葬儀社様におかれましては葬儀施行にあたり、さまざまな関連事業者様との取引をされていることと思います。
2017年(平成29年)に公正取引委員会により「葬儀の取引に関する実態調査報告書」が公開され、独占禁止法上の優越的地位の濫用規制及び下請法上、問題になる行為(下請けいじめ)が取りまとめられました。
公正取引委員会では、葬儀業界の取引が公正におこなわれるための取り組みを要請しています。
近年の葬儀の簡素化や小規模化、コロナ禍による収益の減少など、葬儀社様にとって厳しい状況が続いていますが、独占禁止法や下請法に抵触する行為は避けるべきでしょう。
とはいえ、どういった行為が「下請いじめ」に該当するのか、判断が難しいところです。
そこで本記事では、葬儀業界の現状とともに「葬儀の取引に関する実態報告書」をわかりやすくご紹介し「下請いじめ」の発生要因と事例を解説します。
あわせて読みたい


【葬儀社さんなら知っておきたい】葬祭具メーカー・納棺湯灌・海外搬送サービス業者・葬儀周辺サービス...
葬儀・お葬式を滞りなく執り行ううえで、祭壇や葬祭具をはじめ棺桶・仏衣・骨壷・線香といった消耗品は不可欠ですので、取り扱いメーカーに関する情報は把握しておきた...
目次
- 下請いじめとは
- 独占禁止法における「優越的地位の濫用」
- 下請法とは
- 親事業者の4項目の義務
- 1.書面の交付義務(第3条)
- 2.支払期日を定める義務(第2条の2)
- 3.書類の作成・保存義務(第5条)
- 4.遅延利息の支払義務(第4条の2)
- 親事業者の11の禁止行為
- 1.受領拒否の禁止(第4条第1項第1号)
- 2.下請代金の支払遅延の禁止(第4条第1項第2号)
- 3.下請代金の減額(第4条第1項第3号)
- 4.下請代金の減額(第4条第1項第3号)
- 5.買いたたきの禁止(第4条第1項第5号)
- 6.購入・利用強制の禁止(第4条第1項第6号)
- 7.報復措置の禁止(第4条第1項第7号)
- 8.有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止(第4条第2項第1号)
- 9.割引困難な手形の交付の禁止(第4条第2項第2号)
- 10.不当な経済上の利益の提供要請の禁止(第4条第2項第3号)
- 11.不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止(第4条第2項第4号)
- 葬儀の取引に関する実態報告書の要点
- 葬儀業の概況
- 優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為がみられた取引の状況(行為類型別)
- 具体的事例
- 優越的地位の濫用規制上問題となり得る行為がみられた取引の状況(取引内容別)
- 具体的事例
- 取引上の留意点
- 葬儀業界において下請いじめが発生する要因
- 葬儀単価の減少
- 新規参入の増加
- 葬儀ポータルの台頭
- 葬儀業界における下請いじめ事例
- 事例① 株式会社 ユニクエスト
- 事例② 株式会社 日本セレモニー
- まとめ