互助会、JA葬祭、生協(コープ)の葬儀会員制度をまとめて比較!安いのはどこ⁉

互助会、JA葬祭、生協(コープ)の葬儀。会員メリットの種類整理-min

葬儀を行う際に、まずはネットで検索する方も多いかと思いますが、実は葬儀社にはいくつか種類があるのをご存知でしょうか?
一般の方がイメージするような、いわゆる地元の「葬儀屋さん」は専門葬儀社と呼ばれますが、他にも葬儀を施行している団体が存在します。

そこで今回は葬儀社の種類について、メリット・デメリットも含めて紹介します。
専門葬儀社様にとっても、葬儀業界の全体像を把握するうえで重要な情報となりますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

「葬儀屋さん」以外の葬儀施行団体

葬祭業を開業するにあたっては許認可や届出が必要ないため、正確な葬儀社数は把握できていませんが、おおむね4,000社~5,000社のあいだで推移しているようです。
この中には専門葬儀社や冠婚葬祭互助会以外に、農協(JA)生協などの団体も含まれています。

葬儀施行数における専門葬儀社以外の占める割合

国内で葬儀・葬祭事業を営む事業者のうち、互助会やJA・生協といった会員団体の加入者数は、以下のグラフのように推移しています。

会員数割合

上記人数のうち65歳以上の高齢者が占める割合は、JAが69.51%(7,274,754名)、生協が47.20%(14,150,560名)と、いずれも高い水準となっています。

出典:2021 年度 全国生協組合員意識調査報告書
出典:農林水産省 農業労働力に関する統計

また、全日本葬祭業協同組合連合会の調査によると、葬儀業界における事業形態別の葬儀施行割合は以下の通りです。

葬儀施行シェア
出典:経済産業大臣認可 全日本葬祭業協同組合連合会 2017年4月28日 葬儀業界の現状

冠婚葬祭互助会における葬祭事業の特徴

葬祭業界の中でも、冠婚葬祭互助会事業については、開業に経済産業省の許可が必要なため正確な数値が把握可能で、2022年3月末時点で240社です。

参照元:互助会保障株式会社『データで知る互助会』

近年では「必要なものだけに絞った葬儀」プランが主流となりつつありますが、冠婚葬祭互助会の葬儀は全体的に豪華で高額なものが少なくありません。
特に「非会員」が冠婚葬祭互助会を利用した場合の葬儀費用は、相場よりも高めに設定されています。

しかし冠婚葬祭互助会事業を営む企業は葬祭事業に長く携わっているケースが多く、葬儀施行経験も豊富で経済基盤もしっかりとしているという安心感があります。

葬儀における式場の装飾や事業としてのシステム作りなど、戦後から現在まで冠婚葬祭互助会が葬儀業界を牽引(けんいん)してきました。
小規模な専門葬儀社が苦手とする社葬のような大規模葬儀にも対応可能で、数百人を収容可能な斎場を所有している点は、冠婚葬祭互助会のメリットといえるでしょう。

冠婚葬祭互助会のシステムは、結婚式や葬儀などに備えて月々少額を積み立てておくというものですが、実際のところ積立金だけで葬儀費用がまかなえるわけではありません。
また冠婚葬祭互助会の積立金は、金融機関の積立預金と異なり利息も付きませんし、解約しても積立金の全額が戻らないといったデメリットもあります。

さらに近年では「解約に応じない」「解約手数料が高額」など、さまざまな契約トラブルも発生しており、会員数も減少を続けているようです。

互助会の加入者数
出典:互助会保障株式会社 データで知る互助会

農業協同組合(JA)における葬祭事業の特徴

全国各地に設立された農協は地域ごとに活動しており、葬祭事業の内容も各農協ごとに異なりますが、組合員向けの葬儀内容や費用を明記している例は多くありません。
ここでは葬儀内容と費用を明記している「JA東京中央セレモニーセンター」を参考に、葬祭事業の内容をみていきましょう。

JA葬祭事業の葬儀内容

家族葬プランの費用は33万円(税込)となっていますが、この金額に含まれるのは祭壇飾付・遺族写真・ドライアイス・焼香用具・死亡届と火葬場使用手続き代行・火葬場案内係・企画施行運営管理費のみです。
葬儀に不可欠な搬送費用や安置費用・棺・線香などの消耗品などは、追加オプションとして別途費用が必要となります。

JA葬儀内容
引用元:株式会社JA東京中央セレモニーセンター JAの葬儀プラン家族葬

「JA東京中央セレモニーセンター」様では、見積もり例を掲載されていますので、詳しくは『JA家族葬(2日間)お葬儀見積書例』をご覧ください。

率直に言って、近年の葬儀業界の主流となっている葬儀プランと比較しても、特別に魅力的な葬儀プランとはいいがたい内容となっています。
葬祭事業における農協のシェアは約15%を占めるとされていますが、組合員同士の結束力の強さも影響しているのかもしれません。

JAの葬祭事業における問題点

農業協同組合法によると、農協とは「農業者の協同組織の発達を促進することにより、農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もって国民経済の発展に寄与すること」を目的とした組織とされています。
しかし現在では農業者である正組合員よりも、農業に従事していない准組合員の方が多い状況です。

出典:農林水産省 農協とは(設立方法も含む)

農林水産省の発表によると、2015年~2019年における農協組合員数は、ほぼ横ばい、または微減といった状態が続いているようです。

JA組合員数
出典:農業協同組合新聞『農協の組合員数 1047万人 0.2%減-2019(令和元)年度』

農協の所管省庁は農林水産省で、税の優遇措置などを受けている反面、農業協同組合法(農協法)により規制も受けています。

農協法では、農協の提供するサービスや施設利用などについて、原則として利用可能者を組合員のみに限定されていますが、一部例外となるのが員外利用枠です。
員外利用は組合員の20%までとされていますが、あまり厳格には守られていないのが実情のようです。

農協の組合員数は1,050万人弱と日本の総人口の8.4%ほどである点を考えると、員外利用分を加味しても葬儀施行シェア15%は多すぎるように感じます。

生活協同組合(生協)における葬祭事業の特徴

生活協同組合(生協・コープ)は、都道府県などのエリアごとに地域生協が置かれており、全国的な活動は日本生活協同組合連合会が行っています。
新型コロナの影響による巣ごもり需要から宅配事業が注目を集め、近年では若年層を中心に組合員数を増やしているようです。

生協組合員数
出典:日本生活協同組合連合会 ホームページ

生協の葬祭事業はすべての地域生協が行っているわけではなく、また事業形態も「直営型」と「提携型」に分かれます。
生協における「直営型」葬祭事業の内情は表に出ることが少ないため、ここでは神奈川県・山梨県・静岡県をサービスエリアとしている「コープライフサービス」の「提携型」葬祭事業を例にとって紹介します。

「コープライフサービス」では、コープのお葬式 『ラビュー(しずおか)』・『ゆきげ葬(かながわ)』・『ゆきげ葬(やまなし)』という名称で葬祭事業を行っています。
『ゆきげ葬(かながわ)』・『ゆきげ葬(やまなし)』は提携葬儀社への斡旋事業で、通夜・葬儀を行う家族葬の基本プランは、38万円(税込41万8000円)の「プラン38」となっているようです。

また静岡県では葬儀社「家族葬のラビュー」と提携して『ラビュー(しずおか)』の名称でサービスを提供しています。
「家族葬のラビュー」の「家族葬プラン38」と『ラビュー(しずおか)』は、内容・費用ともに同一で、「コープライフサービス」の葬送事業のベースとなっているようです。

ラビューしずおかファミリープラン
ラビューしずおかセット内容
引用元:コープライフサービス コープのお葬式「ラビュー(しずおか)」

ただし『ラビュー(しずおか)』を38万円(税込41万8000円)で利用するためには、入会金1,000円を支払って「家族葬のラビュー」の会員制度「ラビュー倶楽部」への加入が必要となっています。
生協組合員であれば、葬儀費用総額の0.5%割引が適用されるようですが、大きな利用メリットは感じられません。

あくまでも現時点での印象となりますが、生協は組合員数こそJAより多いものの、組合員同士の交流の深さはJAには及ばないため、生協の葬祭事業がJAのような大きなシェアを占める可能性はさほど高くないでしょう。

専門葬儀社の主な競合相手

ここまでは冠婚葬祭互助会・農協・生協といった会員・組合団体について紹介してきましたが、専門葬儀社様の競合相手は他にも存在します。
その中でも影響力の大きい勢力について、みていきたいと思います。

電鉄系・ホテル

少人数で営む小規模な家族葬が増加するにつれて、葬儀に参列できない故人の友人・知人などから不満がでるケースも少なくありません。
葬儀後に大勢の弔問客が喪家を訪れるケースもあり、対応に追われて疲れてしまう遺族もいるようです。

こういった事情から「お別れ会」「偲ぶ会」の需要が高まりつつあるようで、現在では多くのホテルが参入しています。
かつて収益の柱だったブライダル事業が壊滅的な状況となったホテル業界にとって、パーティー形式で行われる「お別れ会」のもつ可能性に期待を抱くのは当然のことといえるでしょう。

また事業の多角化戦略をとる鉄道業界からも、葬儀事業への参入が相次いでいます。
電鉄系の最古参は阪急電鉄で、1995年に阪急メディアックスを立ち上げて葬儀業界参入を果たしました。
続いて南海電鉄グループや京急グループ・京王グループ・東急グループが次々と名乗りを上げ、その後も電鉄系の葬祭事業は増え続けています。

他業種から葬儀業界への参入が相次いだ背景には、葬儀の小規模化・簡素化があります。
かつてほど大規模な式場建設が必要なくなり、少ない資本での事業立ち上げが可能となったのが大きな要因です。

もともと葬儀業界には参入障壁となる関連法令などがなく、他業種からの業界参入は比較的容易であることから、今後も他業種からの参入が続く可能性が高いでしょう。

葬儀ポータル+アフィリエイト

アフェリエイト

葬儀社ではないため厳密には競合とは呼べないかもしれませんが、葬儀ポータルサイトが葬儀業界に与えた影響は凄まじいものがあります。

近年までの葬儀業界は新規参入も活発ではなかったため、積極的な集客を行わなくとも多くの専門葬儀社は事業を継続できる状況でした。
また人の死に関わるという事業の特殊性もあり、積極的な広告などを行いにくい風潮があったように思います。

そのため異業種からの新規参入が相次ぎ競合が一気に増えると、地方の中小葬儀社様は集客に苦戦する結果になりました。

葬儀に関する豊富な知識と経験をもちながら、広報戦略に難のある葬儀業界をターゲットに事業を展開したのが、Web集客を得意とする葬儀ポータルサイトです。
葬儀ポータルサイトに不満を抱く葬儀社様は少なくないでしょうが、それまで料金体系が不明瞭で閉鎖的だった葬儀業界に、変革をもたらしたのは紛れもない事実でしょう。

顧客満足度の向上や利用者のニーズに応えるための施策はビジネスの基本ですが、かつての葬儀業界には危機感が不足していたのではないでしょうか?
そのことに気づかせてくれた点は、葬儀ポータルサイトの功績といえるでしょう。

インターネットが普及した現在では誰もが情報を発信できるため、個人ブログでもアフィリエイト広告による収益化が可能です。
葬儀についてWeb検索する利用者に対して、葬儀ポータルサイトへのアクセスを促すアフィリエイト広告からの流入も含めると、葬儀ポータルサイトの集客力は今後の葬儀業界においても一定の影響力を持つと思われます。

そのため集客力をもたない葬儀社様は、残念ながら今後も葬儀ポータルサイトに搾取され続けることになるでしょう。葬儀ポータルサイト依存からの脱却を図るためには、自社の集客力を高めるほかありません。

地元の「葬儀屋さん」が生き残るために出来ること

葬儀の小規模化・簡素化による葬儀施行単価の減少は深刻な問題ですが、中小葬儀社様にとっては悪いことばかりではありません。

葬儀業界で大きな力を持ってきた冠婚葬祭互助会は、影響力や存在意義を減じつつあるため、シェア奪還のチャンスともいえます。
そのためには利用者にとって魅力的な葬儀プランの開発や、自社独自の取り組みが必要です。

自社での集客方法の確立

ホームページ

現在でもテレビCMによる告知効果は高いですが、莫大な費用が必要になるのが難点です。
しかしインターネットが普及した現在では、コストパフォーマンスが高い情報発信方法も多数存在します。

ホームページ強化による情報発信の強化と集客力の向上

中小葬儀社様でも公式ホームページを開設していると思いますが、10年以上前の構成のままのホームページや、情報を更新していないケースも少なくありません。
ホームページはただ設置しておけばよいというものではなく、利用者の目に触れてはじめて意味をもちます。

今では比較的安価でホームページリニューアルを請け負ってくれる業者もありますので、運用も含めて相談するのも方法の一つです。

SNSによる利用者との接点拡大

TwitterやFacebook・InstagramなどのSNSサービスやYouTubeは、基本的に無料で利用できる情報発信ツールです。
しかもスマートフォンが普及した現在では、Web検索よりもSNSで情報を探すユーザーの方が多いという説もあります。

さらにSNSやYouTubeは、一方的な情報発信だけでなく双方向コミュニケーションが可能という特徴をもつため、企業としては上手に利用したいところです。

高齢者の多い地域ではチラシの方が効果的な場合も

チラシ

通信技術が発達した現在でも、誰もがPCやスマートフォンを使いこなしているわけではありません。
特にご年配の方が多い地域では、従来のチラシ配布のほうが効果を発揮する場合もあります。

少人数だからこそ|地域の寺院と連携した「寺院葬」

寺院とのつながりが強い地域や、都市部など自宅での葬儀が困難な地域では一般的に行われてきた「寺院葬」ですが、近年になって再注目されつつあります。
公営・民営の斎場とは違った厳か(おごそか)な雰囲気が、利用者に安心感を与えるようです。

宗派寺院での葬儀は利用者も安心

寺院

現在では公営・民営霊園にお墓を建立し、菩提寺をもたない方も少なくありません。
そのため葬儀の際に、葬儀ポータルサイトや葬儀社の僧侶派遣サービスを利用する方もいらっしゃいます。

しかし派遣されてきた僧侶が、自分の信仰する宗派の僧侶であることを証明する方法はありません。
過去には葬儀社から紹介された僧侶が、実は他宗派の僧侶だったというトラブルも発生しており、訴訟にまで発展しています。

朝日新聞デジタル 2019年12月13日【宗派偽り葬儀で読経した僧侶を提訴 遺族におわびで発覚】

しかし「寺院葬」であれば、こういったトラブルに巻き込まれることはないでしょう。

利用者と寺院をつなげることで葬儀社にメリットも

葬儀後も仏事は続きますが、菩提寺をもたない方が「寺院葬」で僧侶との接点を持つことで、法事も同じ寺院を頼る可能性は高いでしょう。
もし「寺院葬」の満足度が高ければ、取り仕切った葬儀社が利用者との信頼関係を築くハードルも下がります。

また自社の式場を使用しない「寺院葬」が行われた場合、他の利用者からの葬儀依頼を受けられますので、式場を効率的に利用できます。
さらに「寺院葬」専門部署を立ち上げられるだけの集客ができれば、安置施設の増設のみで葬儀施行数の増加に対応可能です。

葬儀のもつ意義を利用者にアピールするうえで、お寺さんほど適した相手はいないでしょう。

まとめ

今回は専門葬儀社以外の葬儀・葬祭事業を営む団体について、特徴やメリット・デメリットを紹介しました。
ここから見えてきたのは、巨大な資本力をもたない中小葬儀社様であっても、大きな組織に対抗できる時代の到来です。
葬儀の小規模化・簡素化の進行は葬儀単価の下落を招きましたが、中小葬儀社様にとっては顧客獲得のチャンスにもなっています。

2040年頃にピークを迎えるとされる多死社会に向けて、他業種からの新規参入が相次いだ葬儀業界ですが、すでに飽和状態から淘汰にフェーズが移行しています。
葬儀社や冠婚葬祭互助会同士での吸収合併の動きも加速しており、各地の中小葬儀社様も当事者になる可能性は少なくありません。

しかし地域で長く葬儀業を営まれてきた各地の葬儀社様には、もともと地域の方々から支持を集めるだけの魅力は備わっているはずです。
地元の葬送習慣や住民のタイプを熟知した葬儀社様であれば、いかに自社の強みをアピールできるかが事業存続のカギとなります。

利用者の傾向や地域の特色に合った方法で情報が発信できれば、自社での集客力向上は可能ですし、大手葬儀社や葬儀ポータルの力を借りる必要はなくなります。
広告戦略が不得手な葬儀社様は、ホームページ制作から企画立案まで低予算でサポートする企業もありますので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

★お問合せフォーム https://souken.info/contact-inquiry/

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