現代日本は火葬場不足が深刻になっています。たとえば亡くなってから火葬までに時間がかかっることも。
火葬を行うにあたって深刻化している問題が、火葬場の不足です。高齢化社会の進展で年間の死亡数が増える一方、火葬場の数は減少傾向にあります。厚生労働省によると、2015年の年間死者数は129万人にのぼり、今後も増加する見込みがあるようです。しかし実働している火葬場は、1980年代には全国に約1900箇所あったにもかかわらず、現在では約1500箇所まで減ってしまいました。この影響により、都市部では亡くなってから通夜まで1週間待ち、というケースも出てくるほどです。
そんな中、京都では2025年度の新火葬場の運用開始を目指しています。京都府亀岡市は、実施設計以降に「新火葬場整備事業」にPFI手法を導入します。
PFIとは、公共施設が必要な場合に、民間資金を利用して、民間に施設整備とサービスの提供をゆだねる手法のこと。2020年度に基本設計業務とPFIアドバイザリー業務を発注し、委託先を選定。21年度に事業者募集を開始し、選定するそうです。
ニュース元は以下の通りです。
6月に公表した基本計画では、「故郷の里山で故人を送る」を基本コンセプトに設定。施設内を移動する際にも光や風、緑、眺望など自然が魅せる表情を表現できる建築計画を目指す。仕上げ材には温かみのある自然素材を採用し、誰もが快適に利用できるユニバーサルデザインを導入する。
施設規模は延べ約2500㎡。火葬棟と待合棟、駐車場などの外構で構成し、火葬棟には人体炉4基、動物炉1基、告別・収骨室2室、霊安室1室(保冷庫2台)を設ける。駐車場は普通車37台、マイクロバス4台の収容を予定している。実施設計以降はBTO(建設・譲渡・運営)方式のPFIを導入する。
概算事業費は、総額38億8558万4000円(税込み)。このうち、基本・実施設計が1億4448万4000円(同)、建設工事費が19億7800万円(同)、火葬炉整備費が3億2670万円(同)。
基本計画策定業務は東畑建築事務所が担当した。
建設地は余部町丸山。
現施設は1956年に稼働開始した。規模はS造平屋一部2階建て延べ405㎡。収骨室1室、待合室2室、火葬炉3基、駐車場がある。95年に火葬炉1基を増設したほか、00、01年に大規模改修工事、11年から14年にかけて機能更新工事を実施している。