新型コロナの影響で一時的に減少していた出展社数・来場者数も、昨年おこなわれた第8回では回復に向かっている様子がうかがえました。
しかし第9回となる今回のエンディング産業展では、主催者の変更に伴い、いくつか変更点もあるようです。
そこで本記事では、これまでの出展社数・来場者数の推移といった情報も交えながら、第9回エンディング産業展について紹介いたします。
エンディング産業展とは
エンディング産業展は、葬儀やお墓・仏壇といった葬祭関連の商材から、終活や相続・遺品整理といった人生の終末期におけるライフイベントに関連するサービスまでを包括的に取り扱う、業界最大級の展示会です。
葬儀で使用される祭壇や備品、骨壷や棺・仏衣といった消耗品などが展示され、貴重な商談の機会となっているようです。
近年では葬儀業界においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)化の動きが活発化しており、葬儀施行管理システムの実演も数多く実施されています。
また、ペットを家族同然の存在として捉える消費者の増加から、ペット葬儀関連商品・サービスの出展も目立ちます。
会場では無料で受講できる業界関係者向けのセミナーも開催され、多くの方が参加しているようです。
エンディング産業展(第9回)概要
エンディング産業展(第9回)は、以下の場所・日程で開催されます。
【会期】2023年8月29日(火・友引)~31日(木)
【会場】東京ビッグサイト 南展示棟1・2ホール
【主催】東京博善株式会社
【共催】TSO International 株式会社
会期中は各ブースにおける展示や商談だけでなく、40を超えるセミナー・イベントが開催されています。
参照:第9回エンディング産業展「セミナー・イベントのご案内」
フロアマップ
初出展企業
今回のエンディング産業展では、これまで継続的に出展されている企業はもちろん、初めての出展となる企業も少なくないようです。
ここでは、2023年8月15日時点で公開されている初出展企業を紹介します。
社名 | 取扱商品 |
株式会社 遠藤照明 | オリジナル照明「Synca(シンカ)」など |
有限会社 統美 | 故人様専用保全水【看送水】・アルコール除菌水 |
株式会社サン・ライフ・ファミリー | 冠婚葬祭などのライフイベント全般 |
株式会社 椿 | オリジナル骨壷「マカロンシリーズ」など |
アース製薬株式会社 | 触媒技術「MA-Tシステム」を採用した感染症対策製品 |
感動映像制作会社KAZUFILMS | 企業PR映像 |
株式会社BIS | 葬祭システム |
かたち製想所(Ciras株式会社) | レンズ込みの火葬できる眼鏡 |
株式会社 KOJ | 金属でのお墓制作 |
株式会社 東ネーム刺繡店 | 布生地においての六文字名号 |
阜陽市美億家木制品有限公司 | 火葬棺 Cremation coffin |
合同会社サクラアン | 京焼・清水焼の手元供養用分骨容器 |
株式会社 丸栄 | オリジナル葬具・終活キットなど |
浅倉紙業株式会社 | 色褪せに強い和紙製の仏花など |
古河ユニック株式会社 | 墓石設置用ミニ・クローラクレーンなど |
株式会社マイシェルパ | オンラインカウンセリングサービス「マイシェルパ」 |
株式会社アサヒ | お仏壇輸送用カバー |
【速報】第9回エンディング産業展の来場者数
第9回を迎えたエンディング産業展ですが、2023年8月29日~31日の3日間で12,019人が来場されたようです。
主催者側からの発表によると、3日間の内訳は以下の通りです。
第9回エンディング産業展2日目(2023年8月30日)現地の様子
エンディング産業展2023での変更点
9回目の開催となるエンディング産業展ですが、今回から主催者が変更となりました。
こういった事情からか、公式ホームページの仕様も、前回までとは異なる点がいくつか見受けられます。
主催者
これまでのエンディング産業展は、幅広い分野を対象に展示会・見本市事業を展開するTSO International 株式会社が主催してきました。
しかし2022年10月3日に、都内で6か所の火葬施設を運営する東京博善株式会社への事業譲渡が発表されました。
そのため、9回目となる今回のエンディング産業展は東京博善株式会社が主催者となり、TSO International 株式会社が運営をサポートするかたちで実施されます。
葬儀業界とのしがらみが少ないTSO International 株式会社が主催することで、エンディング産業展は中立性の高いイベントとして捉えられてきました。
しかし葬儀業界に対して大きな影響力を持つ東京博善が主催者となったことで、これまでのエンディング産業展がもっていた特徴の1つが失われたこととなります。
今回の主催者変更が、エンディング産業展への出展社数・来場者数にどの程度影響を及ぼすかは未知数ですが、ライフエンディング業界から注目されているのは間違いなさそうです。
公式ホームページ
第8回までのエンディング産業展では、公式ホームページにフロアマップが用意されていましたが、今回は現在(8/15時点)のところ用意されていないようです。
出展企業が確定し、ブースの割り当てが決定してから公開されると思われますので、フロアマップが掲載されるのは開会直前になるかもしれません。
*フロアマップは第9回エンディング産業展公式サイトからダウンロードできます。
Facebookを通じて、最新情報を発信しているようですので、来場を予定されている方はチェックしておくことをおすすめします。
また今回から、遠方からの来場者向けの宿泊手配を、株式会社 鎌倉新書のグループ企業であるハウスボートクラブの旅行事業「えんの旅」が請け負っているようです。
エンディング産業展における過去の実績
今年で9回目を数えるエンディング産業展について、これまでの出展社数や来場者数の推移をまとめました。
また、新型コロナ関連の行動規制が緩和されて以降、初めての開催となった2022年(第8回)の様子も簡単に紹介します。
エンディング産業展の来場者数・出展社数推移
2015年の第1回から毎年開催されてきたエンディング産業展ですが、第5回(2019年)以降は業界関係者向けの商談会としての色彩を強めたようです。
回を追うごとに出展社数を順調に伸ばしていましたが、新型コロナ関連の行動規制が繰り返し発出される中での開催となった第6回(2020年)では来場者数が大幅に減少しました。
続く第7回(2021年)では、出展社数が半数以下に落ち込むなど苦戦を強いられていましたが、第8回(2022年)では新型コロナの鎮静化もあって、出展社数・来場者数ともに回復に向かう様子がみられました。
今回の出展社数は、8月15日の時点で84社となっていましたが、開会までにはさらに増える可能性もあります。
*8/29(火)の開会時点では107社(前年対比48.68%減)となっています。
エンディング産業展(第8回)の来場者数
第8回エンディング産業展(2022年)は、あいにくの天候の中での開催となりましたが、新型コロナ関連の行動規制が緩和されたこともあり、出展社数190社(30.1%増)・来場者数12,951名(前年対比2.5%増)となりました。
同じくライフエンディング業界向けの大規模展示会であるフューネラルビジネスフェア2023では、出展社数・来場者数ともに新型コロナ発生前の2019年と同水準を回復していることもあり、主催者が第9回エンディング産業展に寄せる期待は大きいでしょう。
*第9回エンディング産業展の初日(8/29)における来場者数は4,343名(前年対比11.5%減)となったようです。
エンディング産業展(第8回)の様子
まとめ
本記事では第9回 エンディング産業展の概要について、過去の実績なども交えながら紹介しました。
現時点で公開されている情報は多くありませんので、紹介できる範囲は限定的になりましたが、イベントの大枠は把握できたのではないでしょうか。
開催まで残り2週間ほどとなりますので、詳細についても徐々に公開されるものと思われます。
今回は主催者が変更して初めての開催ということで、これまでのエンディング産業展の運営手法を踏襲する部分が多いかもしれません。
しかし将来的には、主催者の意向に沿って、大きく様変わりする可能性もありそうです。
葬研では、今後もエンディング産業展に関する情報を収集し、発信を続けます。