葬儀社

IR情報から読み解く 葬儀企業研究 ~過去3期の会館数の推移と売上~ Vol.6:こころネット株式会社

投稿日:2019年2月14日 更新日:

事業概要

こころネットは、石材の加工販売を目的として創業し、福島県伊達市で葬祭事業に参入した「こころメモリアル(現在は「たまのや」に合併)」等の子会社から構成される「カンノ・グループ」と、葬具取扱店として創業した「ハートライン」とその子会社からなる「アイトゥアイ・グループ」が2013年に統合し、発足した。

こころネットグループは連結子会社8社、非連結子会社1社、関係会社2社で構成。

福島県内及び茨城県牛久市を基盤とする葬祭事業(たまのや、牛久葬儀社、玉橋)、東日本を主な販売エリアとする石材卸売事業(カンノ・トレーディング)、福島県内・長野県東部における石材の販売、霊園斡旋・墓石販売を行う石材小売事業(石のカンノ)、福島県内を中心に展開する婚礼事業(With Wedding)、グループ内外向けの生花の卸売を行う生花事業(フルール)、冠婚葬祭互助会を運営する互助会事業(ハートライン)、サービス付き高齢者向け住宅を中心とした介護サービスの提供する介護事業(こころガーデン)及び、これらに付随するその他事業を行っている。

「たまのや」は、自社による葬儀施行のほか、JA全農福島及び福島県内の農業協同組合(以下「JA組合」)が出資するJAライフクリエイト福島との業務委託契約により、同社が各JA組合より受託した葬儀施行にかかる一部業務を受託している。

売上構成比率

売上構成比率は葬祭事業53.22%、石材卸売11.47%、石材小売11.49%、婚礼事業16.96%、生花事業5.99%、互助会事業0.01%、介護事業0.86%となっている。

第50期(2015年4月1日~2016年3月31日)
第51期(2016年4月1日~2017年3月31日)
第52期(2017年4月1日~2018年3月31日)
の有価証券報告書より下記項目を調査いたしました。

従業員数、葬祭事業従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年収

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決算年月日201633120173312018331
従業員数(単独)343030
従業員数(連結)558559575
葬祭事業従業員人数(連結)241242263
互助会事業従業員人数(連結)162222
平均年齢(単独)45.344.944.5
平均勤続年数(単独)10.511.115.5
平均年収(単独)522万円545万円540万円

※平均年収の千円以下は切り捨てております。

葬祭事業の売上と利益

(単位:千円)

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決算年月日201633120173312018331
葬祭事業
売上高
5,304,615 前期比4.4%増5,771,064 前期比8.8%増5,771,498 前期比0.0%増
葬祭事業
営業利益
295,662 前期比10.1%増397,806 前期比34.5%増418,204 前期比5.1%増
互助会事業
売上高
1,646 前期比63.1%減1,519 前期比7.7%減747 前期比50.8%減
互助会事業
営業利益
-74,943 -16,019 -17,513
葬祭・互助会
売上高合計
5,306,261 5,772,583 5,772,245
葬祭・互助会
営業利益合計
220,719 381,787 400,691

葬祭事業の売上高における直営店とJA施設(業務委託)の割合

(単位:千円)

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決算年月日2016
331
割合2017
331
割合2018
331
割合
直営店売上高3,972,632 87.7%4,399,192 88.1%4,407,426 87.5%
JA施設売上高1,331,983 12.3%1,371,872 11.9%1,364,072 12.5%

※JA施設売上高と葬祭事業の売上高より算出

会館数の推移

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決算年月日2016
331
2017
331
2018
331
直営店福島県
県北地区
福島市、伊達市111111
福島県
県中地区
郡山市、本宮市及び
田村郡
556
福島県
会津地区
会津若松市、
喜多方市、
摩耶郡及び大沼郡
555
茨城県南部牛久市、稲敷郡111
直営店店舗数合計222223
JA施設(業務委託)福島県
県北地区
福島市、伊達市、
二本松市及び伊達郡
101010
福島県
県中地区
田村市222
福島県
南会津地区
南会津郡333
福島県
相双地区
相馬市、南相馬市、
相馬郡及び双葉郡
555
JA施設数合計202020

※第50期、第51期は相双地区のうち2施設は東日本大震災の影響により休止。

1会館あたりの売上高

(単位:千円)

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決算年月日201633120173312018331
直営店1館あたりの売上高180,574 199,963 191,627
JA施設1館あたりの売上高66,599 68,594 68,204

※JA施設の売上高、葬祭事業売上高、直営店件数、JA施設件数より算出

施工件数

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決算年月日201633120173312018331
たまのや
(福島事業部)
1,211 1,359 1,276
たまのや
(郡山事業部)
258 306 366
たまのや
(会津事業部)
478 524 546
たまのや
(関東事業部)
276
たまのや
(催事事業部)JA施設業務委託分
2,096 2,116 2,058
牛久葬儀社196 273  -
有眼会社玉橋48
葬儀施行件数合計4,239 4,578 4,570

※牛久葬儀社は2015年7月1日付けで完全子会社化。2015年7月1日から2016年3月31日までの施行件数となる。
※玉橋は2017年12月1日付けで完全子会社化。2017年12月1日から2018年3月31日までの施行件数となる。

直営店・JA施設での施行単価と1施行分の営業利益

(単位:千円)

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決算年月日201633120173312018331
直営店施行単価1,854 1,787 1,755
JA施設1施行分の営業利益635 648 663
葬祭事業(直営+JA施設)
施行単価
1,251 1,261 1,263
葬祭事業(直営+JA施設)
1
施行分の営業利益平均
70 87 92

設備の新築等

2018年7月茨城県取手市に葬祭会館が新築完成の予定。

◆第50期

葬祭事業の営業エリアである福島県内、茨城県牛久市エリアの死亡者数は微増傾向にあるが、同業他社との競走は激化しており、小規模葬儀の割合が増えているため、「健康」や「終活」をテーマとしたセミナーの開催や葬祭会館周辺地域への訪問活動や葬儀施行後のアフターフォロー訪問を強化。互助会等の会員数増加に努め2017年7月1日より牛久葬儀社を連結の範囲に含めたことにより売上高は前期比4.4%増、営業利益は10.1%増となった。

互助会事業については互助会代理店による会員募集活動の強化に加え、グループ誕生10周年記念キャンペーンを実施し、会員数の増加を図った。しかし、不動産賃貸収入が減少したため、売上は前期比63.1%減、営業損失は7400万円となっている。

◆第51期

福島県内の企業に向けた「こころネットパートナー特典」(加入企業及びその従業員に、婚礼・葬儀の施行や墓石購入時の割引が受けられる特典)への新規加入営業を実施。前期と同様に「健康」「終活」をテーマとしたセミナー開催等の地域営業を強化。さらに葬儀施行後の法事受注・仏壇仏具等の販売及び互助会への再加入の勧誘といったアフターフォロー営業を推進した。牛久葬儀社の業績も寄与し、売上高は前期比8.8%増、営業利益は34.5%増と伸ばした。

互助会事業は互助会会員による葬儀、婚礼の施行件数増加を図るためのキャンペーンを実施した。

◆第52期

葬祭事業は前期と同様に「こころネットパートナー特典」やセミナー等の開催のほか、終活サロンを開設。地域営業に努め、売上高は前期とほぼ変わらず維持し、営業利益は前期比5.1%増となった。

具体的な取り組みについて

この3期において、茨城県牛久市の牛久葬儀社や福島県本宮市の玉橋の全株式を取得し、連結子会社とした効果があり、売上高、営業利益ともに伸ばしている。会館数も維持していたが第52期に1会館増加し、第53期にも新館の増設を予定。施行件数、売上増加の施策を進めている。

JA施設との業務委託契約での売上は約11%~12%を維持し、安定している。今後も継続していくと思われる。

グループメリットを活かして、婚礼・葬儀の施行や墓石の購入時の割引特典のある「こころネットパートナー特典」で地域営業活動を推進している。「健康」や「終活」をテーマとしたセミナーの開催や葬祭会館周辺地域への訪問活動、葬儀施行後のアフターフォロー訪問等も強化している。

互助会事業は獲得のためのキャンペーン等を実施しているが、第50期に不動産賃貸収入の減少による営業損失を出している。第52期は売上高が前期比50.8%減と苦戦しているようだ。

※会館数の推移と都道府県別死亡者数の推移比較については、後日別の記事にてご紹介いたします。

参考URL

こころネットグループ http://cocolonet.jp/
たまのや http://tamanoya.cocolonet.jp/
牛久葬儀社 http://c-hall-ushiku.jp/
ハートライン http://heartline.cocolonet.jp/

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葬研(そうけん) 編集部

葬研(そうけん) 編集部

葬研(そうけん)編集部のメンバーが“価値ある葬儀施行を求める葬儀社のみかた”をコンセプトに、商材・サービス・動向等をお届けしていきます。

編集部では、加熱する市場に対する興味から業界・企業分析をおこなう者、身内の遺品整理で興味を抱いたきっかけで葬儀のニュース収集をおこなう者、情報の非対称性に疑問を抱いたきっかけから企業の比較をおこなう者等の葬儀に関連するメンバーが結集して作り上げています。

"ないものをつくる作業"が大半です。

記事には加筆・修正もあるかと思いますが、温かい目でみてもらえると幸いです。

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