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終活ファミリーフェスタ2019in東京ー葬儀やお墓の最新情報が集結したイベント 自分らしい生き方を最後まで

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終活情報が集まる一大フェスタ 最後まで自分らしい生き方や葬儀の選択を

終活フェスタは、終活カウンセラー協会が主催する終活に特化したイベントで、2013年にスタートしました。シニア向けの雑誌やテレビの情報番組で終活がひんぱんに取り上げられるなど、「人生の終焉を見すえての準備」や「自分らしい葬儀の選択」への関心が高まる中、関連企業が出展し、終活情報に直に触れることができるイベントとして人気が高まっています。

3月3日(日曜)、東京都大田区の大田区産業プラザPioにて開催された「終活ファミリーフェスタ2019in東京」には、30以上もの事業者が出展。生前整理サービスや地元の葬儀会社のほか、葬祭・霊園関連事業を幅広く手がけるニチリョク、仕出し料理の玉乃屋など大手企業も参加する注目のイベントとなりました。また、別フロアではセミナーが開催され、終活カウンセラーの講演や納棺師による納棺の儀式の実演、有識者がいのちについて意見を交わすディスカッションなどが聴衆の関心を集めました。

終活フェスタ

終活を意識する50代~80代の人が数多く来場。各企業ブースでの相談や見積もりが人気を集めた

 

葬儀費用をその場で無料見積り 家族葬の基本プランのほか故人の状況をヒアリングしての見積りも

「この場で無料お見積いたします」との看板がひと際目を引いたのが、大田区の金子葬儀社のブース。明治43年創業の地域密着型の葬儀会社です。同社のプランに沿った見積もり事例をプレゼンテーションしており、たとえば家族・親族20人が参加する家族葬なら73万9.880円(お布施などは別)。

「高齢化が進み、長期間療養する方が増加する中、ご家族が事前に葬儀の見積もりを依頼するケースは増えています。相見積もりも常識となっており、費用も含めて納得のいく形でのお別れを選択なされています」(金子社長)。

広域で展開する事業者も多い中、地域で事業を行う葬儀会社の強みとして、お寺をはじめ地域の事情や人間関係に精通していることをあげます。現代は、お寺と檀家とのつながりが希薄になっている時代。地方出身者が急逝し、宗派のお寺を紹介する場合なども、「代々地域の葬儀に携わってきた会社だからこその蓄積がきめ細かな対応に活かされる」とのこと。説得力があります。

身内以外も会葬する「一般葬」の場合はどう見積もるのかを尋ねたところ、「亡くなった方の年齢、お仕事が現役なのかどうか、地域での活動などをヒアリングして会葬者の人数を推測し、適した式場をご提案します。葬儀屋の腕の見せどころですね」とのことで、プロの仕事の一端に触れることができました。終活の最終地点である葬儀は、情報を収集することにも少なからずためらいがありましたが、今回のイベントで、葬儀スタイルや費用について知識を得ることができたのは貴重な経験でした。

金子葬儀社

「家族のあり方や価値観が変化する中、葬儀も変わってきています」。日頃触れ合うことがない葬儀会社の話は興味深く、葬儀を考えることのハードルも低下

 

「納棺の儀」で知る葬儀の本質 ご遺体のケアという厳かな時間。

 映画『おくりびと』で一般に知られるようになった納棺師。映画のシーンで、ご遺体処理のスペシャリストである納棺師による心を込めた納棺の儀を知り、その厳粛さに心を打たれた人は多いのではないでしょうか。

一般に、納棺師は葬儀会社からの依頼でご遺体の湯灌や納棺を行いますが、納棺師が葬儀全体をプロデュースするのが「おくりびと。のお葬式」(ディパーチャーズ・ジャパン)。出展では、ブースでの説明や見積もり依頼のほかに、スペースに設置された棺の中に入るというリアルな体験も。映画の影響もあるのでしょうか、多くの来場者の注目を集めている出展企業のひとつでした。

同社では、納棺師の養成や検定も実施しており、検定は、技術の向上を目的とする葬儀会社のスタッフのほか、身内のご遺体のケアを希望する一般の人も受検しているそう。基本的な知識と納棺師に引き継ぐまでのご遺体の保湿ができる3級の場合、1日で資格取得が可能とのこと。「納棺の儀では、ご遺族に清拭やメイクの一部などに携わっていただくこともできますが、より能動的にケアに関わりたい、との考えられる方は増えています」(同社スタッフ)。

 

おくりびと。のお葬式

会場に出現したご遺体にびっくり!? 納棺師が主宰する会社の出展では納棺体験も実施

場所を移し、セミナー会場では同社代表の木村光希氏によるデモンストレーションが行われました。納棺の儀は、ご遺体の硬直した体をほぐすことから始まります。そうすることで、装束に着替えさせる際にムリに腕を通し、骨を折ってしまうことがなくなるそう。体温を伝えるかのように丹念に固まった筋肉をほぐす様子からご遺体への敬意が伝わってきます。装束を整え、着替えを行うプロセスでもご遺体を動かすのは最小限。また、ご遺族の視界を妨げないよう、納棺師は常にご遺体の決まった側面に立って儀式を執り行います。心を込めた納棺の儀。静謐で、心が洗われるような時間でした。

納棺の儀

約20分間納棺の儀のデモンストレーションを実施

木村光希氏納棺の儀

木村光希氏の納棺の儀デモンストレーション

 

お墓のあり方を選択する時代。まずは遠隔地の墓まいりや改装から情報収集を

 先祖代々のお墓に入るのが当たり前だった時代から、お墓のあり方を自ら選ぶ時代になっています。現状、大きな懸案となっているのが先祖のお墓をどうするのかという問題。中でも、足を運ぶのが難しい遠隔地のお墓まいりやお墓掃除の代行は、ニーズの高いサービスです。
フェスタには、法事などの仕出し会席料理で知られる玉乃屋グループのお墓掃除代行サービス部門が出展。「自社でトレーニングした専門スタッフが心を込めてのお墓の掃除を行い、写真付きの報告書でご確認いただけます」(同社出展スタッフ)。対象エリアは全国をカバーし、1万5000円という明朗な価格も安心感があります。故郷のお墓は守りたいけれど今年は行けない、今すぐ墓じまいをするのは現実的ではない、など事情に応じてその都度利用できるのもうれしいサービスです。

墓じまい(お墓の改装)もまた、終活で注目されるキーワードです。今回出展したニチリョクは全国のお墓の改葬に対応可能な大手企業で、ブースにて相談窓口を開設。墓じまいにかかる費用などトラブルになりがちなのが寺院墓地からの移転ですが、「お寺様との調整や移転に必要な行政手続きも当社が行います。折衝が難しいケースでは、弁護士のご紹介が可能です」(同社出展スタッフ)。

また、遺骨の取り出しから墓石の解体・撤去という実際の作業についての説明も受け、墓石の解体→リサイクルというプロセスが手間も費用もかかるという、墓じまいの実際を知ることができました。お墓の引っ越し先も、マンションタイプから樹木葬タイプまで幅広く用意しており、ワンストップで依頼できるのも安心感があります。

玉乃屋

「お墓掃除に特化した教育やトレーニングを受けた専門スタッフならではのサービスが好評です」(玉乃屋)

ニチリョク

「近年は遠隔地からだけではなく、郊外の大型霊園から都心へのお墓の改装を希望する方も増えています」(ニチリョク)

定番の生前整理や、今後ニーズ増が予想されるペットの代行飼育の出展も

終活という言葉で多くの人がイメージするのが生前整理です。会場には、生前整理・遺品製品代行サービスの会社・ワンズライフのブースも。ブースをのぞき込んでいたシニアの手前くらいの人は、「まずは親の家の片づけですが、自分自身の生前整理も考えている」とのこと。終活についてのアンケートによると50~70代で8割超、49歳以下でも7割弱が「終活として準備したいこと」に生前整理をあげていますが*1、言い換えれば、ミドル―シニアの親子で取り組める終活ということ。とはいえ、実際に親の家を片づけ始めると、物の取捨選択でもめて中断したという例は珍しくなく、プロが整理や片付けのアドバイスをしてくれるサービスは大いに活用できそうです。

まだあまり知られていないサービスでは、ペットの代理飼育施設(老犬老猫ホーム 東京ペットホーム)が出展。飼い主が病気や介護が必要になり、ペットが飼えなくなった場合や、ペットが介護を必要になった場合に、飼い主に代わってお世話をしてくれるというものです。犬と猫は別々の建物で、個室から出てゆったり体を動かせるスペースを設ける環境に配慮した施設とのこと。1泊からのホテルとしての利用もできるので、シニア世代であれば旅行などの際に活用してみるとよいかもしれません。近年、ひとり暮らしの高齢者が認知症になり、ペットが取り残されるという問題が報じられています。終活を意識するミドル~シニア世代にとって不可欠の対策といえるでしょう。

生前整理

終活で取り組みやすいジャンルであり、関心の高さが伝わった生前整理のブース

東京ペットホーム

高齢化によるペット問題は今後の増加が懸念される。万が一に備えてペットの行き先を確保するのは飼い主の義務

 

葬儀の話題はもはやタブーではない。約3割が「葬儀の意思を示したい」

 終活イベントというと、シニア世代がひとりで、または女性が複数で訪れるイメージがありましたが、今回の終活フェスタでは、シニアのご夫婦や40代くらいのミドル世代の姿も見られ、終活という言葉や概念が想像以上に広く浸透していることがわかりました。またアンケートによると、50~70代の3割以上の人が終活として準備したいことに「葬儀や法要の意思表示」をあげていますが*1、「自分ごと」として葬儀の情報を求める意識はますます高まっていることが、葬儀関連のブースのにぎわいからも感じ取れました。

実際に会場を回って見学したり、話を聞いたりすると、終活とは現在の地点から先を見渡す「人生計画」であり、終末期に限定した特殊なものではない、ということを実感しました。早く準備するのは縁起がよくないかも…と思っていた葬儀やお墓についても、話を聞くほどに思い込みが消えていきます。自分のために、家族のために。知識をもつことの大切さを感じたイベントでした。

*1
「「終活」で準備したいこと 親世代・子世代でギャップ」(リサーチ・アンド・ディベロプメント)
https://www.rad.co.jp/wp-content/uploads/2016/10/Shukatsu_release_20161027.pdf

終活ファミリーフェスタ2019出展ブース

終活ファミリーフェスタ2019出展ブース

終活ファミリーフェスタ2019セミナーイベント

終活ファミリーフェスタ2019セミナーイベントプログラム

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葬研(そうけん) 編集部

葬研(そうけん) 編集部

葬研(そうけん)編集部のメンバーが“価値ある葬儀施行を求める葬儀社のみかた”をコンセプトに、商材・サービス・動向等をお届けしていきます。

編集部では、加熱する市場に対する興味から業界・企業分析をおこなう者、身内の遺品整理で興味を抱いたきっかけで葬儀のニュース収集をおこなう者、情報の非対称性に疑問を抱いたきっかけから企業の比較をおこなう者等の葬儀に関連するメンバーが結集して作り上げています。

"ないものをつくる作業"が大半です。

記事には加筆・修正もあるかと思いますが、温かい目でみてもらえると幸いです。

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