株式会社メモリード宮崎~メモリードホール~┃冠婚葬祭互助会の業績・利益をまとめて分析

葬儀社の売上・利益・業績を調べる場合、上場しているなら決算発表情報・有価証券報告書をみれば分かります。非上場になると帝国データバンク(TDB)か、商工リサーチ(TSR)、はたまた日経テレコンで調べるのが一般的ですが、いずれも有料です。
ちょっと知りたい、ざっくり今すぐ把握したい、売上・利益・業績の比較をしてみたい、そんな方に向けてまとめました。

今回は株式会社メモリード(群馬)の現状について、決算公告をもとに分析いたします。
決算公告は上場企業の決算資料ほど詳細ではありませんが、事業の大まかな状況はつかめますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

株式会社メモリード宮崎の概要

株式会社 メモリード宮崎は総合本部を長崎県に構えるメモリードグループに属し、宮崎県を主な営業エリアとして活動しており、県内に32の葬祭場と婚礼施設を6施設を運営しています。

メモリードグループは営業エリアによって、3社に分かれているようです。

株式会社メモリード東京は、2022年12月にメモリード(関東)と合併して権利義務を承継されました。

メモリードグループの、2024年5月現在の会員状況及び施行件数は以下のとおりです。

  • 互助会口数:997,180口
  • 年間挙式件数:3,296件
  • 年間葬儀件数:19,419件

メモリード宮崎は、昭和63年10月に「株式会社セレモニー宮﨑」として設立され、平成元年9月に宮崎県下6地区で営業活動を開始し、平成28年9月に「株式会社 メモリード宮崎」と社名変更しました。

【名称】株式会社 メモリード宮崎
【設立】1988年(昭和63年)10月
【代表取締役】吉田 明夫
【所在地】宮崎県宮崎市青葉町5-1
【公式サイト】https://www.memolead-miyazaki.co.jp/
【事業内容】・婚礼事業
      ・葬祭事業
      ・ホテル事業
      ・貸衣裳事業
      ・レストラン事業事業
      ・写真スタジオ事業
      ・保険事業
      ・葬儀相談センター
      ・製菓事業
      ・自動車関連事業
      ・旅行事業
       他

出典:株式会社 メモリード宮崎 会社概要

■メモリード宮崎の葬祭場一覧(2024年6月現在)

  • 宮崎メモリードホール:宮崎市錦町6-11
  • 住吉メモリードホール:宮崎市島之内井手下7334-2
  • 恒久メモリードホール:宮崎市大字恒久4520-5
  • 清武メモリードホール:宮崎市清武町木原101-1
  • 都城メモリードホール:都城市栄町15-1-2
  • 川東メモリードホール:都城市下川東3丁目20-10
  • 三股メモリードホール:北諸県郡三股町大字宮村2864-1
  • 小林メモリードホール:小林市北西方種子田158-1
  • 小林堤メモリードホール:小林市堤2961-12
  • 延岡メモリードホール:延岡市川原崎町410
  • 伊達メモリードホール:延岡市伊達町1-5896-5
  • 佐土原北メモリードホール:宮崎市佐土原下田島9086
  • 西都メモリードホール:西都市調殿1051-1
  • メモリード青葉会館:宮崎市青葉町8-1
  • えびのメモリードホール:えびの市坂元49-1
  • 鷹尾メモリードホール:都城市鷹尾1-11-5
  • 第一葬祭ライムホール:宮崎市高松町4-11
  • 日南メモリードホール:日南市上平野町2丁目6-9
  • 佐土原南メモリードホール:宮崎市佐土原町下那珂8021-1
  • 高鍋メモリードホール:宮崎県児湯郡高鍋町持田1421-1
  • 綾の杜ホール:東諸県郡綾町北俣949-1
  • 大塚メモリードホール:宮崎市大塚町時宗1713
  • 南郷メモリードホール:日南市南郷町中村甲3423
  • 大坪メモリード:宮崎市大坪東2丁目21-3
  • 土々呂メモリード:延岡市土々呂町6丁目1080-3
  • 花ヶ島メモリード:宮崎市花ヶ島町観音免932-2
  • 志比田メモリード:都城市志比田町5752-3
  • 権現メモリード:宮崎市権現町138-4
  • 愛宕山メモリードホール:延岡市伊達町1-5896-5
  • 国富メモリードホール:宮崎県東諸県郡国富町本庄1964
  • 新富メモリードホール:児湯郡新富町上富田7315
  • 月見ヶ丘メモリードホール:宮崎市本郷北方2237-6

葬儀社の決算公告とは

決算公告資料はその会社が健全な経営を行っているかを確認できる計算書類となります。株式会社は定時株主総会の後に貸借対照表を公告する義務があり、その行為を決算公告といいます。

ただし、大会社については貸借対照表と合わせて損益計算書も公告することが義務付けられています。
次の2つの条件のうちいずれか1つが該当する株式会社は「大会社」という定義になります。
1つ目は資本金が5億円以上、2つ目は負債額が200億円以上の株式会社のいずれかとなります。

公告の方法は全部で3つあります。

  • 官報に掲載
  • 日刊新聞紙に掲載
  • 電子公告(会社のウェブサイトに掲載)

決算公告の簡単な概要については以上になります。
なお上場企業の決算報告書(有価証券報告書)はEDINETで公開されており、誰でも閲覧可能で
す。

なぜ葬儀社は決算公告をおこなうのか?

大手葬儀社、あるいは葬儀・葬祭事業を長きにわたって営んでいる会社は、冠婚葬祭互助会を運営するケースが少なくありません。

冠婚葬祭互助会とは、冠婚葬祭などの行事に備えるために、毎月一定の掛金を複数回の支払いで積み立てるサービスです。
冠婚葬祭互助会の会員になることで、葬儀や婚礼といったライフイベントの際に会員割引を受けられるなど、さまざまな面で優遇されます。

一般的な専門葬儀社は、開業にあたって特に許認可は必要ありませんが、冠婚葬祭互助会は経済産業大臣の認可を受けた企業のみ行える事業です。

出典:一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会ホームページより
https://www.zengokyo.or.jp/about/gojokai/fabric/

会員から掛金として支払われた前受金は割賦販売法によって積み立てられた前受金の2分の1を次の何らかの方法で保全することが義務付けられています。

  • 法務局への供託
  • 経済産業省の指定する保証会社との供託委託契約締結
  • 銀行や信託会社などの金融機関と供託委託契約締結

以上の3つの方法のいずれかを選択する必要があります。
また、経済産業省は割賦販売法に基づき互助会事業の経営指導や立入検査等を行っています。

なお現在、冠婚葬祭互助会事業者として登録されている事業者は以下より確認することができます。

経済産業省 前払式特定取引業者(冠婚葬祭互助会)許可事業者一覧

上記のように、冠婚葬祭互助会では政府・行政の認可団体として運営している側面があり、義務である決算公告を発表する事業者が多い状況です。

メモリード宮崎の貸借対照表

決算期30期31期32期33期34期35期
利益剰余金8億1千5百万円8億8千4百万円10億8千5百万円8億1千9百万円8億4千8百万円9億8千0百万円
会計年度2018年5月期2019年5月期2020年5月期2021年5月期2022年5月期2023年5月期
資産流動資産30億4千5百万円30億2千8百万円28億1千2百万円25億8千8百万円25億2千3百万円24億7千1百万円
固定資産116億9千7百万円117億9千8百万円125億3千0百万円129億4千2百万円131億8千0百万円136億6千5百万円
有形固定資産
無形固定資産
投資その他の資産
繰延資産4千2百万円3百万円2百万円2百万円
資産合計147億8千4百万円148億2千6百万円153億4千2百万円155億3千3百万円157億0千5百万円161億3千8百万円
負債流動負債112億3千7百万円16億2千8百万円20億0千5百万円19億3千9百万円21億5千3百万円22億5千8百万円
役員賞与引当金
賞与引当金
その他
固定負債21億3千4百万円117億2千3百万円116億7千2百万円121億9千4百万円121億2千4百万円123億1千8百万円
退職給付引当金1億2千2百万円1億1千8百万円1億2千0百万円1億2千1百万円
雑収入復活引当金
役員退職慰労引当金
その他
負債の部計133億7千1百万円133億5千1百万円136億7千7百万円141億3千3百万円142億7千7百万円145億7千6百万円
純資産株主資本14億1千5百万円14億8千4百万円16億8千5百万円14億1千9百万円14億4千8百万円15億8千0百万円
資本金6億0千0百万円6億0千0百万円6億0千0百万円6億0千0百万円6億0千0百万円6億0千0百万円
 資本余剰金
資本準備金
その他資本余剰金
 利益剰余金8億1千5百万円8億8千4百万円10億8千5百万円8億1千9百万円8億4千8百万円9億8千0百万円
利益準備金
特別償却準備金
その他利益剰余金8億1千5百万円8億8千4百万円10億8千5百万円8億1千9百万円8億4千8百万円9億8千0百万円
評価・換算差額等
その他有価証券評価差額金
(うち当期純損失)
新株予約権
評価・換算差額等-2百万円-9百万円-2千0百万円-1千9百万円-2千0百万円-1千8百万円
その他有価証券評価差額金
純資産の部計14億1千3百万円14億7千5百万円16億6千5百万円14億0千0百万円14億2千8百万円15億6千2百万円
負債・純資産合計147億8千4百万円148億2千6百万円153億4千2百万円155億3千3百万円157億0千5百万円161億3千8百万円

貸借対照表でまずチェックしたい箇所は純資産の部です。総資産に対する純資産の比率である自己資本比率が高いほど、その企業の経営状態は良好であると考えられます。
例えば自己資本比率が50%以上であれば、経営状態は良好とされています。

自己資本比率が低い場合は、借入金などの負債が多い状況と考えられますので、資金繰りが厳しいと予測ができます。
一方で自己資本比率が高い場合は、返済義務を有しない資金を大量に抱えているので、倒産リスクは低くなると考えられます。

自己資本比率は中長期的にその企業の安定性を確認できる指標ですが、最適な自己資本比率は業種によって大きく異なります。

例えば固定資産(建物や土地や機械など)を多く抱えている業種(製造業や鉄道会社)は最低でも20%程度はあると安心です。
逆に流動資産(ソフトウェアや”のれん”など)を多く抱えている業種(IT企業や卸売業)は最低でも15%程度は欲しいところです。

※のれん:その会社が持つ技術やブランドで、目には見えない価値の高い資産のこと

メモリード宮崎の自己資本比率は9.68%

自己資本比率は「自己資本比率(%)=純資産÷総資産×100の計算式で算出可能です。
メモリード宮崎の2023年5月期の自己資本比率を求める式は下記のようになります。

15億6千2百万円(純資産)÷ 161億3千8百万円(総資産)×100=9.68
上記の式から同社の自己資本比率は9.68%(前年比で0.59ポイント増加)となりました。

メモリード宮崎 利益剰余金の推移

利益剰余金とは簡単に言うと会社の貯金のようなもので、その会社の生んだ利益を分配せずにコツコツと社内で貯めたお金です。正確な会計用語ではないですが利益剰余金のことを内部留保とも言います。
内部留保は恐らく聞き馴染みのある単語だと思います。利益剰余金は貸借対照表で言うところの純資産の部に記載があります。

内部留保(利益剰余金)が多くあればあるほど、金融危機などの影響で収益状況が悪化した際にも、従業員の給与や固定費の支払いに活用できるため、企業が生き残るための重要な資金源となります。

株式会社メモリード宮崎の場合は以下のように推移しております。

メモリード宮崎の2023年5月期の利益剰余金は、9億8千0百万円(前年同期比15.57%増)となりました。

メモリード宮崎の利益剰余金は、新型コロナの影響が最も大きかったと思われる2021年5月期に減少しましたが、2022年5月期では増加に転じています。
2023年5月期にはさらに増加し、コロナ前の2019年5月期を上回り、過去6年で2番目に高い数値となりました。

メモリード宮崎の損益計算書

損益計算書を確認することで、当該企業が「どれだけ売り上げ(=収益)」「費用を何に使って(=費用)」「どれくらいの儲けが出たのか(=利益)」が一目で分かるものです。
特に注目したい項目は、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益となります。

損益計算書

決算期30期31期32期33期34期35期
会計年度2018年5月期2019年5月期2020年5月期2021年5月期2022年5月期2023年5月期
売上高53億6千5百万円51億8千8百万円46億7千8百万円31億2千6百万円40億0千8百万円48億8千2百万円
売上原価17億6千8百万円17億0千1百万円15億4千0百万円11億7千3百万円15億1千8百万円18億7千3百万円
売上総利益35億9千6百万円34億8千7百万円31億3千8百万円19億5千3百万円24億9千0百万円30億0千9百万円
販売費及び一般管理費33億7千8百万円33億1千7百万円29億3千4百万円24億8千2百万円25億5千4百万円27億5千4百万円
営業利益2億1千8百万円1億6千9百万円2億0千3百万円-5億2千9百万円-6千4百万円2億5千5百万円
営業外収益8千8百万円9千6百万円9千3百万円3億0千1百万円2億4千9百万円1億1千2百万円
営業外費用9千9百万円1億0千8百万円8千4百万円1億0千8百万円9千2百万円1億1千2百万円
経常利益2億0千6百万円1億5千8百万円2億1千2百万円-3億3千6百万円9千3百万円2億5千5百万円
特別利益1千8百万円-1億1千2百万円-9百万円-
特別損失5千5百万円--1百万円1千7百万円4千0百万円
税引前当期純利益1億5千1百万円1億5千8百万円2億9千6百万円-3億3千7百万円8千5百万円2億1千5百万円
法人税、住民税及び事業税5千6百万円9千2百万円9千0百万円1百万円3千1百万円4千7百万円
法人等調整額-4百万円-3百万円5百万円-7千2百万円2千5百万円3千6百万円
当期純利益9千8百万円6千8百万円2億0千0百万円-2億6千6百万円2千9百万円1億3千2百万円

メモリード宮崎の損益計算書を確認すると、売上高は前年同期を上回っており、経常利益・当期純利益は黒字転換しています。

売上金額の推移

メモリード宮崎の2023年5月期の売上高は、48億8千2百万円(前年同期比21.81%増)となっています。

売上高も利益剰余金と同様に、新型コロナの影響を受けたとみられる2021年5月期に大きく減少しましたが、翌年には増加に転じ2023年5月期では、2020年5月期よりも2億円以上増加しており、順調に回復しています。

営業利益の推移

営業利益とは、売上総利益から販管費(=販売費および一般管理費)を差し引いて算出されます。つまり、どのくらい本業で儲ける能力があるかを表す数字となります。

メモリード宮崎の2023年の営業利益は、2億5千5百万円(前年同期比3億1千9百万円増)となりました。

2021年5月期と2022年5月期には営業損失が発生していましたが、2023年5月期には、前年より3億円以上増加して大きく回復し、過去6年で最高額となっています。

経常利益の推移

経常利益はその会社の実力が一番分かる数字で、本業以外の稼ぎ(金融商品、株、為替などの取引で発生した利益)も含めその会社全体でどれだけ稼ぐ力があるか分かります。

メモリード宮崎の2023年5月期の経常利益は、2億5千5百万円(前年同期比174.2%増)となっています。

2021年5月期はコロナの影響が大きかったとみられ、経常損失が発生していましたが、2022年5月期には黒字となって回復しました。
2023年5月期には、前年より1億6千万円以上増加し、営業利益と同様に過去6年で最高額となりました。

株式会社メモリード宮崎のまとめ

今回は株式会社メモリード宮崎の決算公告を参考に、現状分析をおこないました。
新型コロナの影響が最も大きかった、2020年から2021年にかけて、葬儀業界は大きな打撃を被りましたが、メモリード宮崎も同様だったようです。

しかしその後、2023年5月期の決算では利益剰余金、売上高、営業利益、経常利益すべてにおいて2022年5月期より増加し、大変順調な回復をみせています。
2023年から2024年にかけても宮崎県内にホールを新設し、事業を拡大させていることにも要因がありそうです。

2023年5月にはコロナも5類に移行し、葬儀業界も回復傾向にあるようですので、引き続きメモリード宮崎の決算公告に注目したいと思います。

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