ベルコ(シティホール)は多くの方が利用する冠婚葬祭互助会ですが、加入にあたって不安を感じる方も多いようです。
口コミや評判など、実際に利用した方のリアルな生の声を参考にしたうえで、自分に合うかどうか判断したいという方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、ベルコに関する口コミや報道を収集し、良い点・悪い点の両面を含めて紹介します。
ベルコを利用するメリット・デメリットについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
ベルコ(シティホール)の口コミ
ベルコは50年以上の歴史をもち、年間4万件以上の葬儀を施行している企業ですので、当然ながら良い口コミも悪い口コミも寄せられます。
ここでは、公式サイトに掲載されている「お客様の声」ではなく、外部の口コミサイトなどに寄せられた声を中心に紹介します。
ベルコ(シティホール)の良い口コミ
事例①
参列者の中に容態が悪く車椅子を使用している方がいましたが、施設内はバリアフリー化が整っており困ることはありませんでした。
引用元:葬儀の歩き方
スタッフの方も丁寧に対応をしてくれたので安心して葬儀に参列できました。
参列者の中には高齢者もいましたが火葬場もすぐ近くにあったので移動の負担が少なかったのも良かったです。
葬儀費用に関しては互助会に入会していたこともあり、全て込みで100万円いかず比較的安く済み助かりました。
事例②
今までの人生で無縁だった自分が喪主になり、葬式を仕切るということを経験しました。
引用元:みん評
特にここと決めている葬儀社がなかった私は、大手葬儀社であるこちらを選択。葬式の準備をする際には、何もわからない私をサポートしてくれ、安心して任せることができました。
さすが大手と言えるぐらい手際が良く、こちらが気付かないことにまで配慮をしてくれたのが印象に残っています。
費用に関しての説明も丁寧にしてくれましたし、また急を要したことに対してもすぐに対応してもらえて助かりました。初めての喪主で大変な部分も多くありましたが、スタッフの方々がとても優しい方たちばかりで気持ちを落ち着けて取り組むことができたのが印象に残っています。
事例③
家族として初めてだったので火葬までの流れ、葬儀後の四十九日、仏壇等の色々をアドバイスして頂き感謝している。
引用元:葬儀社の評判
また自宅からも近くストレスも少なく、葬儀費用も無駄を省き比較的手頃に済ますことができた。
葬儀自体も家族葬ということもあり、故人の思い出のアルバムをスライドしたり音楽をかけながらフォーマルかつカジュアルにこなすことができた。
通夜の過ごし方もお風呂が付いていたりコンビニ、レストランが徒歩圏にあるので便利でした。
ベルコ(シティホール)の悪い口コミ
事例①
家族葬にしたいと希望したのですが、スタンダードなコースの方が安く出来ると言うので、言われるまま見積もりをしてもらいましたが、総合計は言わず、ただ100万と言われ、そこから互助会のサービス分が引かれるかと思いきや、全て終わってから引いた他がそれだけかかったと聞かされた。
引用元:みん評
最初の説明が悪い。初めにそれを説明してくれたら、もっと検討できたのに。
事例②
故人が互助会というものに加入しており満期になり60万円ほどの積み立てがあったことから特に比較せずこの葬儀社を選択しました。
引用元:葬儀の歩き方
初めてで分からないことばかりだったのでどうしても必要なものを除いてなるべく安くしたいと要望を伝え、あとは担当者の方にお任せしました。
最初に案内してくれた葬儀担当の方は大分威圧的で安くやることをとがめるようなことも言われました。
しかし、こちらにも金銭的な問題があるため引かなかったのですが、その後はその担当は最初の打ち合わせ以外は顔を合わせることもなく葬儀は終了しました。
できれば100万円以内に抑えたかったのですが色々と金額は増えてしまい合計で120万円ほどの葬儀になりました。
事例③
ベルコの葬儀自体は、納得して満足もあるが
引用元:みん評
四十九日まで(仮祭壇設置中)の対応に、葬儀担当者(代理店か支店か)で違いがある
今回で二度目だけど、葬儀終了後20日頃来宅し互助会加入の勧誘に来た
開眼法要の説明も四十九日法要の説明も(不祝儀袋の表書き、段取など)無く
玄関で加入を勧める
割高かもしれないが、ベルコは頼るになる
と思ったから(アフターサービス含め)
互助会加入していたけれど
今後はは加入しないつもり
ベルコ(シティホール)に関する報道
ベルコの雇用形態は非常に特殊で、会社全体としては7000人前後が勤務しているようですが、そのほとんどが業務請負契約の「個人請負」となっているようです。
ベルコと直接の雇用関係にあるのは30人ほどといわれており、それ以外の従業員については労働基準法すら適用されないことになります。
「個人請負」となると、時間外手当や休日・深夜労働手当などは無く、最低賃金すら適用されません。
また社会保険に加入させる義務も会社側に無いため、全額自己負担となる国民健康保険に加入せざるを得ない状況となります。
こうした状況下で、北海道地域のベルコに勤務する従業員が労働組合結成を理由に事実上解雇されたことから、従業員側が不当解雇と主張して訴訟となっていました。
一審となる札幌地裁では原告敗訴となったものの、二審の札幌高裁ではベルコ側が大幅に譲歩するかたちで和解が成立しています。
実は同様の問題は多くの互助会にも当てはまるとされていることから注目されており、多くのメディアでも大きく取り上げられています。
- 東洋経済『冠婚葬祭業に蔓延する「個人請負」の深い闇』
- 日本経済新聞『「名ばかり業務委託」問題に一石 ベルコ訴訟和解の影響』
- 朝日新聞『冠婚葬祭のベルコ 「解雇」めぐる訴訟が和解 代理店の2人が復職へ』
- YAHOOニュース『7000人の大企業で「社員」は30人 「未来の働き方」はどうなる?』
- 連合ダイジェスト『偽装雇用か⁉ベルコだけの問題じゃない!!』
今後、仮に同様の訴訟が起きた場合、今回のケースが影響を及ぼす可能性も高いと考えられます。
ベルコ(シティホール)の会社概要
【社名】株式会社 ベルコ
【設立】昭和44年(1969年)4月3日
【所在地】兵庫県西宮市津門川町1‐1
【代表者】代表取締役 齋藤 斎
【葬祭施設数】*直営店舗のみ
- 九州エリア:34
- 中国・四国エリア:21
- 関西エリア:85
- 中部エリア:12
- 東北エリア:22
- 北海道エリア:67
【事業内容】
- 冠婚葬祭互助会(経済産業大臣許可第5006号)
- 一般貨物運送事業
- 一般貸切旅客自動車運送事業
- 一般乗用旅客自動車運送事業
- 第2種旅行業
- その他
【公式サイト】https://www.bellco.co.jp/
ベルコ(シティホール)の歴史
ベルコの歴史は昭和44年(1969年)に兵庫県西宮市で設立された「株式会社 阪神互助センター」に始まります。
昭和50年(1975年)に社名を「株式会社 互助センター」に変更して以降、儀式共済センター(大阪)や玉姫グループ(札幌)の会員を引き受けながら事業範囲を拡大し、昭和62年(1987年)に現社名である「株式会社 ベルコ」となりました。
その後も各地の互助会を吸収するかたちで勢力を拡大し、業務範囲も現在では北海道から九州までの各地に広がっています。
近年では葬儀の小規模化・簡素化に対応すべく、家族葬向けの小規模ホールを「ユアホール」名義で積極的に出店しているようです。
ベルコ(シティホール)に関する数字(財務状況など)
日本では「株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。」と定められています。
そのためベルコでも、決算期ごとに貸借対照表・損益計算書といった決算報告書を公開しています。
ここからはベルコの決算報告書(令和4年3月期)の中から、主要な数字を抽出して紹介します。
会員状況及び施行件数
- 会員口数:261万535口
- 前受金残高:2,793億5千3百万円
- 葬儀施行件数:35,426件
貸借対照表
- 資産合計:3,467億9千4百万円(前年同期比+0.60%)
- 負債合計:2,680億3千6百万円(前年同期比+0.39%)
- 純資産:787億5千8百万円(前年同期比+1.62%)
- 利益剰余金:784億5千6百万円(前年同期比+1.36%)
- 自己資本比率:22.71%(前年同期比+0.23%)
損益計算書
- 売上高:475億8千7百万円(うち葬祭366億2千3百万円・前年同期比+13.94%)
- 営業利益:-18億9百万円
- 経常利益:15億2千1百万円(前年同期比+73.04%)
- 当期純利益:9億6千3百万円(黒字転換)
ベルコ(シティホール)の葬儀プランと費用
近年では詳細な葬儀プランをホームページ上で公開している葬儀社が多くなっていますが、ベルコのホームページでは葬儀プランを明示していません。
そのかわり、大まかな葬儀費用を確認するための「葬儀費用お見積シミュレーション」ページが用意されており、会場や祭壇・オプションなどを選択すると見積もりが確認できるようになっています。
参考までに、関連会社としてベルコ会員の葬儀を取り扱っている「株式会社 阪南互助センター」の「家族葬におすすめのプラン」を紹介します。
ベルコ(シティホール)を利用するメリット・デメリット
冠婚葬祭互助会を含む葬祭事業者はサービス業ですので、他社との差別化を図るべく独自のサービスを打ち出しています。
しかし葬儀に求めるものは人それぞれ異なりますので、各葬儀社が提供するサービスについても好みが分かれるのも当然でしょう。
ベルコが提供するサービスについて、口コミからみた利用者側のメリット・デメリットを解説します。
メリット
ベルコに関する口コミを精査していくと、豊富な資金力をもつ互助会の強みが感じられます。
また現場スタッフの対応に対する「感謝」の声が多いのも印象的でした。
- 大規模な葬儀にも対応可能
- オーダーメイド型契約の「希(のぞみ)」利用で、より希望を反映した葬儀を実現
- 葬祭施設の設備が充実している
- 葬儀に関する経験と知識が豊富で対応力がある
- 知名度が高く安心感がある
- 利用できる葬祭施設が多い
- 現場スタッフの教育レベルが高い
近年では小規模な葬儀が主流となりつつありますが、故人を手厚く見送りたいと希望される方は一定数いらっしゃいます。
大勢の方に見送っていただきたいと希望されるご遺族にとっては、大規模な葬祭施設をもち、施行経験も豊富な大手互助会を選ぶ方が多いようです。
デメリット
葬儀を施行するスタッフに対しては好意的な意見が多いものの、営業担当者に対して批判的な口コミが多い印象です。
冠婚葬祭互助会というシステムにも、時代に合わせた変化が求められているのかもしれません。
- 葬儀費用が割高
- 互助会の積立金だけでは葬儀費用をまかなえない
- 互助会への勧誘がしつこい
- 営業担当者の教育レベルにバラつきがある
- 積立金の解約手続きが面倒
- 解約手数料が不満
積立金の解約手数料については、積立額の20%ほどに設定している互助会も少なくない中、ベルコの解約手数料は比較的良心的です。
各コースの解約手数料は以下のようになっています。
出典:ベルコ契約約款「PC・PD・EWコース」
ベルコ契約約款「PMコース」
所定手数料+75円×積立月数となっているため、満期後の解約手数料は6~8%ほどとなっています。
こういった資料を一般に公開している冠婚葬祭互助会自体少ないので、ベルコの対応は真摯といえるかもしれません。
まとめ
今回はベルコに関するメディアの報道や財務状況に関する数字、口コミサイトなどに寄せられた口コミをもとに、大手冠婚葬祭互助会のベルコについて紹介しました。
利用者から見たメリット・デメリットについても、ご理解いただけたかと思います。
冠婚葬祭互助会は経済産業省の許可事業で、戦後から現在まで続くシステムですが、葬儀の小規模化・簡素化が進む現在では、徐々に需要も減少傾向にあるようです。
そのため大手冠婚葬祭互助会でも、時流に合わせた家族葬向けの小規模斎場を相次いて開設しています。
とはいえ、大規模な葬儀を必要とする層は一定数存在しますし、費用は掛かっても故人を手厚く葬りたいと希望する方も少なくありません。
こうした点を考慮すると、今後の葬儀については、低価格帯と高価格帯の両極化が進む可能性もありそうです。