格の圧縮も期待できるため、加盟各社の収益向上に寄与することも可能です。

流動的な人材活用

加盟店によって工事の種類や受注する件数に差が生じます。
お盆やお彼岸の時期にはお墓参りやお墓掃除、それに伴う除草作業などの依頼が増加します。
忙しくて人手が足りない加盟店に、余裕のある加盟店から人材を派遣することもできるでしょう。
受注が増えて忙しい時期には、加盟店同士で助け合うことができるため、人員不足による機会損失を最小限に抑えられます。

業界全体における技術やサービス品質向上

高価で長期間使用できる墓石を依頼する消費者にとって、品質や施工技術が確かなものであることがとても重要です。
墓石業界団体では加盟店が勉強会を開いて、施工技術を磨いたり施工後のアフターサービスを充実させることなどを確認しています。

墓石業界の課題

墓石業界団体まとめ記事 業界の課題

墓石業界の課題としてはやはり、墓じまいや改葬の増加と供養方法の多様化です。
墓じまいと改葬の増加については、最近10年間の具体的なデータをご覧ください。
多様化する供養方法は、おもなものを6つご紹介します。

墓じまいや改葬の増加

最近では「墓石離れ」「墓じまい」が盛んに言われるようになり、墓石業界にとって厳しい現状となっています。
供養方法が多様化していますが、その中で「改葬」件数の推移を示したデータをご紹介します。

墓石業界団体まとめ記事 改葬推移データ
出典:厚生労働省「衛生行政報告例」

2010年から2021年の10年で約1.6倍以上増加しています。
このデータからもわかるように、2020年は新型コロナの影響なのか少し減少していますが、それ以外はほとんど毎年増加しています。

供養方法の多様化

様々な供養方法を選択する人が増えていますが、おもに選ばれることが多い供養方法を6つご紹介します。

  • 一般墓
  • 納骨堂
  • 永代供養墓
  • 樹木葬
  • 散骨
  • 手元供養

一般墓

墓地や霊園の区画に墓石を建立し、家族や一族が代々継承していく伝統的な墓です。
墓石も従来のような形だけでなく、洋型やデザイン墓と呼ばれる形もあります。

納骨堂

遺骨を納めるための建物のことで、個人や夫婦、家族などの単位で納骨します。
個別の扉がついた棚があり、仏壇がついているものや、自動式で遺骨が運ばれて来るものなどもあるようです。

永代供養墓

寺院や霊園に建てられたお墓で、遺族から遺骨を預かって永代にわたり供養します。
個別に遺骨を供養する型と、他の遺骨と共に納骨する合祀(ごうし)型があります。

樹木葬

樹木や草花を墓標として供養する埋葬方法で、里山型と都市型の2種類があります。
里山型は樹木葬の原点ともいえる埋葬方法で、墓地区画などは設けず、寺院などが所有する山の木の根元に遺骨を納める形式です。
基本的には土中に遺骨を直接埋めるため、周辺環境への影響を最小限にする必要があることから、自治体から承認された決められた土地でおこないます。

一方の都市型は、公園墓地やガーデニング墓地などとも呼ばれる形式で、シンボルツリーの根元に遺骨を埋蔵する形式となります。
埋蔵方法は合祀型と個別型がありますが、個別型の多くはプレートなどを設置して、一般墓のようにお墓参りできるような形式となっています。

散骨

遺骨を粉状にし海や野山、上空などにまいて供養する方法です。
散骨は遺族がおこなう場合と、業者に任せる場合があります。

手元供養

遺骨を身につけられるアクセサリーにしたり、小さな骨壺に入れて自宅で供養します。
遺骨をペンダントやブレスレットに入れたり、遺骨や毛髪でダイヤモンドを作り手元に置いて供養することもできるようです。

これからの石材業界

墓石業界団体まとめ記事 これからの石材業界

お墓への意識や価値観が変化しつつある昨今では、消費者ニーズを的確に把握し対応することが求められます。
一般的に石材店は何代にもわたって営業していることが多く、地域に根ざしていると言えます。
お墓を建てた後も修理や花立てなどの小物の受注が必要になったり、家族が亡くなったときには追加彫刻の受注があります。

地域の墓地や霊園に詳しいことを活かし、地域の顧客へのアフターケアも大切にする必要があるでしょう。
石のお墓ならではの魅力をアピールすることがとても重要です。

多様化する消費者ニーズへの対応

近年ますます少子高齢化、核家族化が進んでいる日本において、古来よりおこなわれてき た供養の方法を見直すことが必要になっています。

墓石の形も従来の縦型のほか、洋型やデザイン墓といわれる石種や形、彫刻などがオリジナルである墓石も人気が高まっています。
改葬にあたり今ある墓石の移動を希望する場合もあるなど、消費者のニーズも様々です。

永代供養墓や樹木葬では個別型の場合、故人の名前や戒名を彫刻した銘板が用いられることも多く、一つの販路につながるのではないでしょうか。

墓石だけが持つ強みのアピール

供養方法が多様化しているとはいえ、平安時代から始まったといわれている石のお墓の魅力やメリットも多くあります。

  • 丈夫で風化に強い
  • 何世代にもわたって引き継げる

丈夫で風化に強い

石の種類にもよりますが丈夫で硬く、水を吸い込みにくい石なら経年劣化しにくく長年使用するものであるお墓に適しているといえます。

何世代にもわたって引き継げる

適切に管理、手入れをすれば長期間の使用に耐えるので、何世代にもわたり引き継いでいけます。
結果、経済的であるといえるのではないでしょうか。
消費者に墓石を建ててもらうためには、石のお墓の良さをアピールしていく事が重要です。

墓石業界団体7団体の紹介

ここからは墓石業界団体7団体をご紹介します。
各団体の特徴や役割から、墓石業界7団体の概要を把握していただけるかと思います。
それぞれリンクを載せておりますので、詳しい内容をご覧いただけます。

1.全国石製品協同組合(全石協)

全国石製品協同組合
出典:全国石製品協同組合

全国石製品協同組合(全石協)は、経済産業省認可の団体です。
全国47都道府県に200以上の加盟店があります。
協会独自の「石匠位」制度を設け、技術や知識を磨く研修をおこない、優秀な人材に「位」として資格を授与しています。
また日本最大級のお墓総合ポータルサイト「みんなのお墓」を運営しています。

全国石製品協同組合については、以下の記事で詳しくご紹介しております。

2.一般社団法人 日本石材産業協会(石産協)

日本石材産業協会
出典:日本石材産業協会

日本石材産業協会(石産協)の会員は、石材販売店以外に採石や加工、墓石以外の用途に携わる企業も所属しています。
業種により6部会に分かれて活動中です。

消費者とのトラブルを防ぐため、石材店向けに以下のものを提供しています。

ほかには消費者の視点で「お墓何でも相談室」や「お墓相談ダイヤル」の活動をおこなっています。
販売や売り込みを一切せずに、お墓ディレクター取得者が相談を受けています。

日本石材産業協会については以下の記事をご覧ください。

3.一般社団法人 全国優良石材店の会(全優石)

全国優良石材店の会
出典:全国石製品協同組合

全国優良石材店の会(全優石)は、全国の石材店300社あまりで構成されています。
消費者が安心して墓石の相談、用命ができるように認定制度を導入しています。
2年ごとの審査で認定を受けた石材店は、ロゴを掲げ「全優石認定 お墓相談員」が在籍。

消費者にダブル保証制度の保証書を発行しています。
お墓を建立した石材店はアフターケアも対応し、万一建てた石材店が倒産や廃業した場合、組織全体でお墓を守るシステムです。

また社会貢献活動や環境問題にも力を入れています。

全国優良石材店の会の記事は以下よりご覧いただけます。

4.安心石材店の会(安心石)

安心石材店の会
出典:安心石材店の会

安心石材店の会(安心石)は国内最大級の石材総合商社「いずみ産業グループ」が発起人となり結成された団体です。
各加盟店の最新の墓地販売情報を掲載している、一般向けのお墓探しサービスサイト「お墓を探そう!」を運営しています。

生産工場・いずみ産業グループ各社・加盟店の3者が品質を保証する「トリプル保証書」を発行し、消費者からの安心と信頼獲得に努めています。

社会貢献として、いずみ産業とともにSDGsにも積極的に取り組んでいます。

安心石材店の会については、以下より詳しくご紹介しております。

5.一般社団法人 全国石材施工協会

全国石材施工協会
出典:全国石材施工協会

全国石材施工協会は「墓石離れ」の原因の一つが、ずさんな工事や廃材の不法投棄をおこなう事業者にあると考えています。
業界を健全化するために、石材施工の施工基準作成をおこない、施工業務に必要な資格取得を勧め、制度設立を検討。

社会保障や福利厚生を充実させ、施工技術者の確保に努めることが重要だとし「健全な業界」の実現をめざしています。

全国石材施工協会について以下よりご紹介しております。

6.一般社団法人 墓地清掃士認定協会

墓地清掃士認定協会
出典:墓地清掃士認定協会

墓地清掃士認定協会は、お墓参り代行やお墓清掃をおこなう「墓地清掃士」を育成している協会です。
受講講座を開催し、認定審査の合格者には「墓地清掃士認定書」を発行しています。

協会では「墓地清掃士を育成して、世の中のお墓を清潔に保つ」ことを協会理念とし、お墓参り文化を次の世代まで引き継いでいくことをめざしています。

近年では「墓じまい」が問題になっていますが、お墓管理のスペシャリストである「墓地清掃士」に依頼することで解決するでしょう。

墓地清掃士認定協会については、以下よりご覧いただけます。

7.NPO法人 永代供養推進協会

永代供養推進協会
出典:永代供養推進協会

永代供養推進協会は永代供養墓を選ぶ際の参考になる、永代供養ポータルサイトを運営している協会です。
お墓や仏事の相談を受けたり、葬儀を簡素にしたい方に向けての葬儀プラン「安心エンディングプラン」を提案しています。

協会はNPO法人のため、中立的な立場で活動し、代表理事は僧籍(僧侶としての籍)を持ち、「葬儀・お墓・供養の無理は無駄」を提唱しています。

永代供養推進協会については、以下の記事をご覧ください。

まとめ

墓石業界団体まとめ記事

今回は墓石業界団体7団体をご紹介いたしました。
消費者の家族の形や価値観が変化し、供養に対する考えも多様化しています。
墓石業界団体では、情報交換をして消費者のニーズを的確に把握し、顧客から信頼と満足を得られる取り組みをおこなっています。

これからは「お墓」の形態も、時代に沿ったものが求められるでしょう。
墓石業界に携わる方におかれましては、厳しい現状ではありますが今後の業務に少しでもお役立ていただければと思います。

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