葬儀やお墓・仏壇など、日本にはご供養に携わる事業者が数多く存在しますが、その多くは関連業界団体に所属しています。
各業界団体は、行政との連携や所属企業に対しての情報提供、人材育成支援などをおこない、業界全体の発展や健全化に取り組んでいます。
本記事では、霊柩自動車の業界団体である『全国霊柩自動車協会(全霊協)』について紹介します。
全国霊柩自動車協会(全霊協)の概要
葬儀・葬祭業界には、さまざまな団体が存在し、業界の発展やサービス向上に努めています。そのうち、ご遺体搬送サービスにおいて重要な役割を果たしているのが、全国霊柩自動車協会(全霊協)です。
1975年に設立された全霊協は、霊柩搬送事業に関する業界団体として、葬儀・葬祭業界の発展に大きく貢献しています。
【団体名称】全国霊柩自動車協会(全霊協)
【所在地】〒160-0004東京都新宿区四谷3丁目2−5全日本トラック総合会館2F
【設立】1975年4月1日
【代表者】岡 伸二郎
【正会員】43名(43都道府県)
【賛助会員】7名
【公式HP】https://www.09net.jp/index.php
全国霊柩自動車協会(全霊協)の事業・取り組み
霊柩搬送事業に関する普及・啓発活動
全霊協は、霊柩搬送事業の普及と啓発活動に力を入れています。霊柩搬送事業の重要性や役割を広く理解してもらうことを目的とし、広報活動やセミナーを開催しています。
運行管理の適正化
全霊協は、霊柩搬送事業運営における運行管理の適正化に取り組んでいます。運行管理者資格取得の促進や法令遵守の徹底などについて加盟事業者に呼び掛けています。
質の高いドライバー育成
全霊協は、質の高い霊柩自動車ドライバーの育成に努めています。人材確保に向けた対策をとるとともに、働き方改革関連法や夜間の労務管理問題への対応に取り組んでいます。
環境保護への取り組み
全霊協は、環境保護にも力を入れています。省エネルギー対策や排ガス規制の遵守を徹底し、地球環境に配慮した運行が行われるよう推進しています。
情報提供
全霊協は、会員企業や一般消費者に対して、霊柩自動車に関する情報を提供し、安心して霊柩自動車を利用できるようサポートしています。
そのため全霊協では、霊柩事業に関する各種リーフレットも作成しています。
各自治体と災害時緊急遺体搬送協定締結
全霊協では、地震や台風・洪水といった災害や大事故の発生に備え、全国各地の自治体と災害時緊急遺体搬送協定を締結しています。
これらの取り組みを通じて、全霊協は葬儀・葬祭業界における霊柩自動車の適切な利用や運行を支援し、業界全体の発展に貢献しています。また、これらの活動は、加盟企業や消費者に安心感や信頼感を提供し、葬儀・葬祭業界のサービス向上に繋がっています。
全国霊柩自動車協会(全霊協)の特徴
全国霊柩自動車協会(全霊協)は、葬儀・葬祭業界に特化した業界団体として、いくつかの顕著な特徴を持っています。以下に、全霊協の主な特徴をご紹介します。
専門性
全霊協は、霊柩搬送事業に特化した業界団体であるため専門性が高く、霊柩自動車の運行や運用に関する知識や技術の向上に尽力しています。
安全性の追求
全霊協は、霊柩搬送業界に特化した唯一の全国組織であることが最大の特徴です。その規模と影響力により、霊柩搬送事業者を代表し、業界全体の経済健全化推進に取り組んでいる組織です。
全霊協は、霊柩搬送事業の適正な運営と公正な競争による業界の健全な発展、および社会的地位の向上を図るとともに、公共福祉の増進に取り組んでいる組織です。
新たな規制や技術の導入、業界のトレンドやチャレンジについての最新情報をメンバーに提供し、業者が市場で競争力を維持するのを支援します。
また、全霊協は、公的機関とのコミュニケーションを維持し、業界に関連する規制や政策に影響を与えることで、業界全体の利益を代表します。
全国の業者が互いに経験や知識を共有し、新たな取り組みや解決策を見つけるための機会を作り出します。
そのため、全霊協は、業界の情報源として、そして、業者が一体となり共通の目標を達成するための場として、重要な役割を果たしています。
全国霊柩自動車協会(全霊協)に加盟するメリット
全霊協に加盟することで、霊柩搬送事業者は多くのメリットを享受できます。
まず、法規制の変更や新技術の導入など、霊柩車業界に関する最新情報を手に入れることができます。
また、全霊協の各種セミナーや研修会などに参加することで、業者は新たなスキルを習得し、業界標準を満たすことができます。
さらに、全霊協のメンバーとして、葬儀社は全国の同業者とのネットワーキングの機会を得ることができます。
新たなビジネスの機会を発見したり、ベストプラクティスを共有したりする上で非常に有益といえるでしょう。
全霊協は業界の利益を代表して政策提言を行い、霊柩車業界の発展をサポートしています。
全国霊柩自動車協会(全霊協)の役員・理事(所属企業)
全霊協の運営を担う役員・理事は、以下の方々が務めています。
役職 | 氏名 | 所属地域 | 所属企業・団体 |
会長 | 岡 伸二郎 | 東京 | 東礼自動車株式会社 |
副会長・代表理事 | 廣津 厚 | 福岡 | 株式会社 公益社 |
副会長・代表理事 | 石原 良一 | 愛知 | 名古屋特殊自動車株式会社 |
副会長・代表理事 | 松井 信五 | 京都 | 公益サービスセンター |
副会長 | 新原 一郎 | 北見 | 株式会社にいはら |
副会長 | 八田 守立 | 青森 | 有限会社ハチレイ |
副会長 | 塚田 篤雄 | 長野 | 有限会社日野岩 |
副会長 | 村木 篤 | 神奈川 | 横礼自動車株式会社 |
副会長 | 櫻井 正明 | 山口 | 株式会社 櫻井葬儀店 |
副会長 | 谷久 浩一 | 香川 | 株式会社 小豆島互助センター |
専務理事 | 酒井 好道 | 全国霊柩自動車協会 | |
理事 | 野村 泰司 | 帯広 | 株式会社のむら葬祭 |
理事 | 加藤 正則 | 秋田 | 株式会社メモリー |
理事 | 山内 誠一 | 新潟 | 株式会社 山内葬祭 |
理事 | 武田 薫 | 栃木 | 株式会社タケダ商事 |
理事 | 大和 祥晃 | 群馬 | 株式会社ヤマト |
理事 | 荒木 由光 | 千葉 | 有限会社 アラキ |
理事 | 保坂孝夫 | 山梨 | 株式会社セレオ |
理事 | 若宮 良三 | 岐阜 | 有限会社可茂霊柩 |
理事 | 齊藤 豊 | 静岡 | 有限会社 斎藤 |
理事 | 小堀 仁 | 滋賀 | 有限会社 本庄造花店 |
理事 | 川瀬 高志 | 大阪 | 株式会社 公益社 |
理事 | 川島 弘丈 | 兵庫 | ケーアール株式会社 |
理事 | 太田 敦久 | 島根 | 株式会社 博愛社 |
理事 | 向井 祐治 | 広島 | 有限会社 光屋 |
理事 | 清水 健吉 | 愛媛 | 有限会社 清水葬儀社 |
理事 | 為永 伸夫 | 長崎 | 株式会社 為永 |
理事 | 瓜生田 孝和 | 熊本 | 有限会社 善香社 |
理事 | 米丸 五男 | 鹿児島 | 有限会社 天国 |
監事 | 齊藤 元司 | 茨城 | 株式会社 齊藤豊元社 |
監事 | 宮森 順治 | 税理士 | |
最高顧問 | 一柳 鎨 | 株式会社 一柳葬具總本店 | |
顧問 | 伊藤 達成 | ||
顧問 | 小西 幸治 |
まとめ
本記事では全国霊柩自動車協会(全霊協)の概要や特徴・取り組みなどについて詳しく紹介しました。
全霊協では、加盟事業者に対して法令順守を呼びかけて業界の健全化と発展を図りながら、社会的地位の向上と収益改善に取り組んでいるようです。
また宮型霊柩車の需要拡大に向けて『宮型車利用促進リーフレット』を作成するなど、消費者に対する広報活動も行っています。