リーガルメディア関連事業を展開する「アシロ」が行った「生前贈与関する調査」によると、生前贈与の認知度は高い反面、実践割合は少ないという結果になったとのこと。生前贈与に仕組みに対する理解不足も原因の一つとなっているようです。
認知度や利用意向が高い一方で、まだ実践している割合は少ないことが判明
株式会社アシロ(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:中山博登、東証グロース市場 証券コード:7378)は、法律問題に悩むユーザーが、その分野の事件・相談対応を得意とする弁護士・法律事務所を検索できるポータルサイト「弁護士ナビシリーズ」の一つである「相続弁護士ナビ」にて、「生前贈与」に関する調査を行いましたので、調査結果を公開します。
「生前贈与」とは、『生きている間に財産を誰かに贈る』法律行為のことで、基本的にいつでも・誰でもその権利を行使することができます。近年では、贈与税の節税が見込める場合があるというメリットから注目が集まっています。
今回は、「生前贈与」の認知度や利用意向、実際の利用状況について調査しました。
※【参考】相続弁護士ナビ 生前贈与のコラム一覧
https://souzoku-pro.info/columns/seizenzouyo/
■調査の実施概要
調査期間:2021年8月27日 ~ 2022年9月6日
調査方法:インターネット調査
調査対象:相続弁護士ナビへ訪問した男女100名
- 調査結果サマリー
・「生前贈与」の認知度は86%で、仕組みを理解している人は51%だった。
・「生前贈与」を利用したいと回答した人の割合は77%である一方で、実際に実践している人は32%だった。
・「生前贈与」について弁護士や税理士に相談したことがあると回答したのは15%だった。
・「生前贈与」に対するイメージでは「毎年少しずつ行えば相続税がかからずに済む」や「生きてるうちに財産を渡せる」、「確実に課税されないようにするのが難しい」という声が寄せられた。
・「生前贈与」を行わない理由としては、「誰に相談するのが良いかわからないから」や「内容がよくわからなかった」という声が寄せられた。
- 「生前贈与」の認知度について
「『生前贈与』という言葉を知っていますか?」という質問に対して、「知っている」と回答したのは86%、「知らない」と回答したのは14%という結果になり、「生前贈与」の認知度は比較的高いことが分かります。
また、「生前贈与」に対するイメージでは「毎年少しずつ行えば相続税がかからずに済む」や「生きてるうちに財産を渡せる」といったポジティブな意見と、「メリットが良くわからない」や「確実に課税されないようにするのが難しい」といったネガティブな声が寄せられました。
- 「生前贈与」の理解度について
「『生前贈与』の仕組みについて理解していますか?」という質問に対して、「理解している」と回答したのは51%、「理解していない」と回答したのは49%という結果であり、仕組みを理解している人はまだ半数程度であることが分かりました。
- 「生前贈与」の利用意向について
「『生前贈与』を実践したいと思いますか?」という質問に対して「実践したい」と回答したのは77%である一方で、「『生前贈与』を実践していますか?」という質問に対して「実践している」と回答したのは32%にとどまっており、認知度や利用意向が高い一方で、まだ実践している割合は少ないことが分かります。
また、「生前贈与」を行わない理由としては、「誰に相談するのが良いかわからないから」や「何処にしたら良いかわからない」、「内容がよくわからない」という声が寄せられました。
- 「生前贈与」の相談先について
「『生前贈与』について、どこかに相談したことはありますか?」という質問に対して、弁護士や税理士などの専門家に相談した経験があると回答したのは15%で、相談したことが無い人の割合は76%という結果でした。
- 弁護士からのコメント(法律事務所エムグレン 武藏 元 弁護士)
<生前贈与のメリット/デメリットについて>
生前贈与の最大のメリットとしては、節税対策が挙げられます。贈与税については年間110万円の基礎控除があることから、毎年110万円以下の贈与を行えば贈与税を支払うことなく相続財産を予め減らすことが可能です。他にも条件さえ満たせば、祖父や祖母が孫のために教育資金を渡したいといった場合、最大1,500万円まで非課税で贈与するといったことも可能です。
また、贈与者は、自分の財産を自分の好きな時期に贈与することができ、またその相手も自由に選ぶことができます。孫が大学に入学するタイミングや、子供が結婚をした場合に結婚資金を出してあげたいなど様々な場面で行うことが可能です。
生前贈与を行うことによって、事前に財産を相続人に移しておくことで、遺産の内容をシンプルにして、遺産分割をしやすくするなど、自分の死後のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
生前贈与のデメリットとしては、不適切な生前贈与により納めなければならない税金が増えてしまう可能性がある点です。贈与税は高額な税率が設定されており、多額の生前贈与を行ってしまうと高額の税金を支払わなければならなくなってしまいます。
<どんな人が弁護士に生前贈与について相談するのが良い?>
生前贈与で節税をするための条件は複雑になっています。そのため、適切に節税のための生前贈与を行いたい人が相談する方が良いことは言うまでもありません。
また、生前贈与は将来の遺産分割の前倒しという側面があります。将来的に遺産相続を巡って相続人同士がトラブルになりそうな方なども弁護士に相談する方がいいと言えます。
<生前贈与を行わない方がいいケースは?>
贈与税の税率は、相続税の税率よりも高く設定されております。そのため、生前贈与が節税のメリットを受けない場合(例えば、相続人とはならない配偶者・子・孫以外の方に多くの生前贈与をしてしまう場合など)は、逆に多額の贈与税を支払わなければならなくなりますので、このような場合は生前贈与を行わない方がよいでしょう。
また、そもそも相続税が発生しないような場合にも無理に行う必要はありません。相続税には基礎控除が設けられており(基礎控除:3,000万円+(600万円×法定相続人の数))、この額を超えなければ相続税はそもそも発生しません。
<弁護士に生前贈与について相談するメリットは?>
生前贈与といっても、メリットを享受できる条件は複雑です。例えば毎年110万円以下の贈与であっても、きちんと証拠を残しておかないと後々税務署から認められない可能性も出てきます。弁護士は様々な紛争を解決する専門家です。後々トラブルになった場合に、現時点でどのような証拠を残しておけばよいのかを適切に判断することができます。
また、相続時に相続人間でトラブルにならないような生前贈与の方法も、多くのトラブルを抱えてきた弁護士にご相談いただくことで、適切に回避することが可能です。
<解説いただいた弁護士のご紹介>
・事務所名 : 法律事務所エムグレン
・弁護士 : 武藏 元
・所在地 : 東京都渋谷区円山町6-7アムフラット1階
・事務所概要 : https://souzoku-pro.info/offices/tokyo/tokyoto-shibuyaku/917/
弁護士歴10年以上にわたって多数の相続トラブル解決に尽力し、多数のメディアに出演し監修を行うなど、豊富な経験を持つ。
■「弁護士ナビシリーズ」について
弁護士ナビシリーズは、地域や相談内容を指定して、弁護士・法律相談所を検索できるサービスです。離婚・労働問題・交通事故・相続・刑事事件・債務整理・債権回収・IT・企業法務の9つの分野で構成されています。専門分野ごとで独立したサービスであるため、ユーザーが抱える法律トラブルに合った弁護士・法律事務所を見つけることが可能です。
*サイトURL:https://asiro.co.jp/business/lawyer-media/
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・ID : @930rpots
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■「相続弁護士ナビ」について
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*サイトURL:https://souzoku-pro.info/
■株式会社アシロ 概要
・代表者 : 代表取締役 中山 博登
・所在地 : 東京都新宿区西新宿7-7-6 トーワ西新宿ビル
・資本金 : 547百万円(2022年7月末日時点)
・設立 : 2016年4月
・従業員数: 51名(2021年10月末日時点)
・事業内容:
―インターネット上で法律情報や弁護士情報等を提供する「リーガルメディア関連事業」
―弁護士有資格者の人材紹介サービスを提供する「HR 事業」