碑文谷創の葬送基礎講座13 死者・遺族を知らずに葬式は可能か? ―僧侶手配、派遣僧侶の問題をどう考えるべきか②

碑文谷創の葬送基礎講座13

「僧侶手配」という事業

「僧侶手配」という名称こそ新しい。しかも「お坊さん便」以降はネット系葬儀斡旋事業者がこぞって類似の表現をするようになった。
しかし「僧侶手配という事業」は、首都圏ではすでに30年以上の歴史をもつ。
何せ東京では半分は檀那寺をもたない宗教的浮動層。そのくせ8割は仏教葬を希望。
その差の3割は、葬儀社かネット系葬儀斡旋事業者が斡旋するかの違いで斡旋を受けた知らない僧侶が葬儀をしている。

みんれび(現「よりそう」。当時「シンプルなお葬式」、現「よりそうのお葬式」)の僧侶手配が話題となったのはWebサービス会社の巨人アマゾンに出品したというニュースバリュによる。
それに全仏が自己批判抜きの奇妙な「理事長談話」を出したものだから話題は大きくなった。

「お坊さん便」とは

「お坊さん便」とは当時のみんれびの説明によれば「法事・法要の際に全国一律定額・追加料金なしで僧侶を手配するサービス」である。

「お坊さん便は、『法事・法要などで読経をしてもらいたいものの、お寺とのお付き合いがない』『お布施は何代をいくら包めば良いのか相場がわからず不安』という方へ、インターネットを通じて、全国へ定額・追加料金なしでお坊さんを手配するサービスです。時代のニーズに応えて、必要な法事・法要の際のみでも心のこもった供養をしていただける僧侶を紹介しています」と説明された。

よりそう(旧・みんれび)以外にも、小さなお葬式、イオンのお葬式、鎌倉新書いい葬儀、DMMが買収して話題の「終活ねっとのお葬式」、僧侶派遣プロダクションとして長い実績のあるB-WAYグループ(旧・グランド・レリジオン、八正会)がほぼ類似のサービスを提供している。

葬儀料の一部としてネット斡旋事業者が受け取り、手配手数料を除いた金額を出仕対価として支払う例と僧侶が「お布施」として受け取り一定の手数料をネット斡旋事業者にキックバックする例とがあるようだ。

ネットの世界

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