資格認定系から特化系まで、終活団体7社を紹介

「終活」という言葉とともに生まれた新しい団体

2010年、新語・流行語大賞にノミネートされた「終活」という言葉は、『週刊朝日』が起源といわれています。「人生の終焉を迎えるにあたって行う活動」という意味ですが、その内容は介護・終末期医療・葬儀・墓・相続など多岐にわたり、一人の専門家にあたって解決するようなものではありません。そこで各専門分野の知識を幅広く扱い、相談窓口になる人材が求められ、「終活の専門家」そして「終活団体」が生まれるようになりました。よって終活団体の歴史は浅く、これからますます増えてくると推測されます。

資格認定系から特化系まで!終活団体7社

一口に「終活団体」といっても、数種のタイプがありますので、目的に応じて利用する団体を選ぶ必要があるでしょう。現在のところ、主な団体タイプは以下の3種です。

  • 資格認定系…「終活カウンセラー」や「終活アドバイザー」など、終活にまつわる様々な知識を携えている専門家を養成する団体。セミナーや相談会を公開しているところもある
  • 支援・サポート系…セミナーや相談会を行うだけではなく、シニアの生活支援や身元保証、死後事務委任契約などにより、直接的なサポートサービスを行う団体
  • 特化系…エンディングノートの書き方、デジタル終活など、終活の中でもあるテーマに特化した活動を行っている団体

今回は、3つのタイプそれぞれをピックアップし、合計7社の終活団体をご紹介します。

資格認定系

終活カウンセラー協会

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[団体名] 終活カウンセラー協会

[運営母体]リンテアライン

[事業内容]

終活講座の開催と終活カウンセラー認定資格の授与

[設立]平成23年(2011年)7月12日

[対象エリア]全国

[HP]https://www.shukatsu-csl.jp/

[特長]

終活カウンセラー協会は、民間資格である「終活カウンセラー」の講座開催・試験・資格認定を主な業務としています。相続、遺言、保険、葬儀、墓、介護、健康に関する知識を得て終活カウンセラーとなることで、終活に関する様々な相談に応じることが可能になります。葬祭業、石材業、保険業などの業務に携わる人が資格を取得することで、競合他社との差別化、知識の広範囲化がかない、周辺事業者との連携で新たな事業展開が見込まれます。

代表理事の武藤頼胡氏は、TV番組「ガイアの夜明け」で紹介されるなど、メディアに引っ張りだことなっている、終活カウンセラーの生みの親、育ての親です。また、葬祭業のコンサルタント事業を展開している運営会社、リンテアラインの代表も務めています。

終活アドバイザー協会

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[団体名]終活アドバイザー協会

[運営母体]特定非営利活動法人ら・し・さ

[事業内容]

エンディングノートの発行

各種終活セミナー

終活アドバイザー検定試験の運営・資格発行

[設立]平成15年(2003年)(特定非営利活動法人ら・し・さ)

[対象エリア]全国

[HP]https://shukatsu-ad.com/

[特長]

終活アドバイザー協会は、運営母体の「ら・し・さ」がエンディングノートの発行から事業を展開したこともあり、認定資格である終活アドバイザーは、エンディングノートのアドバイスやセミナーを中核業務として行います。たんに人生の終末や死後のことだけでなく、「自分らしさ」を活かしてシニアの生活を送るためのアドバイスをすることを目的としています。士業、看護師、ケアマネージャー、ファイナンシャルプランナーなどを生業としている人が取得すると、仕事の幅が広がるでしょう。

支援・サポート系

終活支援センター

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[団体名] 終活支援センター

[事業内容]

終活フェア・セミナー・個別相談会の開催

日常生活支援などの生活サポート

遺言・相続・葬儀・散骨・介護・保険・お墓・寺院・老いの住居に関する個別相談

樹木葬墓地「北の森共和縁」の運営

[設立]平成24年(2012年)

[対象エリア]札幌市内

[HP]http://www.syukatsu.or.jp/

[特長]

終活支援センターは、終活にまつわるセミナーや相談だけではなく、日常生活支援などの生活サポートも行っているのが特長です。電話や訪問による安否確認・見守りや食事の宅配、買い物代行に始まり、引越しの手伝いやシニア向けのリフォーム、家電故障への対応、警備会社による防犯設備の設置といった困りごと全般に対応しています。

終活コンシェルジュ

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[団体名]終活コンシェルジュ

[事業内容]

介護施設等への紹介業務

身元保証業務

各種イベント・セミナーの企画運営

終活に関する講師派遣

シニア層の意識調査

シニア層へのマーケティング支援及びシニアリクルート

シニア社交ダンス「踊活」の開催

[設立]平成25年(2012年)

[対象エリア]-

[HP]https://shukatsu.or.jp/

[特長]

終活コンシェルジュでは、身元保証と死後事務委任契約によって、入院・通院・介護といった生きている間のサポートから、お墓・葬儀・相続といった死後のサポートまで一括して依頼できるサービスを行っています。「高島平何でも相談室」として、高島平駅前でコミュニティーカフェを開き、終活に関する悩み相談に応じています。また、日本ダンス議会のプロ競技者によるダンスレッスンを提供する「踊活」を行っているのが特徴的です。高島平区民館の大ホールにて、「身近に行けるダンスホール」として社交ダンスパーティーを開催しています。

終活ジャパン協会

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[団体名] 終活ジャパン協会

[事業内容]

高齢者の生活支援

相続・遺言書作成サポート

エンディングノートの作成/アドバイス

セミナー、交流会、無料相談会の開催

終活講師、専門家の派遣

生前契約の情報提供活動

葬儀及び法事に関する相談

死後事務処理等の受託・斡旋

生前契約金の保全管理斡旋

高齢者住宅身元保証代行

[設立]平成 24 年(2012年) 5 月 20 日

[対象エリア]札幌市

[HP]https://www.shukatsu-jan.com/

[特長]

終活ジャパン協会は、終活セミナーに始まり、シニアの生活支援、生前契約や死後事務処理などの受託・斡旋まで行っています。高齢者住宅の紹介や、福祉施設に移動するための引っ越しや片付けなどのサービスも提供しているため、終活についての知識をつけたい人から直接的な支援を受けたい人まで広く利用できるのが特徴です。エンディングノート「これまでとこれから」の発行も行っています。

特化系

日本デジタル終活協会

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[団体名]任意団体 日本デジタル終活協会 (JDEAI)

[運営母体]Beyond Consulting

[事業内容]

一般市民に対するデジタル終活に関するセミナーの企画・開催

デジタル終活用エンディングノートの保管

死後事務委任契約

デジタル終活用エンディングノートの開発・販売

[設立]平成28年(2016年)1月1日

[対象エリア]セミナー開催は東京。セミナーの様子はWEB動画にて公開

[HP]https://digital-shukatsu.net/

[特長]

日本デジタル終活協会は、パソコンやスマホに保存されたデータ、インターネットサービスのアカウントといったデジタル遺品の問題解決を目指し、終活弁護士の伊勢田篤史氏によって設立されました。行政書士や上級終活カウンセラー、社労士などがサポーターとして協賛しています。パソコンを自由に使える世代がシニアを迎える現代、今後よりいっそうデジタル遺品の問題は深刻化するでしょう。今後の活躍に注目が集まります。

エンディングノート普及協会

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[団体名]特定非営利活動法人エンディングノート普及協会

[事業内容]

エンディングノート書き方講座

終活セミナー講師派遣

終活相談

終活本ブックトーク

[対象エリア]全国

[HP]https://endingnote.or.jp/

[特長]

エンディングノート普及協会は、終活の中でもエンディングノートの書き方についてサポートする活動を中心に行っています。理事長の赤川なおみ氏は年間50回以上の講演実績があり、講師のほか、広報や企画を中心に担当しています。また、「終活本ブックトーク」として、エンディングノートナビゲーター®の家ノ上さくら氏が読むべき終活本を紹介してくれるのも、珍しい取り組みです。

目次

まとめ

自ら終活についての知識をつけ、事業を形成したいのであれば、資格認定系の終活団体にアクセスしましょう。社員に資格を取ってもらい、「終活●●のいる会社」として他社と差をつけるのもおすすめです。また、顧客から直接的なサポートについての相談を受けたときには、支援・サポート系の終活団体に連絡を取ります。ただ、このとき、対応エリアには十分注意が必要です。なお、集客の一環として終活セミナーを開催したいのであれば、特化系を含め、開催したいセミナーの主旨に合う団体を選びましょう。社員向けの勉強会やセミナーを行うときも同様です。

高齢化社会を迎え、終活団体は今後も全国各地に増えていくと予想されます。とくに支援・サポート系であれば、地域に密着したサービスを展開する小さな団体が多く出現するでしょう。常にアンテナを張り、知識やサポートが必要なときには、すぐにアクセスできるようにしたいものです。

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