全日本宗教用具協同組合は、「供養と仏壇に関する実態調査」を行い、その結果を発表しました。
「仏壇所持者」は祈りをささげる頻度が高く、仏壇が故人を想うきっかけになっているようです。
手を合わせたり祈りをささげるのは「1週間に1回以下」と回答している人が4割を超えており、供養離れも懸念されます。
供養離れ?亡くなった家族に手を合わせる頻度「1年に1回以下」が4人に1人
経済産業省認可の宗教用具業界における唯一の全国的組織である全日本宗教用具協同組合(事務局:東京都千代田区、理事長:池田典明、以下:当組合)は、2024年1月に実施した「供養と仏壇に関する実態調査」の調査結果を発表しました。
●調査の背景
近年、核家族の増加により一家庭あたりの平均人数は2.25人と減少の一途をたどっています。合わせて住まいの狭小化が進行し、部屋数の減少、和室が存在しない住宅も増えています。そうした中で「仏壇離れ」「供養離れ」という言葉を聞くようになりました。そこで、当組合では、「供養」や「仏壇」、「故人に対しての想い」をどのように捉えているか調査を実施いたしました。
●調査の概要
調査名 :供養と仏壇に関する実態調査(2024年)
調査期間:2024年1月12日(金)~1月15日(月)
調査対象:30代以上の男女
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1050件(下記それぞれ350件)
(内 訳):3年以内に喪主経験あり、その際に仏壇を購入した
3年以内に喪主経験あり、その際に仏壇を購入していない
3年以内に喪主経験なし、信仰する宗教を持たない
調査元 :株式会社鎌倉新書(調査協力:株式会社エクスクリエ)
●調査結果サマリー
【全体質問】
- 故人に対して想いを馳せる頻度
「仏壇購入者」と「仏壇非購入者」「宗教持たず」で差あり - 手を合わせたり、祈りをささげる頻度
「仏壇所持者」は特に祈りをささげる頻度が高い仏壇が心の拠り所になり故人を想うきっかけになっている
【仏壇購入者と非購入者への質問】
- 購入金額
購入者のうち約49%の人が10万円~50万円で購入最も多い価格帯は20万円~30万円、次いで30万円~40万円となった。 - 購入場所
購入者の約72%の人が専門店で購入オンラインでの購入より、オフライン(実店舗)での購入が目立つ。 - 購入予定
仏壇非購入者のうち購入予定なしという回答は27.1%
【全体への質問】
1.故人に対して想いを馳せる頻度
「仏壇購入者」と「仏壇非購入者」「宗教持たず」で差あり
「仏壇購入者」「仏壇非購入者」「宗教持たず」それぞれに亡くなった方に対して想いを馳せる頻度を聞いたところ、「1週間に1回以上」という回答と「全くない」という回答で特に大きな差が見られました。
2.手を合わせたり、祈りをささげる頻度
「仏壇所持者」は特に祈りをささげる頻度が高い
仏壇が心の拠り所になり故人を想うきっかけになっている
また、1の質問に対し「全くない」と回答した人を除いて「手を合わせたり、祈りをささげる頻度」を伺ったところ、仏壇を所持している人がより頻度が高いことがわかりました。仏壇が心の拠り所になり故人を想うきっかけになっていることが感じられる結果となりました。
一方、信仰する宗教を持たないに関しては、祈りをささげる頻度も低く、約82%の人が手を合わせたり祈りをささげるのは「1週間に1回以下」と回答しています。また、全体でも「1年に1回以下」と回答した人が約25%になるなど、一定の「供養離れ」を感じさせる結果となりました。
【仏壇購入者と非購入者への質問】
1.購入金額
購入者のうち約49%の人が10万円~50万円で購入
最も多い価格帯は20万円~30万円、次いで30万円~40万円となった。
購入者に仏壇の購入金額をお伺いしたところ約49%が10万円~50万円で購入しており、最も多い価格帯は20万円~30万円、次いで30万円~40万円となりました。仏壇というと仏間にある大きなものがイメージされやすいですが、昨今はリビングなどでも家具との調和が取りやすいコンパクトなサイズ感の仏壇も多く販売され、昔と比較して手に届きやすい価格帯の商品が増えていることが影響していると思われます。
※図表中の「無宗教」は「信仰する宗教を持たない」を文字数の都合にて簡略表記としております。
2.購入場所
購入者の約72%の人が専門店で購入
オンラインでの購入より、オフライン(実店舗)での購入が目立つ。
購入者の仏壇店/仏具屋の店舗・ECサイトを合わせると約72%の人が専門店で購入したと回答する結果となりました。コロナ禍でオンラインでの購買は加速している昨今ですが、店舗で実物を見比べての購入が、全体の約65%という結果でした。
3.購入予定
仏壇非購入者のうち購入予定なしという回答は27.1%
仏壇非購入者に「仏壇の購入予定」を質問したところ、購入予定は無いという回答が70%以上という結果に。しかしながら、その内の45.4%は実家や兄弟の家に仏壇があるなど、「すでに持っている」という回答であり、それを加味すると、非購入者全体の約62%の人が「購入予定がある」または「既に仏壇を持っている」と回答している状況でした。仏壇離れという言葉も耳にする昨今ではありますが、実際に購入予定がないという方は27.1%という結果でした。
購入予定なしの理由としては「子供がいないので永年にわたって保持し続けられない」「スペースがない」など、「仏壇」をはじめとして「故人に手を合わせることができる何か」に必要性は感じているものの、核家族化やおひとり様の課題、住環境に関わる課題などが一定数あることがわかった。
●まとめ
近年、核家族化の進行やおひとり様の増加、住宅環境の変化などがあり、これまでの本家(親族単位)において「仏壇」を祀り、先祖代々を供養してきた伝統的なデザインのものから、ライフスタイルに合うモダンなデザインやコンパクトなサイズのもの、個人が故人を偲ぶ手元供養のようにパーソナルな供養の形も増えています。
今回の調査では、「供養に対する意識」や「故人に対する想い」が多くの方にあることが確認できました。しかしながら、一定の「供養離れ」も感じられる結果となり、当組合では、今後も継続して「供養や祈りの意識変化」を計測していきたいと思うとともに、こうした中で、より多くの要望にフィットした商品展開が必要となってきているとも感じます。
一方で、一定数の方が回答されていた「故人に想いを馳せることがない」という結果に対しては寂しさと、ある種の危機感を感じています。
凶悪な犯罪などが報道される現代、命の重さや人を大切に想う気持ちを大事にしていただくためにも、今後も当組合としてお仏壇の存在意義と、祈りの文化の発信を活動し続けたいと考えています。
【全日本宗教用具協同組合について】
全日本宗教用具協同組合(全宗協)は、より良い宗教用具を安心してお求めいただける価格で提供し、神仏を敬いご先祖を供養することにより、皆様の心の幸せと平和な家庭が築かれることを願うと共に、宗教用具業界の健全な発展を目指します。
- 「中小企業等協同組合法」に基づく経済産業省認可の法人組織で、宗教用具業界における唯一の全国的組織の協同組合です。
- 経営の近代化を推進し、相互扶助の精神に基づき協同事業を行なうなど、会員企業の経済的地位の向上を図ることを目的とした組織です。
会社名 :全日本宗教用具協同組合
設立 :昭和63年(1988年)4月20日
所在地 :東京都千代田区神田司町2-16-7 第二小林ビル2階
理事長 :池田典明
URL :https://www.zenshukyo.or.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-16-7 第二小林ビル2階 TEL:03-6206-0413 FAX:03-6206-0414 Mail:info@zenshukyo.or.jp 問合せフォーム:https://www.zenshukyo.or.jp/contact/ |