白木祭壇・花祭壇の時代から、映像を利用した祭壇の時代へ?
白木祭壇が昭和の葬儀を象徴するものだとしたら、花祭壇は平成後半のスタンダードといえるだろう。白木祭壇をアレンジするための造花は「故人らしさ」を追求する中で生花へと発展し、昔ながらの灯籠などの飾り物を省いて生花をメインとする花祭壇が増えてきた。さらにここ最近、業界内で新たにプロデュースされる祭壇に注目すると、映像を多用した商品が目立つ。デジタル遺影やお別れビデオの投影から発展させて、スクリーン自体を祭壇として活用するものだ。令和の世は、デジタル祭壇の時代になるかもしれない。
今回は、そんなデジタル祭壇を開発している会社を含め、オリジナル祭壇を手掛ける業者を8社ご紹介する。母体は葬祭用品の総合メーカーからローソクメーカー、デジタルコンテンツ開発会社まで多彩だ。
オリジナル祭壇を手掛ける業者8社をご紹介
キタジマ
福井県にある株式会社キタジマは、昭和50年創業のブライダル&セレモニー総合商社。40年以上の実績がある幕装飾技術と、安価で上質な反物を手に入れられる地の利を生かして、オーダーメイドやオリジナル祭壇を手掛ける。オリジナル商品もカスタマイズ可能。祭壇のほか、仏衣や布団、棺といった納棺関連商品、鳴物や焼香台、受付机といったホール用品も取り扱っている。
[社名]株式会社キタジマ
[代表]北嶋 さおり
[所在地]福井県福井市高木中央2丁目3214番地
[ホームページ]http:// https://www.kitajima-co.com/
森敬
昭和19年創業の森敬は、宗教用具の製造販売会社。葬儀祭壇のほか、京提灯や京仏灯、蓮華、法要壇を手掛けている。葬儀祭壇は、白木祭壇を裏に回すと近代的でシンプルな祭壇になる、リバーシブルタイプが特徴的。ほか、自宅祭壇や宗派を問わず使用できる装飾を押さえた祭壇なども開発・販売している。
[社名]森敬
[代表]森 一
[所在地]京都市山科区勧修寺閑林寺44番地
[ホームページ]http://www.morikei-net.co.jp/
カメヤマ
カメヤマ株式会社は、昭和2年創業のローソクメーカー。ブランドは、線香・ローソクを主に製造販売する「カメヤマローソク」と、インテリア雑貨やウェディングキャンドルを展開する「kameyama candle house」に分かれる。祭壇としては、キャンドルを儀式の中心に据えたオリジナル祭壇をプロデュースしている。
[社名]カメヤマ株式会社
[代表]谷川 花子
[所在地]大阪市北区大淀中2-9-11
[ホームページ]https://www.kameyama.co.jp/
ペガサスキャンドル
ペガサスキャンドル株式会社は、昭和9年創業のローソク・キャンドルメーカー。長時間ローソク(枕飾り用)、灯明ローソク、献灯など儀式用・寺院用のローソクを豊富に展開している。祭壇としては、家族葬用の「あかり祭壇」を展開。
[社名]ペガサスキャンドル株式会社
[代表]井上 隆夫
[所在地]岡山県倉敷市西阿知町1320-5
[ホームページ]https://www.pegasuscandle.com/
家研
株式会社家研は、葬儀用祭壇や案内板、アクリルボックス、花器など葬儀用品を製造販売する業者。軽量素材を使用した「新ミニKARL祭壇」など、小さく持ち運びしやすい祭壇を手掛けている。アルミやアクリルといった素材で、オリジナル祭壇の製作も行う。
[社名]株式会社 家研
[代表]前田 栄治
[所在地] 大阪府富田林市若松町東2-5-20
[ホームページ]http://sougi.bestnet.ne.jp/goods/kaken/
ラ・ルークス
2017年設立の株式会社ラ・ルークスは、葬儀場の演出設備を専門に手掛ける会社。白い造花をふんだんに取り入れた祭壇にプロジェクションマッピングを投影して、光と鮮やかな色に包まれた儀式空間「RAY FLOWER」をプロデュースする。祭壇の左右に投影されるパネルには、弔電の内容を表示できる。
[社名]株式会社 ラ・ルークス
[代表]齊藤 恵美子
[所在地]東京都中央区銀座1-15-7 MAC銀座ビル3F
[ホームページ]https://la-lux.jp/
中国システム機器
中国システム機器株式会社は、遺影の加工やデジタルサイネージを主とした総合葬祭システムを企画・販売する葬祭関連会社。オリジナル祭壇としては、バーチャル祭壇(シアター祭壇)、祭壇プロジェクションマッピングを手掛けている。ほか、メモリアルコーナーのパネル額や追悼ビデオの製作、大型モニターの貸し出しなども行う。
[社名]中国システム機器株式会社
[代表]池田 堅
[所在地]広島県福山市瀬戸町地頭分2035-12
[ホームページ]http://www.csk-net.co.jp/
レイ・クリエーション
株式会社レイ・クリエーションは、大阪市にあるコンテンツデザインを手掛ける会社。葬儀に始まり、医療・介護・環境・工業デザインなど、他領域に事業展開している。オリジナル祭壇としては、「キネマ葬」をプロデュース。白木祭壇や花祭壇ではなく、スクリーンを置いて自分史の映像や、お経の内容を映像化した経文映像を流す映像祭壇を提案している。なお、生前葬のプロデュース「生前奏」も手掛ける。
[社名]株式会社レイ・クリエーション
[代表]原田 徹朗
[所在地]大阪市中央区高麗橋3-1-8 カルボ高麗橋ビル1・2階
[ホームページ]https://www.raycreation.co.jp/
まとめ
オリジナル祭壇を開発・販売するメーカーは、白木祭壇から映像祭壇までありとあらゆる商材を用意しているというよりは、会社の強みや特徴を活かした祭壇を打ち出しているところが多い。多種多様な祭壇を取り揃えておきたいと思うなら、さまざまな企業と提携する必要があるだろう。
しかし、複数タイプの祭壇を揃えるには多額の資金が必要になってくる。消費者の好みが多様化する現代において、投影する映像ひとつで会場の雰囲気をガラリと変えられるスクリーン祭壇は、安価に顧客満足度をアップさせられるツールとなりえるかもしれない。