株式会社メモリード(関東)┃冠婚葬祭互助会の業績・利益をまとめて分析

株式会社メモリード アイキャッチ

葬儀社の売上・利益・業績を調べる場合、上場しているなら決算発表情報・有価証券報告書をみれば分かります。非上場になると帝国データバンク(TDB)か、商工リサーチ(TSR)、はたまた日経テレコンで調べるのが一般的ですが、いずれも有料です。
ちょっと知りたい、ざっくり今すぐ把握したい、売上・利益・業績の比較をしてみたい、そんな方に向けてまとめました。

今回は株式会社メモリード(関東)の現状について、決算公告をもとに分析いたします。
決算公告は上場企業の決算資料ほど詳細ではありませんが、事業の大まかな状況はつかめますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

株式会社メモリード(関東)の概要

株式会社 メモリード(関東)は、総合本部を長崎県に構えるメモリードグループに属し、東京都、埼玉県、群馬県を主な営業エリアとして冠婚葬祭互助会事業をおこなっています。
2024年6月現在、東京都で9か所、埼玉県で12か所、群馬県で41か所の葬祭ホールを運営しています。

メモリードグループは営業エリアによって、以下の3社に分かれているようです。

株式会社メモリード東京は、2022年12月にメモリード(関東)と合併して権利義務を承継されました。

メモリードグループの、2024年5月現在の会員状況及び施行件数は以下のとおりです。

  • 互助会口数:997,180口
  • 年間挙式件数:3,296件
  • 年間葬儀件数:19,419件

株式会社 メモリード(関東)は、東京都千代田区に東京本社、群馬県前橋市に群馬本社を置き、葬祭ホールのほかにも、結婚式場やレストランなど幅広いサービスを提供しています。

2024年6月には火葬場に隣接している、群馬県中之条町の民間葬儀場「ひさよ斎場」と提携したことを発表しました。

【名称】株式会社 メモリード(関東)
【設立】1981年(昭和56年)6月
【代表取締役】吉田 卓史
【所在地】東京本社:東京都 千代田区 大手町 2-1-1
          大手町野村ビル 9階
     群馬本社:群馬県前橋市大友町1-3-14
【公式サイト】https://kanto.memolead.co.jp/
【事業内容】・婚礼事業
       ・葬祭事業
       ・互助会事業
       ・ホテル事業
      ・貸衣裳(レンタル衣裳)事業
      ・婚活事業
      ・終活事業
      ・レストラン事業
      ・洋菓子販売事業
      ・保険・共済代理店事業
      ・ウェルネス事業
      ・IT事業

出典:株式会社 メモリード(関東)会社概要

また、株式会社 メモリード(関東)のグループ法人は以下のとおりで、16事業に取り組んでいます。

◆ 東京

◆ 埼玉

  • 株式会社あおば交通関東
  • 株式会社トータルライフネット埼玉

◆ 群馬

葬儀社の決算公告とは

決算公告資料はその会社が健全な経営を行っているかを確認できる計算書類となります。株式会社は定時株主総会の後に貸借対照表を公告する義務があり、その行為を決算公告といいます。

ただし、大会社については貸借対照表と合わせて損益計算書も公告することが義務付けられています。
次の2つの条件のうちいずれか1つが該当する株式会社は「大会社」という定義になります。
1つ目は資本金が5億円以上、2つ目は負債額が200億円以上の株式会社のいずれかとなります。

公告の方法は全部で3つあります。

  • 官報に掲載
  • 日刊新聞紙に掲載
  • 電子公告(会社のウェブサイトに掲載)

決算公告の簡単な概要については以上になります。
なお上場企業の決算報告書(有価証券報告書)はEDINETで公開されており、誰でも閲覧可能で
す。

なぜ葬儀社は決算公告をおこなうのか?

大手葬儀社、あるいは葬儀・葬祭事業を長きにわたって営んでいる会社は、冠婚葬祭互助会を運営するケースが少なくありません。

冠婚葬祭互助会とは、冠婚葬祭などの行事に備えるために、毎月一定の掛金を複数回の支払いで積み立てるサービスです。
冠婚葬祭互助会の会員になることで、葬儀や婚礼といったライフイベントの際に会員割引を受けられるなど、さまざまな面で優遇されます。

一般的な専門葬儀社は、開業にあたって特に許認可は必要ありませんが、冠婚葬祭互助会は経済産業大臣の認可を受けた企業のみ行える事業です。

出典:一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会ホームページ

会員から掛金として支払われた前受金は、割賦販売法によって積み立てられた前受金の2分の1を、次のいずれかの方法で保全することが義務付けられています。

  • 法務局への供託
  • 経済産業省の指定する保証会社との供託委託契約締結
  • 銀行や信託会社などの金融機関と供託委託契約締結

以上の3つの方法のいずれかを選択する必要があります。
また、経済産業省は割賦販売法に基づき互助会事業の経営指導や立入検査等を行っています。

なお現在、冠婚葬祭互助会事業者として登録されている事業者は以下より確認することができます。

経済産業省 前払式特定取引業者(冠婚葬祭互助会)許可事業者一覧

上記のように、冠婚葬祭互助会では政府・行政の認可団体として運営している側面があり、義務である決算公告を発表する事業者が多い状況です。

メモリード(関東)貸借対照表

決算期37期38期39期40期41期42期
利益剰余金-5億4千4百万円-3千4百万円-2億7千1百万円-2億0千9百万円-1億0千8百万円5百万円
会計年度2018年5月期2019年5月期2020年5月期2021年5月期2022年5月期2023年5月期
資産流動資産44億5千1百万円39億1千7百万円39億9千9百万円39億3千1百万円36億9千1百万円48億9千0百万円
固定資産319億7千8百万円327億5千3百万円326億9千2百万円330億9千5百万円344億0千5百万円384億3千0百万円
有形固定資産276億6千6百万円277億7千7百万円277億6千4百万円278億9千5百万円290億3千3百万円312億2千3百万円
無形固定資産5千8百万円5千9百万円6千7百万円8千5百万円1億2千2百万円3億5千8百万円
投資その他の資産42億5千2百万円49億1千6百万円48億6千0百万円51億1千5百万円52億4千8百万円68億4千8百万円
繰延資産1億4千4百万円3千7百万円2千9百万円2千2百万円1千4百万円6百万円
資産合計365億7千3百万円367億0千7百万円367億2千0百万円370億4千8百万円381億1千0百万円433億2千6百万円
負債流動負債325億2千0百万円41億1千3百万円38億5千9百万円36億0千2百万円45億5千5百万円55億1千0百万円
役員賞与引当金
賞与引当金
その他
固定負債31億5千2百万円316億9千2百万円321億9千8百万円327億2千1百万円327億3千1百万円368億9千4百万円
退職給付引当金1億7千1百万円1億8千1百万円1億8千6百万円1億9千5百万円2億0千4百万円2億4千9百万円
雑収入復活引当金
役員退職慰労引当金
その他
負債の部計356億7千2百万円358億0千5百万円360億5千7百万円363億2千3百万円372億8千6百万円424億0千4百万円
純資産株主資本8億9千5百万円9億0千5百万円6億6千8百万円7億3千1百万円8億3千1百万円9億2千0百万円
資本金9億9千5百万円4億9千5百万円4億9千5百万円4億9千5百万円4億9千5百万円4億9千5百万円
 資本余剰金4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円
資本準備金4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円4億4千5百万円
その他資本余剰金
 利益剰余金-5億4千4百万円-3千4百万円-2億7千1百万円-2億0千9百万円-1億0千8百万円5百万円
利益準備金
特別償却準備金
その他利益剰余金-5億4千4百万円-3千4百万円-2億7千1百万円-2億0千9百万円-1億0千8百万円9千7百万円
評価・換算差額等
その他有価証券評価差額金
(うち当期純損失)
新株予約権
評価・換算差額等4百万円-4百万円-5百万円-6百万円-6百万円3百万円
その他有価証券評価差額金
純資産の部計4億5千1百万円4億6千1百万円2億2千4百万円2億8千6百万円3億8千7百万円5億0千0百万円
負債・純資産合計365億7千1百万円367億0千6百万円367億2千0百万円370億4千8百万円381億1千1百万円433億2千7百万円

貸借対照表でまずチェックしたい箇所は純資産の部です。総資産に対する純資産の比率である自己資本比率が高いほど、その企業の経営状態は良好であると考えられます。
例えば自己資本比率が50%以上であれば、経営状態は良好とされています。自己資本比率が10%を下回っている場合は経営状態は良いとは言えません。

自己資本比率が低い場合は、借入金などの負債が多い状況と考えられますので、資金繰りが厳しいと予測ができます。
一方で自己資本比率が高い場合は、返済義務を有しない資金を大量に抱えているので、倒産リスクは低くなると考えられます。

自己資本比率は中長期的にその企業の安定性を確認できる指標ですが、最適な自己資本比率は業種によって大きく異なります。

例えば固定資産(建物や土地や機械など)を多く抱えている業種(製造業や鉄道会社)は最低でも20%程度はあると安心です。
逆に流動資産(ソフトウェアや”のれん”など)を多く抱えている業種(IT企業や卸売業)は最低でも15%程度は欲しいところです。

※のれん:その会社が持つ技術やブランドで、目には見えない価値の高い資産のこと

メモリード(関東)の自己資本比率は1.15%

自己資本比率は「自己資本比率(%)=純資産÷総資産」の計算式で算出可能です。
メモリード(関東)2023年5月期の自己資本比率を求める式は下記のようになります。

5億0千0百万円(純資産)÷ 433億2千7百万円(総資産)=1.15%
上記の式から同社の自己資本比率は1.15%(前年比で0.13ポイント上昇)となりました。

メモリード(関東) 利益剰余金の推移

利益剰余金とは簡単に言うと会社の貯金のようなもので、その会社の生んだ利益を分配せずにコツコツと社内で貯めたお金です。正確な会計用語ではないですが利益剰余金のことを内部留保とも言います。
内部留保は恐らく聞き馴染みのある単語だと思います。利益剰余金は貸借対照表で言うところの純資産の部に記載があります。

内部留保(利益剰余金)が多くあればあるほど、金融危機などの影響で収益状況が悪化した際にも、従業員の給与や固定費の支払いに活用できるため、企業が生き残るための重要な資金源となります。

株式会社メモリード(関東)の場合は以下のように推移しております。

メモリード(関東)の2023年5月期の利益剰余金は、5百万円(前年比211%増)となりました。
利益剰余金は過去5年間マイナスで推移していましたが、今期はプラスに転じ、前期に比べて1億円以上増加しました。
メモリード(関東)の業績も回復しつつあるようです。

メモリード(関東)の損益計算書

損益計算書を確認することで、当該企業が「どれだけ売り上げ(=収益)」「費用を何に使って(=費用)」「どれくらいの儲けが出たのか(=利益)」が一目で分かるものです。
特に注目したい項目は、売上高・営業利益・経常利益・当期純利益となります。

損益計算書

決算期37期38期39期40期41期42期
会計年度2018年5月期2019年5月期2020年5月期2021年5月期2022年5月期2023年5月期
売上高99億0千8百万円96億9千7百万円89億4千4百万円73億7千5百万円86億5千9百万円106億6千0百万円
売上原価41億6千5百万円40億1千6百万円32億0千2百万円24億9千1百万円29億3千3百万円35億8千9百万円
売上総利益57億4千3百万円56億8千1百万円57億4千1百万円48億8千4百万円57億2千5百万円70億7千0百万円
販売費及び一般管理費56億8千9百万円56億6千6百万円58億9千8百万円49億7千5百万円56億8千0百万円68億0千8百万円
営業利益5千3百万円1千4百万円-1億5千7百万円-9千1百万円4千5百万円2億6千1百万円
営業外収益2億1千1百万円1億8千4百万円1億8千5百万円2億3千9百万円2億2千4百万円2億0千1百万円
営業外費用1億9千0百万円1億6千0百万円2億5千0百万円1億9千4百万円1億9千2百万円2億3千5百万円
経常利益7千4百万円3千9百万円-2億2千2百万円-4千6百万円7千7百万円2億2千8百万円
特別利益---2億1千0百万円2億4千7百万円2億0千6百万円
特別損失2千7百万円-4千3百万円7千3百万円1億5千1百万円3千3百万円
税引前当期純利益4千7百万円3千8百万円2億6千5百万円9千1百万円1億7千3百万円4億0千0百万円
法人税、住民税及び事業税3千5百万円2千5百万円2千8百万円1千7百万円6千3百万円1億2千7百万円
法人等調整額1百万円3百万円-1千1百万円9百万円6千8百万円
当期純利益1千0百万円9百万円-2億3千7百万円6千2百万円1億0千0百万円2億0千5百万円

メモリード関東の損益計算書を確認すると、重要ポイントのうち売上高当期純利益が前年同期を上回り、営業利益・経常利益は黒字転換を果たしています。

売上金額の推移

メモリード(関東)の2023年5月期の売上高は、106億6千0百万(前年同期比23.11%増)となっています。
新型コロナの影響が大きかった2020年から2021年にかけて、売上高も減少傾向でしたが、2022年5月期には回復し、2023年5月期は100億円を超えて過去6年間で最高額となりました。

営業利益の推移

営業利益とは、売上総利益から販管費(=販売費および一般管理費)を差し引いて算出されます。つまり、どのくらい本業で儲ける能力があるかを表す数字となります。

2023年5月期のメモリード(関東)の営業利益は、2億6千1百万円(前年同期比480%増)となっています。
2020年、2021年はコロナの影響を受けたとみられ、営業損失が発生していましたが、2022年には黒字に転じ、2023年5月期は大幅に回復して初めて億単位に達し、過去6年間で最高額となりました。

事業活動による純粋な利益を表す営業利益率「営業利益÷売上高×100」で求められますが、おおむね5%を超えると優良とされています。
2億6千1百万円(営業利益)÷ 106億6千0百万 円(売上高)×100=2.45%
上記の式からメモリード(関東)の営業利益率は2.45%となっています。

経常利益の推移

経常利益はその会社の実力が一番分かる数字で、本業以外の稼ぎ(金融商品、株、為替などの取引で発生した利益)も含めその会社全体でどれだけ稼ぐ力があるか分かります。

メモリード(関東)の2023年5月期の経常利益は、2億2千8百万円(前年同期比196.1%)となりました。
経常利益も営業利益と同じく、2020年と2021年には経常損失が発生していましたが、2022年5月期より黒字に転じ、2023年5月期には億単位に達して過去6年間で最高額を示しています。

要因は売上高が回復するとともに、売上高に占める売上原価の比率である、売上原価率が改善されたことにもあると思われます。
売上原価率は売上原価÷売上高×100の計算式で求められます。
原価は売上げに対して30%くらいが理想だとされており、メモリード(関東)の売上原価率は以下の計算式になります。

35億8千9百万円÷106億6千0百万円×100=33.67%

2018年5月期には42.04%だった売上原価率も、2023年5月期には33.67%まで改善されています。

株式会社メモリード(関東)のまとめ

今回は株式会社メモリード(関東)の決算公告資料をもとに、同社の財務状況や業績の推移を分析いたしました。
2020から2021年にかけて葬儀業界は新型コロナの影響を被り、メモリード(関東)も同様だったようです。

しかし、2022年からは回復し2023年には収益も大幅に増加して、過去6年間で最高額を達成しました。
新型コロナが落ち着いた現在、メモリードグループは葬祭ホールやレストランなどを次々とオープンさせています。
また、2024年には民間葬儀場の「ひさよ斎場」と提携しており、今後もさらなる事業拡大が予想されます。
来期の決算では、さらに業績がアップしている可能性も考えられます。

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